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欧州が先行する「MaaS」とは何ぞや?

#COMEMO #NIKKEI

高速バス大手のWILLER[ウィラー/大阪市]は、2020年秋にも定額で複数の移動手段を使い決済までできる国内初のサービスに乗り出す。

定額で複数の移動手段を使い決済までできる?
イメージとし真っ先に浮かんだのは、複数の交通機関をまたいで使える定期だったが、ここで出てきたのが「MaaS(マース)」の4文字だった。

自家用車に頼らず、公共交通やタクシーなどを組み合わせた効率のよい移動サービスは「MaaS」と呼ばれ、北欧など欧州が先行する。
利用者はスマートフォンに移動経路の検索や予約、決済の機能を1つにまとめたアプリを登録し、QRコードで決済をすませる。

つまりWILLERが乗り出そうとしているのは日本版MaaSということか。
記事には地元の主要なバス会社やタクシー会社とも連携し、20年春には実証実験を始めるとある。

交通事業者には決済用のQRコードを導入してもらい、利用者は鉄道やバスなど対象の移動手段ならどれに乗っても定額で使える。
サービス内容は今後詰める。実用化する段階では利用できる上限回数を定めるなどして、1カ月5000円前後を目指す。人工知能(AI)などで効率的に運行する相乗り車両の活用も検討する。

1カ月5000円前後とはまた思い切った金額だなと思った。どうしても定期券のイメージが先に来るので、1ヶ月1万円くらいでなければ厳しいかと思ったのだが。

WILLERは月に一定額を支払えばサービスを継続利用できる「サブスクリプション」モデルをMaaSの分野に持ち込む気のようだが、果たしてどれだけの地域を巻き込んで事業を展開する気なのだろう。
京都での実験結果次第では福井や石川、富山、新潟の各県での展開も視野に入れているようだが。

広島在住なので見事に対象地域圏外ではあるが、仮に1カ月5000円前後で複数の交通機関を使って好きなだけ利用できるとなれば、頼まれなくたって、時間が許すかぎり、対象地域圏内を好きなだけ行き来するだろう。そして図らずも消費活動に拍車がかかり、結果として自沈するというオチがつく。

もうひとつ、"交通事業者には決済用のQRコードを導入してもらう"とあるが、これは自前の独自QRコードなのか、それとも乱立する既存のQRコード決済を採用するのか?

移動先に伴う消費活動を活発化させたいなら、当然、既存のQRコード決済を採用するのが手っ取り早いだろう。そういえば、エイチ・アイ・エスはPayPay導入してたな。
特に考えなかったけれど、観光業界でもQRコード決済で戦国時代に突入してるんだろうか?

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