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ファンタビ2解説と感想と考察 もう1人の主人公はクリーデンス

Fantastic Beasts 考察
The Crime of Grindelwald
この文章は、ファンタスティックビースト第2作目「黒い魔法使いの誕生」公開時に個人的にメモしていたものを加筆・修正したものです。個人的なメモなので非常に見にくいことをおことわりしておきます。
また、ネタバレ注意です。映画を観た後に読むことを前提としています。

HP…ハリーポッターシリーズ
FB…ファンタスティックビーストシリーズ と表記するものとします。

目次

1.アルバス・ダンブルドアとゲラート・グリンデルバルドについて
2.クリーデンスの出生の謎について
3.ナギニについて
4.その他の気になる点について
5.クリーデンスの今後について

1.アルバス・ダンブルドアとゲラート・グリンデルバルドについて

本作を観るにあたって一番復習しておくべきなのはここ。ここがHPからの一番濃厚な繋がりといえそう。

・ダンブルドアの家族について
ダンブルドアはHPsからすでに家族構成が明らかになっている。
父…パーシバル、母…ケンドラ、弟…アバーフォース、妹…アリアナ
3人きょうだい全員がAから始まる名前!
アバーフォース…HP7にて、ホッグスヘッドのマスターであることが判明。隠し扉に描かれた肖像画として登場。

グリンデルバルドとダンブルドアについて
親友であり、一緒に夢(野望)を打ち立てた唯一無二の存在。本作では、ダンブルドア自身が「兄弟以上だった」と言っている。若い頃に2人の優秀な魔法使いは意気投合し、ダンブルドアは恋ともいえるほど強く惹きつけられる。そして死の秘宝を探しマグルを支配する夢を抱く。
死の秘宝…ニワトコの杖、蘇りの石、透明マント。ニワトコの杖はHP6時点でダンブルドアが所持しており、のちにグリンデルバルドから奪ったものであると判明する。

ダンブルドア家に起きる悲劇
①1892年ごろ アリアナがマグルの少年たちに暴行され、発作的に魔力を爆発させる。→父パーシバルは、マグルの少年たちに復讐しアズカバンに投獄される。→ゴドリックの谷に移住。
②1899年 エルファイアス・ドージと行く予定だった卒業旅行の前夜に母ケンドラが死亡(アリアナの引き起こした事故といわれている)。面倒見の良かった弟はホグワーツの在学生であるため、卒業したアルバスがアリアナの面倒を見るためにゴドリックの谷に残らなければならなくなる。
③同年夏、グリンデルバルドと出会う。(上記参照) 熱中のあまりアリアナの面倒をみるのが疎かに。
④2人の計画に反対したアバーフォース、アルバス、グリンデルバルドの三つ巴の争いが起き、アリアナが巻き込まれ死亡。これを機にグリンデルバルドはゴドリックの谷を去る。

アリアナ=オブスキュリアル?
オブスキュラス…精神的・肉体的な虐待を受けた魔法族の子供たちに発症する闇の力。
オブスキュリアル…オブスキュラスを持つ子ども。非常に短命で8-10歳くらいで亡くなってしまう。
発作的な魔力の暴走をオブスキュラスの暴走と捉えることができそう。その後ケンドラが死亡しているのも、アリアナのオブスキュラスが暴走したと考えられる(FB1に似たシーンが)。
アリアナがオブスキュリアルだとすると相当長生き(14歳で死亡、しかも事故による死亡)。
アリアナ=オブスキュリアルと仮定すれば、グリンデルバルドがオブスキュリアルに固執していたのも頷ける。その力の強大さを知っていたからこそ…

血の誓い
本作にて、ダンブルドアはグリンデルバルドとの戦いを魔法省に依頼されるが拒む。というのも、2人は血の誓いを結んでいるから。血の誓いに似たものとして破れぬ誓いがある。FB6でナルシッサ・マルフォイとセブルス・スネイプが、ドラコを守り必要とあらばドラコの職務を代行する旨を誓った。
同じものかと思ったけど、後者を結ぶ際には証人が要るみたい(FB6ではベラトリックス・レストレンジ)。
また血の誓いでは誓いの証?みたいなもの(ペンダント)が出来る。それを壊せば誓いが破れる…?

