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「未開の議場 2023」終演後こばなし〜全俳優セルフライナーノーツ篇

こんにちは、萩島商店街青年部、ハマカワフミエです。

終演後こばなし、今回は「セルフライナーノーツ篇」と題して、
14人の俳優に、終演後の今だから語れる話を綴ってもらいました。
裏話、正直なぶっちゃけトーク、満載です!

さらに、各所から反響・要望のお声が大変多かった、
「タリッパ」のレシピもついに公開します!!

今回は、500円での有料記事とさせていただきます。
別冊パンフレットを名乗れるほどの大ボリュームと、世界のどこを探しても絶対に見つからない(創作料理なので)特製レシピ、ぜひ熟読していってくださいね。

タリッパ、もし「作ってみたよ!」という方がいらっしゃいましたら、
X、Instagramなどで #わたしのタリッパ  で投稿してください!
うきうきしながら苗山さんがいいねを押しに行きます。広がれ、トメニア料理の輪。

それでは、終演後セルフライナーノーツ篇。
どうぞごゆっくり、お楽しみくださいませ!

(途中までは、お見せしちゃいますよ・・・!)



*メンバーへの質問*

①「未開の議場2023」の自分の役について、今、思うこと
(稽古・本番を経て、いま思うことを聞かせてください。作品全体の感想でもかまいません。作品の感想で書く場合、「興業」としてではなく、作品、の側面から書いていただきたいです。)
②取材を通して、ご自身の準備にどのような影響があったか、あるいは無かったかを聞かせてください。取材じたいの感想でもかまいません。
③これを読んでくださってる方に、ひとことお願いします。(ほんとにひとことでもいいです。)



鍛治本大樹(大崎龍介役)

①大崎龍介はあの会議の中で一番の部外者です。
妻の舞子について行って、会議の事情もよく分からないまま話に首を突っ込みます。
稽古の序盤は、座って話を聞いてると、一体何の話をしているのか、何が問題になっているのか、分からなくなって混乱することが多々ありました。
稽古を続けて、いざ本番をやって思うのは、「今になっても、やっぱりよく分からない」ということ。

それでも会議中、必死に内容を理解し、積極的に参加するわけですが、終わってみて冷静に考えてみると、そこに何か合理的な筋の通ったものが存在するわけでもなく、いろんな人間関係や、惰性、感情に左右された混沌とした人間模様があっただけな気がしています。
誰も正解なんて持ち合わせてない。でもあたかも自分は正解を持ち合わせているかのように振る舞ってしまう。
これは人間の常だなぁと改めて思います。
本編中だけじゃなく、お芝居外でも長い期間みんなで話し合いをずっと続けてきたのでなおさら思うことです。

それでも、惰性だろうと、個人的思惑だろうと、何かしらのもっともらしい答えを人は求めるし、それに縋りながら日々の生活に流されていくんでしょう。
とてもカッコ悪いけど、とても愛おしいです。

②職業自体の知らなかった話もとても興味深かったですが、職業人としてのあれこれではない、職業を離れたその人ならではの側面(というかそっちが正面かもしれませんね)を垣間見られたことが何より面白かったです。
何かに属している、とか、どんな職に就いているかは、役を作る上で手助けにしやすい反面、それを記号化して安易に役作りの助けにしてしまう危険性もあるので、1人の人間としてお話しできたのが、逆に良かったです。

③今、ここでウダウダと書いていますが、僕がやるべきこと、感じたことは全て本編中に置いてきましたので、気になる方はBlu-rayで確認してください。映ってるかは保証できませんが……。
ご来場くださった皆さん、気にかけてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

山本沙羅(大崎舞子役)

①会議の最後のシーン。
稽古するごとに湧き出る感情が違くって困りました。

...思っていることを上手く言葉にできない様子の苗山さんを「大丈夫か?」って心配したり、
...萩島の母である湯田さんを"あんな人"呼ばわりする苗山さんに「その言い方ないでしょ!」って怒ったり。

でもあるとき、会議が解散になって、帰宅を急ぎながらも、扉の前で振り返って苗山さんを見た時、

...話、最後まで聞けなくて申し訳なかったな。

って思ったんです。

舞台は、萩島フェスタの3回目の会議だったのですが、4回目の会議で、萩島商店街青年部ではまた新しいドラマが繰り広げられると思います。その時は、舞子から苗山さんに声かけられてたらいいな。

・・・その時は絶対旦那は連れてきませんけどね!!!!!

②取材の際に浴室や脱衣所だけでなく、裏側も全て見せていただきました。舞子さんが、閉店後に大量のタオルを洗濯しながら「終わらないんだけど!」って悪態つく様子とか、ボイラー室の調子がおかしくて「マジかよ!このタイミングかよ!」って悪態つく様子とか、想像が膨らみました。話にだけ出てくる両親との生活のイメージがついたので、それが舞子さんを立体的にしてくれてたら嬉しいな。

③このご縁がどんな形でも、続いてくれたら嬉しいです。

木村聡太(葉浦充役)

①オンライン版から、対面で芝居をする上で大きく変わったと思っているのは
葉浦さんをちゃんと人間らしくしてあげられた気がするなぁ。と
フライヤーのコピーにあった
「それぞれの正義、それぞれの現実」という言葉と、共演者や空間、後述する取材などを経て
葉浦さんなりの選んだ生き方と日々が、役に乗って一面的ではないキャラクターに見えていたらいいな。と思います。

②これは本当に大きな意味がありました。
士業という自分の実生活からは遠い社会のことから覚悟や在り方にリアリティを得て、その取捨選択をしながら役に向かえたことはとても良い財産になりました。
ありがたかったなぁ。

③脚本自体が好きで思い入れもありますし
一俳優としてこのタイミングで、こうしてこの作品がやれたこと。
そしてそれを見ていただけたことが本当に幸福でした。
観客の皆様、スタッフさん並びに関わってくださった全ての人、何より共演者のみんなに多大なる感謝を。

宍泥美(神田香役)

①思うこと…特にないんです。
恥ずかしい話、これを書くのもなにかを絞り出さなきゃって感じになっています。
興業についてなら、本当にたくさんの思いや喜びがあって書きたいことが溢れてるので、それは自分の言葉で近いうちに書けたらいいなと思っています。

自分の役について、あえて言うなら、今回は年齢を重ねたことによるノッキングが多々ありました。でも、それは稽古で解消されていきましたし、結果あの頃は背伸びしてた部分もしっくりきた感じがあります。

神田議長もとっとと仕切ればいいのにやらないのは「難あり」な人間なんですよね。
アフタートークで小沢道成くんに言われましたが、わかってなかったわけじゃないんですけど、それでも神田なりに話を進めようとしていて…。

ただ、

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