北欧との絆

 京成線で大号泣した。GUNS N’ ROSESのキャップを被ったサングラスの細身が涙を流している。当然、不審がられる。隣の席に座る者はいない。
 東京での孤独な日々を救ってくれたJが帰国した。Jはスウェーデン出身。両腕に日本のゲームやアニメのイラストの刺青があるほどの親日家。Jとは 深夜勤バイトで知り合った。漫画やアニメ、音楽など共通の趣味で仲良くなり、僕が出るライブにも来てくれた。ネタ中の日本語を完璧に理解することは出来なかったかもしれない。しかしライブ後に「面白かったね」と満面の笑みで言ってくれた。その笑顔に偽りはなかったと思う。Jとはたくさんの思い出をつくった。たくさん映画を観た。『ハイキュー』、『鬼滅の刃』、『SPY FAMILY』、『オッペンハイマー』などJの隣で観る映画は本当に面白かった。油そばや回転寿司にも行ったし、焼肉も食べた。どれも最高の思い出。そんなJが日本語学校を卒業。スウェーデンに帰ることになった。
 Jと過ごす日本での最終日。一緒にすき焼きを食べた後に成田空港へ。手荷物検査を行い日本円からスウェーデンクローネへの両替を済ませる。そしてJは、スウェーデンへと帰って行った。涙が止まらなかった。泣きながら京成線に乗ると、Jから一通のメッセージが届く。

Thanks for helping me with all my luggage and for letting me stay at your apartment.
I am eternally grateful!
Work hard, don’t give up on your dreams!
Thanks for this fantastic friendship we have.
Thanks for everything!

 最高の思い出をありがとう。いつか必ずまた会おう。もっと努力を重ねる。スウェーデンまで「絶好調!神保町!」が届くように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?