2.クリーデンスの出生の謎


FB1で、マグルの差別主義者メアリー・ベアボーンの養子として育てられるも、実は魔法使いで、オブスキュリアルであることが分かった。終盤には死んだと思われたが、オブスキュラスの形では死ぬことはないらしい。
では、本当の自分は何者なのか…それを探すのがクリーデンスの本作における目的で行動の意義。そして終盤ではそれが明かされる。

リタの弟?
物語の途中で、登場人物達はクリーデンスは実はリタ・レストレンジの弟コーバス・レストレンジなのではないかという疑念に突き当たる。
途中で、ユスフ・カーマが、リタの父親違いの兄で、リタとコーバスは母親違いの姉弟であると暴露する。
以下ユスフの話
ユスフの母はリタの父に服従の呪文によって奪われる→ユスフの父とユスフは、リタの父に復讐することを誓う→復讐=リタの父が最も愛する存在を奪うこと→冷徹なリタの父が唯一愛した存在はコーバス→コーバスはユスフの復讐から逃れるため、アメリカでハーフエルフの小間使いによってベアボーンと養子縁組される

しかし、同行したリタが船の中で別の赤ん坊とコーバスを入れ替えたことが判明し、クリーデンスの出生は分からずじまいかと思われた。

ダンブルドアの弟?
物語の終盤で、グリンデルバルドによってクリーデンスの本名がアウレリウス・ダンブルドアであり、兄弟たるアルバスを憎めと言われる。さらには、ダンブルドア家の者に危機が迫ると現れると言い伝えられる不死鳥の姿が…。
しかし、ここで謎が残る。
ダンブルドアは恐らくFB2時点で50歳近い。17-18歳くらいで母親が亡くなっているし、ホグワーツ入学前に父親がアズカバン投獄されている。ということを考えると、弟というのは無理がある。父親が亡くなった時点が曖昧であるため、父親がアズカバン投獄以降なんらかの事情で隠し子を設けてるかもしれんけどだいぶ無理ある。
→グリンデルバルドの嘘だったとしても、不死鳥の整合性がとれないため、アルバスの弟は嘘だろうけど、ダンブルドア家の血を引いているというのは間違いないか。
アリアナがオブスキュリアルにしては生きながらえていることは先述したが、その点でも共通はしている。そしてそれは魔力が非常に強いことの表れといえそう。

3.ナギニについて

ナギニは、トレーラーから大騒ぎされていたキャラクター。というのもHPからの繋がりがあるから。

・HPでのナギニ
ヴォルデモートが唯一愛情に近いものを見せた蛇。分霊箱でもある。マグル学の教授を食べたり、バチルダ・バグショットの中に入ってたり、スネイプ殺したり、割と悪いヘビちゃん。最後はネビル・ロングボトムによってグリフィンドールの剣で滅ぼされる。

・FBでのナギニ
めっちゃ可愛いアジア系の女の子。サーカスで見世物にされていて酷い扱いを受けていた。クリーデンスとともにクリーデンスの出生を知ろうとサーカスを飛び出す。

・マレディクタス
血の呪いによっていずれ永久的に動物の姿になってしまうことを運命づけられた女性を指す言葉である。呪いは母から娘へ、生まれた瞬間から受け継がれる。最終的に変わり果てる動物の種類は呪いによって異なる。
JKRによって、ナギニがマレディクタスであることは判明している。
呪いの子で名前がでた、ドラコ・マルフォイの妻アステリアもマレディクタス説がある。
※自分の意思で動物に姿を変えられるアニメーガスとは異なる。

