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なんか耳障りな「しっかり」という言葉

通常、私は英語のニュースを読むのが中心で、日本のニュースは日経のオンライン記事だけに頼っているのですが、私が日本にいた頃(20年以上前)に比べると、日本語もかなり変化しています。

ここ数年、ものすごくイラついたのは、「~すぎる」何とか、ってやつ。「イケメンすぎる」男子とか、「美味しすぎる」レシピとか。

まぁ強調したいんでしょうし、私もブログでちょくちょく使ってると思います。でも、あんまり頻繁に使われると、かなりウザい。

そして、多くの場合、「~すぎる」ことは全くなく、え、フツーやん、どこが「~すぎる」のよ、とツッコミたくなることも多々あります。

が、今日の話はそれではなく、最近気づいた濫用されてる言葉は「しっかり」。とくに、政治家がよく使っている気がします。

これは多分、コロナ禍が始まった頃か、あるいはオリンピック前後からひどくなったように思います。スガ君や小池さんがひんぱんに使ってたような。

政治家が「しっかり」「しっかり」って連呼してるのってなんだかなぁ。意欲は買うけど、実際どう対処するのか今いち曖昧です。

総理が変わっても、残念ながらその傾向は続いています。年明け以降、ここ数日の岸田首相の発言を日経記事から拾っただけでも結構あります。

「しっかりと自分の所管について頑張ってやるように」
「病床確保もしっかりしながら」
「中長期的な課題をしっかり洗い出した上で」
「与野党でしっかり議論する」

これらの文章から「しっかり」を削除しても全く意味は通るし、むしろ無いほうがいい気がするのですが、なんで「しっかり」を付け足すのか。

口癖なんでしょうか。あるいは、もはや会話の中で「合いの手」みたいになってるのかもしれません。

でも、あんまり濫用されると、「多分、ふだんは全然しっかりやってないんだろうな」と勘ぐってしまいます。

強調したいんなら、「着実に」とか、「確実に」とか、「厳重に」とか、「慎重に」とかいう言葉のほうがふさわしいでしょう。あるいは、堅苦しくならないように、という意図なんでしょうか。

一般市民にわかる言葉で話す、というのは政治家にとって大事なことですが、たんにボキャブラリーが貧困でそういう表現しかできないのであれば、困りものです。抽象的な言葉だけでは、建設的な議論や分析に限界があるからです。

まぁ、これを日本の政治家に求めても無理かもしれませんが。
しっかり頑張ってね、岸田君。

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