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ごま粒程度の脳でも、太陽と風の2種類の信号を感知できる?

フンコロガシは、触角でにおいを検知し、糞に群がってくる。そして、それぞれが糞の一部を削ぎとり、転がしながらいったんは埋め、ほかのフンコロガシに奪われる前にむさぼりつく。だが、他の仲間に奪われない安全な場所をどうやって見定めているのか、そしてどうすればまっすぐ効率よく糞を転がすことができるのかについては、今も盛んに研究されている最中だ。

世の中、言われてみるまで考えもしなかったことが多すぎるなと痛感した話。それにしても、まさかフンコロガシの研究がこんなに盛り上がっていたとは…( ̄▽ ̄; )

・2003年、マリー・ダッケという科学者が、夜行性のフンコロガシ(Scarabaeus zambesianusなど)は月の偏光をたよりに方向を判断していることを突き止めた。
・10年後、ダッケ氏は、別のフンコロガシ(Scarabaeus satyrus)が月のない夜に天の川の光を使うことを発見した。
・さらに1年後には、昼行性のフンコロガシ(Scarabaeus lamarckiなど)が太陽を目印にしていることも明らかにした。

太陽を目印にするのはまだわかる。月の偏光も。でも、月のない夜の天の川の光って判別できるものなのか? ごま粒程度の脳でどういう処理を?

6月24日付けの学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された論文によると、太陽が天頂にあって方向の判別に使えない場合、フンコロガシは太陽ではなく風をたよりに方向を見定めるという。

さらに光だけではなく「風」も感知していることが判明。
……果たして同じ性能のセンサーを人工的に作ることってできるのだろうか? それも、フンコロガシのサイズに収まる規模で。正直、想像も付かない。

言われるまでは気にもしなかったが、ほんの一端とは言え知ってしまった「今」では180度状況が違う。「フンコロガシの神経そのもの、すなわちコンパスの仕組み」が解明されるまでの研究が楽しみで仕方が無い。次に新情報が公開されるのはいつになるだろう?

何よりまだまだ解明されていない「謎」がこんな身近にあったなんて、本当に何て嬉しい!!

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