・FBナギニからHPナギニへ
マレディクタスについて明らかになっていないことで気になるのは、完全に蛇になった時点で自我は存在するのかということ。人間であった時の記憶や感情は失われるのか、残り続けるのか。もし残り続けるのであれば、本作終盤でクリーデンスがグリンデルバルド側についたが、着いていくわけではなく、ニュート達と共にホグワーツにダンブルドアを迎えに行ってる。なのに、HPsでは完全に悪役。これからどのように展開して、そんなことになってしまうのか、また、どうやってヴォルデモート卿の寵愛を受けるに至ったのかそこが知りたい。

4.その他の気になる点について


・ダンブルドアとマグゴナガル
マグゴナガル先生がとっても可愛いシーンがあったけど、冷静に考えてちょっとおかしいのは、マグゴナガルはその当時生まれてないはずだということ。
HP5で39年間ホグワーツの教授をしているとの発言があり、Pottermoreでは教授になるまで2年間の魔法省勤務歴があるとの記述があった。HPは90年代を舞台にしているので、1935年生まれと推察されている。なので、教授をしているのはおろか生まれているのもおかしい…
ダンブルドアも、校長になる前は変身術の教師をしていたはずなのに、闇の魔術に対する防衛術を教えてたし、ホグワーツのシーンに謎が多い。
FBに登場したマグゴナガルが、HPsで活躍するミネルバ・マグゴナガルではなく、また別の血縁のマグゴナガルである可能性…?

・グリンデルバルドが作った炎の結界
味方と思われたクラール?も炎の結界に阻まれて亡くなった。あれは一体どういう魔法なのか。真意を選別する力があるのか。悪霊の火(HP6必要の部屋にて)に酷似してたけど。

・グリンデルバルドの未来について
HPsとは違い、グリンデルバルドに勝利することは確定的なのがFB。ただ気になるのは、HP7で、ヌルメンガード城に収容されたグリンデルバルドをヴォルデモートが訪ねている。本作終盤で、ヌルメンガード城にてグリンデルバルドが豪華な装飾に包まれている様子が映っていたが、こんな綺麗な城が収容所になったと思うと盛者必衰の理を知るって感じ。グリンデルバルドとヒトラーに共通する点が多いことを考えれば、ニュルンベルク(ドイツ南東部)がヌルメンガードの元ネタっぽい。

・ジェイコブは記憶を失ったけど戻ってきたの結構無理矢理だったので補足がほしい。

5.クリーデンスの今後について

私は、クリーデンスをこのシリーズの裏主人公として見ている。
FBとHPの大きな違いは、主人公の性質にある。まだ自分が何者かも知らないハリーが、ロンやハーマイオニーと共に成長していくHPに対して、FBにおいてニュートは自分自身の特性や周りとの違いを理解した上で、自分の愛する魔法生物や出会った人々を護るために行動する。
FBにおいて、自己のアイデンティティについて探求し、葛藤し、苦しむのは、他でもないクリーデンスで、その姿はハリー・ポッターと重なるが、ハリーとクリーデンスの大きな違いは、友達の存在にあると思う。
本作で一緒にいたナギニとクリーデンスの出会いもよくわからんし、もっと詳しく掘り下げて欲しいところではあるけど、クリーデンスは魔女狩り思想の養母に育てられ、友達ができる環境でもないまま育った。ハリーもいじわるなダーズリー一家に育てられたものの、ホグワーツに入り、友達や先生に恵まれた。だからこそ、ヴォルデモートの悪への誘いを断り、凡そのマグルが恐れ慄くヴォルデモートを「弱い人間」と一蹴して打ち勝つことができたのだと思う。
言うなれば、クリーデンスは、ハリーがダークサイドに堕ちた姿でもあると思う。ニュートはもう成長を見せるという段階でもないから、FBではクリーデンスをもう1人の主人公として捉え、彼の成長と、彼を闇から救い出すのは果たして誰なのか、何なのかというところに注目していきたい。

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