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わたしの人生の一部をつくった漫画たち

昨日、NARUTOの最終巻を読み終えた。そんな余韻の中で今年読んだ本や漫画を振り返っていると「そういえば2022年に読んだスラムダンクはおもしろかったな」から始まり、これまでの人生で読んだ漫画についての思考がふわふわ伸びて止まらなくなった。

スラムダンクは自分の人生ベスト5に入るなと読み終えてすぐに感じたのだが、そもそも人生ベスト5なんて決められない。せっかくなので、これまでの自分を形作ってきた漫画について(と書くとおおげさだが、自分の好きな漫画について)自分のために記載しておく。

ブラックジャック / 手塚治虫

初めて読んだ漫画は、小3くらいの頃にピアノ教室に置いてあったブラックジャックだと記憶している。これが手塚治虫作品との出会いで、その後は「火の鳥」「アドルフに告ぐ」「ブッダ」「どろろ」「W3」「三つ目がとおる」などを夢中になって読みふけった。あまり漫画を読まない両親が「手塚治虫なら」ということで古本屋で色々買ってくれたのだ!なんという検閲甘すぎ案件。なかには「きりひと讃歌」など小学生が読むにはドぎつい内容のものがあったが、小学生のときに読んだおかげで大人になってから「あぁ、これはこういうことだったのね」が増えたので良かったと思う。

ブラックジャックでは一貫して生命の尊さ、儚さが描かれていて、やっぱり永遠の名作だなと、あえて私が言う必要のないことだが読むたびにその壮大さを感じる。これはすごい漫画だなと。どのエピソードも好きでこれがいちばん、というのは選べないが、はじめて読んだエピソードは「鳥」だったので、ブラックジャックというと思い起こされるのは「鳥」の淀んだカラーページである。

手塚作品の短編集だと「雨ふり小僧」「安達が原」が大好き。

エンジェル伝説 / 八木教広

「なんだきみは!?ここを校長室だと知っての狼藉かーーーっ」「いえ私は今日転入する北野ですが…」

エンジェル伝説1巻

私達の世代だとギャグ漫画といえばマサルさんがあげられがちだが、私にとってのギャグ漫画はエンジェル伝説。あんなにゲラゲラ笑った漫画は他にないし、何回読んでも、大人になってから読んでもずっと笑えるってすごいことだ。怒髪天を衝く北野くん、生徒会長にたぶらかされる黒田、親父達の三つ巴。ずっと色褪せない。

母の弟であるおじが6巻くらいまで持っていて、それをおじの部屋で読ませてもらったのが出会いだ。

あまりにも私が滞在中ずっと読んでゲラゲラ笑っているので、おじは全部譲ってくれた。中1くらいの出来事だろうか。そのあとお小遣いで少しずつ買い足して全部揃えた。大馬鹿だった私は、引っ越しのときにそれらを全部電子化してしまった。大好きなおじさんからもらった、大好きな本だったのに。PDFで持ち運ぶことができるなんて、なんの意味があるだろう。天面が日に焼けたあのエンジェル伝説はもう帰ってこない。

ちなみに私はエンジェル伝説がきっかけで竹久夢二や黒田清輝などの日本画家の名前を覚えた。八木教広先生なら「CLAYMORE」も名作で、こちらは大泣きしながら読んだ。ミアータ…!

HUNTER×HUNTER / 冨樫義博

それが間違ってんだよお前らは 最悪なのはオレ達全員がやられて旅団が死ぬことだ

HUNTER×HUNTER 13巻

中1のとき、同じ習い事に通うマッキーから勧められたのが出会い。ここまでどっぷりのめりこんだ漫画は初めてだった。コマやセリフのひとつひとつが脳みそに刻み込まれている、と思う。中学生の頃は最新刊が出るのが楽しみで、既刊を何回も何回も読んだ。私たちの世代はみんなそうなんだろう。

旅団、ゾルディック家、蟻、どの登場人物も本当に良くて、セリフひとつひとつが魅力的。なんでこんな言い回しができるんだろう。なかでも上記のフランクリンのセリフがすごく好きで、自分が悩んでいる時に思い出す。そう、私の心の中にはフランクリンがいる。

