見出し画像

まちあるき

住んでいるマンションの大家さんから
「都電家守という会社の代表取締役4名が、都電沿いリサーチしたくて町歩きしにくるらしいです。
一緒に歩いてって誘われまして、(私1人は心細いのもあって)一緒にいかがでしょう〜」
と誘われた。
こういう大家さんのマンションでなければ、家と職場の往復だけで、住んでいるエリアで「まちあるき」をしたり、幼馴染や学生時代、仕事つながりでない「ご近所友だち」ができたり、あんまりしないのではなかろうか。
時々いただく大家さんのお誘いに、私はこうして割とほいほい乗る。だって面白いから。

今日は事前情報をちらっといただいていたにも関わらず、なーんにもリサーチせず合流してしまった。だから、失礼を承知で言えば「何屋さんかわからないけれど存在感たっぷり」な方々5人を、ウチのチャーミングな大家さんが連れて現れ、ますます謎が深まった。

大家さんが紹介してくれたけれど、あんまりちゃんと自己紹介なり挨拶をせずに「隊列」に加わった。すると「オレ、次があるから」と1人離脱、「じゃ、ここから都電乗るね」と車窓から元気よく手を振って2人離脱。なんと自由気ままなまちあるきだろう。でもこれこそまちあるきなのかも。

よくよく話を聞いていると、「株式会社都電家守舎」の取締役のみなさんと、「talk ARAKAWA」というイベント運営に関わっている近所の方が今日のメンバー。最後までご一緒した取締役さんのお話がおもしろかったし印象に残った。

「俺は飲食(業)やりたくない。料理作りたくない。そのやりたくなさを因数分解してみる。仕入れは好き。料理はしたくない。皿洗いはめっちゃクリエイティブな仕事だから好き。」そうすると、若くて血気盛んな「一人前の料理人目指してます!」みたいな人に厨房を任せると、衛生面とか基本のキがおろそかになったりする心配があるのに対し、それなりの料理人を定年でリタイヤした人に任せられれば、厨房にいたい、という彼らのニーズを満たすことができて、安定した働きが期待できる、そういう人に「料理はしたくない」因数を任せて、飲食業は成り立っていくのだと。

そういう話をじっくり聞いたのはひとりじゃ絶対入れない「パリジャンカフェ」。店員さんが肩に猫を担いで注文を取りにきて、4人分の飲み物を頼んだら、猫を下ろしてもう一度確認に来たり、「充電して良いですか」と聞いたら「あんまりやってないから…。みんなマネすると困るし」と、断られたのかと思ったら「カウンターの中で充電してきましょうか?」って!

まだまだ世の中おもしろい人たくさんいるし、おもしろい場所も山ほどある。そう思うまちあるきだった。帰り道、普段の生活では通らない道にある「n.r.store_」に寄って自家製ナンプラーとマフィンを買って終了。このお店も、大家さんに教えてもらったんだった。私にとって、彼女はまるでこのまちのコンシェルジュだな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?