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自分で自分に「YES!」と言おう(統合失調症の私のNPO法人設立奮闘記Vol25)

あなただけは「YES!」と言ってよ

私の好きなシンガーソングライターの阿部ひろ江さんの歌に「YES!」という歌があります。私はこの歌が大好きです。

歌詞を載せます。

誰もがわたしにNO!って言うの
でもあなただけは あなただけは「YES!」って言ってよ

※誰が見ても 私が見ても
わたしが間違ってるわ
それでもあなただけは 「YES!」
と言ってよ

傷つかない そのために
何にもしゃべらない
身も心も預けられる
ところは何処に?

※繰り返し

あなたに期待なんかしたくは
ないわ
私の気持ちは もう
張り裂けそうなの

※繰り返し

私は無茶苦茶生きている
でもそれがわたし
やめればわたしじゃない

自由と孤独は引き換えさ
それは当たり前
それでも自由がいい

※繰り返し

作詞・作曲 阿部ひろ江さん



そうなのですよね。だれもが自分に「No!」と言ってもただ一人だけ、一人だけでも自分に「YES!」と言ってくれたら、人って救われるのではないでしょうか?

そんな人が一人でもいて欲しいですよね。この歌はそんな気持ちにさせてくれます。私の大好きな歌です。


ありのままの私ではいられなくて

発病したとき、残念ながらそんな風に私に「YES!」と言周りにはいませんでした。いませんでした。

私は結婚して、お寺で暮らしていました。元夫が僧侶だったからです。

過労と睡眠不足、それに実家の悩み事が重なって、私の心は悲鳴を上げていました。

それでも私は、アクセルを踏み続けていました。休もうとしなかったのです。

いつも私を縛っていた言葉があったからです。それは姑から言われた言葉でした。
「お寺の奥さんは、みんなの見本とならないといけんのじゃけえ」
その言葉はいつもいつも私を縛っていました。

ありのままの私でいてはいけない。もっと頑張らなくては。もっともっと・・・

そうしてとうとう私は壊れてしまいました。

あの当時、「そのままでいいんだよ。ありのままのあなたでいいんだよ」と言ってくれる人がいたら…

ひろ江さんの歌のように、だれもが「NO!」と言っても。ただ一人だけでも私に「YES!」と言ってくれる人がいたら・・・私の心は壊れなかったと思います。

そして発病することもなかっただろうし、別の人生を生きていたと思います。


それでもSOSを発信しなくては

でも、元夫も含めて、周りにいた人を私は責めることはできません。

なぜ?

それは私自身がSOSを発信していなかったからです。それでは、周りの人も私が壊れそうに苦しんでいたことを察することはできなくて当然です。

SOSを発信するって、とても勇気がいることですよね。

私たちは親や先生から、「頑張れ、頑張れ」と言って育ってきました。そのすり込みって大きいと思います。もう頑張れないというところまで来ているのに、「助けて!」とは言えない人は多いのではないでしょうか?

私はSOSを発信できませんでした。

SOSを発信するためには、温かな人間関係に囲まれている必要があります。勇気を出して発信したSOSをキャッチしてくれる人が必要なのです。キャッチしてくれる人がいて初めて、SOSが誰かに届くのです。

それでも、キャッチしてくれる人がいなかったとしても、勇気を出してSOS を発信することが必要だと、私は思います。

私の抱える統合失調症という病気。その患者数は国内で約80万人と言われています。アルツハイマー患者数よりも多いのです。その数を聞いて驚かれた方も多いのではないでしょうか?

これだけの数の患者数がいながら、なかなかその当事者や家族の方の声を聞くことはできません。声をあげるのが怖いからです。発信するのが怖いのです。

社会の無理解と差別と偏見が怖いのです。

だからこそ、私は発信していくことが大切だと考えています。そしてこうやって、ブログやSNSで発信し続けています。これからも発信し続けていきます。


自分で自分に「YES!」と言おう

誰か一人だけでも、自分に「YES!」と言ってくれる人がいたら、きっと人は救われると書きました。本当にそう思います。

でも、それよりももっと大切なことがあるのではないでしょうか?

そう、自分で自分に「YES!」と言うことです。

無茶苦茶でもいいのです。
失敗したっていいのです。

今・ここに生きている。
それだけで、私たちは素晴らしいのです!
そんな自分自身に、自分が「YES!」ということ。そのことが大切なのではないでしょうか?

昨年一年間の国内の自殺者は、2万1818人だそうです。すごい数です。こんなにたくさんの方達が、自ら命を絶つことを選んだということに、胸が痛みます。

もし、その方達が、自分自身に自分で「YES!」ということができれば、踏みとどまることもできたのではないでしょうか?

あるいは、誰かが、その人に「YES!」と言ってあげていたら、死なずにすんだかもしれません。

自分に、そして誰かに「YES!」ということは、とても大切なことだと、改めて思いました。


だからこそ「心の安全基地」が必要

私自身が心が壊れた経験をしたからこそ、誰にもSOSを発信できずにいた辛い過去があるからこそ、「心の安全基地」は必要だと、強く思っています。

SOSを発信するのは、とても勇気がいることだと書きましたが、そんなSOSを安心して発信できる場が、絶対に必要だと思うのです。「心の安全基地」はそんな場です。

故國分康孝先生は「ふれ合いのある社会が大切」と繰り返しおっしゃっていました。「心の安全基地」はまさに、ふれ合いのある社会をつくっていくものだと確信しています。

今は私は京都で活動しています。月に一度、一乗寺の珈琲焙煎処桃栗さんでイベントをしています。毎回楽しみに参加してくださる方もいます。その中には、私と同じように、統合失調症を抱えている人もいます。

5月19日には、「発達障害で『ぐちゃぐちゃな私』が最高に輝く方法」の著者の中村郁さんの講演会と、阿部ひろ江さんのライブのイベントを開催します。

発達障害の当事者でありながらプロのナレーターとして活躍して、二人の娘さんたちの子育ても頑張っている郁さん。

長年、特別支援学校で障害児教育になず触り、退職後は、シンガーソングライターとして活躍して、世界5大陸で歌ってきた阿部ひろ江さん。

二人の素敵な女性のイベントを主催できることが幸せで、そして楽しみでなりません。

私の一歩は小さな歩みでしかないかもしれません。この小さな歩みをその輪をどんどん広げていきたいと思って、今、Safe Space ほっこりをNPO法人化することを仲間と一緒に頑張っています。本当に素晴らしい仲間たちに出逢えました。

自分に自分が「YES!」と言える人を増やしたいから。
安心してSOSを発信できる社会にしたいから。
SOSをキャッチする人を増やしたいから。

これからも、仲間と一緒に頑張っていきます!

最後まで読んで下さって、ありがとうございました。


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