こちらも0巻含め手持ちを全部電子化してしまったので、いつか紙で買い揃えるのだ。

栞と紙魚子シリーズ / 諸星大二郎

ねえ 紙魚子…あたし生首を飼いたかったわけじゃないように思う…

栞と紙魚子の生首事件 第1話

大学時代のゼミの先生の本棚にあったのがきっかけ、だと思う。生首事件を読んで、こんな絵のタッチでこんなおもしろく話が進むことあるの!?と衝撃をうけた作品。この世界観が好きだったのに、表立って好きって言えなくて、そんな自分を恥じた過去。心を許した人にだけ「実はわたし、諸星大二郎の栞と紙魚子シリーズ好きなんだけどね…」と吐露していた。

諸星大二郎の作品は他をあまり読んだことがないのでいつかじっくり読みたい。何かの作品にあった「おらパライソさ行くだ」というセリフが印象的だったんだけど、あれなんの話だったかな…。先生にはいっぱい怒られて、指導もしてもらって、本当にお世話になりました。またおもしろい漫画おしえてください。

生首事件の試し読みは下記でできる模様。

純潔のマリア / 石川雅之

もやしもんが好きすぎて、ついでに手に取ってみたら、あまりにも自分に刺さりまくった作品。ついでという言葉が失礼だった。読んだのは15年以上も前なのでほとんど覚えていないが、読み終わったあとに感動して大泣きし、翌日目が腫れて大変だったことだけ覚えている。愛する人と一緒に平和に暮らしたいよ私は。

ゴールデンカムイ / 野田サトル

閉鎖的な生活の中では、新しいものへの興味や好奇心といったものがどんどん死んでいく。そのため、結婚、出産してからは本を読むことは殆どなくなっていた。そんなときにママ友から貸してもらったゴールデンカムイ。いやおもしろすぎるでしょ、何これ?こんな漫画あったの?レベルが違う、漫画ってこんなおもしろくなれるんだ、こんなにワクワクするんだ、と思った。終わり方も綺麗すぎた。

ゴールデンカムイを読んでから、また少しずつ漫画や本を読むようになって、自分の中の好奇心も少しずつ息を吹き返してきたように思う。子育てが少し落ち着いたというのもあるが、これは本当に貸してくれたママ友の存在が大きい。育児で苦しんでいる時に読めたのがこのゴールデンカムイで本当に良かった。

たしか手塚治虫の「シュマリ」もアイヌが金塊をどうのこうのって話だった気がするのだが、どうだったかな。それも読みたい。

スラムダンク / 井上雄彦

ゴールデンカムイを貸してくれたママ友が貸してくれた。なんで貸してもらったんだっけ、きっかけは覚えてないけど「読んだことないの!?それは読むべきだよ!」とかそんな感じだったかな。

私達が小学生のころ、男子がよく読んでたな、くらいの印象だった。多分昔から運動が苦手だった私は、スポーツ系の漫画は無意識に避けていたのだろう、本当に勿体ないことをしたと思う。後半は堀田徳男に感情移入しすぎて苦しかった。最終巻あたりはずっと泣きながら読んでいて、これは子供が読むとそのあとの人生に影響出るだろうなと思った。

読み終えてから友人らに「スラムダンクって知ってる?」って聞いたら皆知ってたし、読んでた。普段漫画を読まない妹ですら読んでた。

ちなみに、完全版と既刊版、どっちを買えばいいか悩んでいる。もしかして両方ですかーーー?

ドロヘドロ / 林田球

イジメッコサンドイッチのできあがりーーー

ドロヘドロ3巻

友人に勧められて、気になりつつ読む機会が無かったのだが、アニメを見て一気に惹き込まれたのでようやく漫画を読んだ。緻密に描き込まれた美しく力強いキャラクターと、容赦のないグロテスクさと、ほんわかギャグに虜になる。こうなったらもう戻れない。口の中にもう一人の男、キノコの魔法、脳の中の悪魔、年末になると蘇るゾンビ達、三遊間の底なし沼、餃子の妖精…とっても不思議でファンタジー!なんでこんなに面白いんだろう、林田先生の頭の中どうなってるんだろう!先が読めない展開にページをめくる指がとまらない、大好きな漫画。

2022年に、きっかけとなった友人とドロヘドロ展に行けたことは最高の思い出。「ニカイドウと能井、どっちか選べなんて言われても選べないよね…」なんてどうでもいい話をたくさんした。


以上に挙げた漫画以外にも大事なものは勿論あるが、とりあえず私にとっての大事な漫画といえば上記の作品だろうか。近所にあった漫画のレンタル業をしていた店舗が閉店してしまい、また新規開拓がやりづらくなってしまった。

紙の漫画はほとんど手放してしまったが、いつか壁いっぱいの大きな本棚を作って、大事な本や漫画をぎゅうぎゅうに並べるのが夢なのだ。

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