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送料は無料ではない問題

岡山・西粟倉村の材木屋のハダ(@hada_tomohiro)です。

今日のnoteは、モノを運送するときに発生する運送費について。モノを運ぶには当然お金がかかるはずですが、今や送料無料が当たり前になっており、運搬にかかるコストはないがしろにされがちですね。


社用車に大容量のハイエースが仲間入り

社用車にトヨタのハイエースが仲間入りしました。ハイブリッドで燃費抜群のプリウスくんと大容量のハイエースくんの2台で頑張っています。

ハイエースが仲間入りしたことで工務店さんなどのお客さんに訪問がてら商品の納品ができるようになりました。

つい先日もお得意様の工務店さんと打ち合わせがてら現場物件に納品してきました。フローリングが40坪弱、窓枠を少々。ハダ運送ハイエース便のお出ましです。


製品価格より運送費が高くなる場合もある木材流通

木材産業の主な市場である住宅産業では、構造材などの柱や内装材などのフローリングは2−4mの長さで流通することがほとんどです。

長さ2mの商品は、宅急便の160サイズルール(幅・奥行き・高さ合計が160cm以上のモノは宅急便で運ぶことができない)を越えるため、宅急便での配送ができず、混載便もしくはチャーター便での配送が基本です。


チャーター便は文字通りトラックをチャーターするので時間指定ができ、トラック単位で手配するので大量の荷物を運ぶ際にメリットがあります。その分、金額は高くなります。

例えば、岡山→東京に4t車のチャーター便を飛ばすと平気で7−8万円はかかってしまいます。


混載便は、複数の荷主からの荷物を1台のトラックに積み合わせ輸送する配送サービス。

運送費はチャーター便に比べれば安いのですが、時間指定ができなかったり、トラックの上で荷物を渡す車上渡しが原則になります。

また、4tトラックが入れない細い路地へ納品する場合は着点チャーター便の組み合わせになり、運送費が高くなることがあります。

荷降ろしが必要になる場合も同じように運送費に上乗せされます。


運送業者さんが運送する前に知りたいこと

いつもは運送業者さんに依頼して運送してもらうことがほとんどですが、実際に何度か自分で商品を運んでみると、たくさんの発見があったので整理してみました。

・荷物量
荷物はどれくらいのサイズか、重さか、数量か、どんな梱包か

・現場住所
駐車スペース有無や交通量を知りたい。記載住所と現場にズレがある場合も

・納品時間
他運送業者との重複は避けたい、受け渡しで待ちたくない待たせたくない

・配送条件と置き場
運送業者に依頼すると車上渡しが一般的だが「荷降ろし」依頼の場合もあり

・次の予定との調整
受け渡しや荷降ろしにかかる時間、道路の込み具合など考慮する必要あり

一般的に運送業者に依頼する際は、混載便やチャーター便にかかわらず、諸条件を確認した上で運送費の見積もりがあります。


ただ自分自身が大きな車の運転や荷物の運搬に不慣れなもので、現場住所を間違え、道が狭くて駐車に手間取り、荷物が多くて荷降ろしに時間がかかり、道路が込んでいて次の予定に遅れそうになる、と散々なものでした…!


メーカーにとっては送料は無料ではない

宅急便や混載便など運送費の上昇を止めることはできない一方、Amazonや楽天などは送料無料が当たり前になっているのもまた事実です。

自分自身、インターネットで買い物する際に後出しで送料がかかると、なぜか損した気分になってしまうものです。


けれど、「なぜか損した気分」こそがユーザー目線。メーカーとしてはその目線でモノづくりに取り組まねばいけません。


2017年10月1日、宅配便最大手のヤマト運輸が27年ぶりに宅急便の運賃を全面改訂(個人向けの運賃を平均で15%値上げ)したことが大きなニュースになりました。

続いて、佐川急便は2017年11月12日に、日本郵便は2018年3月1日に値上げと改訂が相次ぎました。


個人向け宅配の宅急便だけではなく、ぼくたち材木屋が多用する混載便やチャーター便も同じく値上げが起こり、これからのモノづくりを考えさせられる機会になっています。


時間指定&軒先渡し可能な宅急便を生かすモノづくり

具体的にどんなことができるのかと考えてみると、まずはヤマト運輸の宅急便で運送可能な160サイズを生かしたモノづくりをすることです。

▶ヤマト運輸・宅急便のルール
3辺(縦・横・高さ)の合計が160cm以内
重さが25kgまでの荷物


例えば、今まで長さ2mで製造していたフローリングを長さ1mでつくってみる。この長さなら1畳(1.62平米)ほどの量をまとめて宅急便で運ぶことができます。


「短いフローリングじゃ現場で張るのに手間がかかっちゃうよ」と施工業者さんから言われてしまいそうですが、運送費はもちろん、現場での選別のしやすさや施工性を高めた提案ができれば、今までの慣習を飛び越えて良い提案になるのではないかと思っています。


宅急便で運ぶことができ、運送費は製品価格に折込済み、時間指定や軒先渡しが可能で、おまけに現場で大工さんやユーザーの手間も省ける製品だとしたらきっと今の時代に求められるモノになるなと思ったのでした。

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