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昭和レトロな味わい。萩原アイスブレンド。

萩原珈琲を語る上で、伝統的に守ってきた味。それは、間違いなく苦味系に振れている。「炭火だから苦い」とよく言われるが、それは実際は違っていて、炭火しかない私たちは、浅煎りのコーヒーも焙煎しているし、それらを飲むと当然、「酸っぱい」と感じられる。

萩原アイスブレンド
萩原アイスブレンドは、現在の流行とはかけ離れた、「ガッツリ苦味系」である。焦げる直前までしっかり焙煎された、サントス・ニブラ(極深煎り)をベースに、通常商品としては販売していない「モカ深煎り」も、萩原アイスブレンド専用に焙煎され、混ぜられている。
もちろん、既存の商品(豆)から混合して作れば、ロスもないし、余分な時間も取られない。効率的で手間が省けるのだが、そこは、私たちの真骨頂。「手間だけど、敢えて作り続ける」みたいな職人の血が騒ぐ。
これを「古臭い」と言う人もいるのだけれど…。

流行り廃りが繰り返される中で、90余年、伝統を守り続けてきた。
そのこだわりは商品にも息づくもので、時代に関わらず「萩原珈琲はこれだ」という誇りがある。萩原アイスブレンドはその代表格で、多くのお得意先様(喫茶店他)で支持をいただき、お取り扱いを頂いている。

ガツンと苦味。「甘苦い」余韻。そして、何よりも鼻から抜けていく香りが芳(こう)ばしく、ちょっと昭和レトロな雰囲気を思い出す。ただでさえ、しっかり重厚な味わい。お店によっては、それをさらに「こってりネルドリップ」したり、カリタドリッパーに「メリタ濾紙」を入れて、抽出速度を遅れさせたりするところもあるくらいだ。

私たちにとってのメインストリーム。
それは、今の時代や流行から見ると「オフロード」にあたるのかもしれないが、良くも悪くも、そこには「差(ギャップ)」が生まれていくのだと信じている。

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