肘折温泉の旅 [前編]

家族皆して旅行好きなので、今年は月に一度は遠方出店だの他県通院だのと理由をつけ温泉場等を泊まり歩いている。先週末は新庄のKitoKitoマルシェにケダマヤ出店だったので、それにあわせて久々に肘折温泉に行ってきた。

KitoKitoマルシェは、物の売買以上の価値観を流通させようと毎回趣向が凝らされ、グラフィックデザインにもこだわった志の高い印象のマルシェで、自分達が出店できる以前から注目していたイベントだ。元蚕糸試験場の広い敷地内で同時に色んなイベントも開催してて盛りだくさん…ボランティア参加の学生も多く、活気に満ちている。ただ、盛りだくさん過ぎてその場に行ってみないと「そこで何をしてるのか?」「そこで何ができるのか?」がわかりずらい気もする。でも、そういった部分も含めユニークで愛すべきイベントと思う。

妻ががんばって働いてるうちにボクと娘は、市街地にあるキッズスペース『わらすこ広場』でひと遊び。『わらすこ広場』は、シャッターの閉まった店舗が目立つ(というか日曜日はほぼシャッター街)アーケード街の元ダイエー跡4階にある施設だ。ちなみに3階は高齢者向けマンション、1階は商業スペースだがほとんど店舗は入っていない。

昼食はアーケードからスッと入った、昔なら繁華街一等地であっただろう場所に佇む『北京飯店』。

老夫婦が営む店で、奥さまが接客をダンナさんが調理を担当。メニュー数がハンパないのに下準備がしっかりしてるのか、注文から配膳までのスピード感が印象的だった。

しっとりとしたヤレ感と雑然とした雰囲気は老舗ならでは。

タンメン(480円)。「食事は美味しいかそうでないかの二極ではない」という深みを突きつけられるような、「雰囲気ある」ルックスであり味わい。白色の細麺は激しく縮れていて、例えは悪いが駄菓子のブタメンのような…恐らく、この中心市街地の中華飯店がギンギンに忙しかった時期に導入された『いちばん茹で時間の短い中華麺』だったのだろう。ナイスヌードル!

炒飯(580円)。美しい半球体に閉じ込められた焼豚の多さが、ラーメン(480円)タンメン(480円)と値段比較した際の割高感から解放してくれる逸品。ゴハンは思いの外柔らかめだったが、くまなく油がまわっており「これだったら玄米であっても、はたまた麦飯であっても炒飯を感じさせてくれるのでは?」と夢想してしまう。

ランチタイムを少々過ぎ他のお客さんが皆帰り、もたもた食べてる娘をせっついてるとテレビは消され、ババアがレジ前で「…もういいだろ?」的にスタンバイしてるのに気づいたので、そそくさと退散。こうでなくっちゃ!

娘と約束していたので、駄菓子の名店『みよちゃん』へ。ここは本当にいい駄菓子屋さん…価格が安く(駄菓子であっても店によって微妙な値段差はある)、どう考えても儲けの少ない11円駄菓子のラインナップが豊富!そして店員さんも子供とのコミュニケーションをとても大事にしていて、どの子とも一言二言会話している。うちの娘とも「いくつ?」「じゃあ、年中さんかな?」と話し、ボクの聞き間違いかもしれないけど「コレ好きなの?そういえば、こないだも買ってたね」と…まだ2度しか来てないんだけど、確かに前もコレ買ってたな…とちょっとドキリ。

そんなこんなで、イベント終了後に素早く撤収〜肘折温泉へ。投宿キメたら即温泉で汗を流す!

乳褐色で鉄と若干の硫黄が香る濃いお湯は、泉質も雰囲気も『ザ・湯治』って感じで、バタバタした1日の疲れを癒してくれる。でも、長湯すると間違いなく湯あたりするよね…

さっぱりして部屋で缶ビールをグビリ!娘はみよちゃんで買い込んできた駄菓子をガブリ!ダラダラしてるとすぐに夕食。

豪勢ではないけど十分過ぎる量!地元の日本酒までいただいたりなんかして、いい気分!米がまた美味しくて、おかわりしちゃった。

腹ごなしに夜の温泉街を少々徘徊…浴衣で出歩いてる観光客もパラパラいて、いい雰囲気!宿に戻り、温泉街の商店で手に入れた馬刺しと県産ワインで飲み直し。温泉・馬刺し・白ワインと大好きなものを全て手に入れ整ってる妻が幸せそう…娘も駄菓子片手に(まだ食ってる)おおはしゃぎ!楽しい夜が更けてゆく。

ちょっと長くなっちゃったので、今回はここまで。

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