狡噛と牡丹色の紫煙

PSYCHO−PASS Project始動のお知らせ。
劇場版から時は流れて喜びもひとしお。
狡噛という人間はあまり変わらなさそうだが(?)続報が待たれる。

さて、話は戻ってキービジュアルの狡噛。変わらず愛煙家のようで煙草を燻らせている。
今回発表された宜野座や霜月のイラストにもポイントカラーが採用されているようだが、この狡噛の紫煙、ご存知の通り一期第二クールのOPから同様の牡丹色で描かれている。

赤系色の名前を持つ常守朱のキービジュアル不在と相まって意味深な感じもするが、恐らくこの紫煙の演出は、黒澤明監督の「天国と地獄」のオマージュであろう。
この映画は、身代金目的の誘拐が題材となっているが、捜査を率いる戸倉刑事が計略をして犯人に身代金受渡し用の鞄を焼却処分させるシーンがある。
ところが、その鞄には燃やすと牡丹色の煙が出る仕掛けが予め施されており、その牡丹色の煙が犯人へ繋がる手掛かりとなるのである。
全編モノクロ時代の作品であるが、犯人特定の決め手となるこの煙だけは鮮やかな牡丹色で描かれ、当時作品を観た人にとっては非常に画期的な描写であったと考えられる。

この描写、実はPSYCHO−PASSの総監督である本広さんが監督を務めた「踊る大捜査線 THE MOVIE」においてもオマージュとして採用されている。
作品の終盤、青島に刑事のイロハを教え込んだ古参の刑事である和久は、不審な人物を追い詰めるが、逆に犯人によって拉致・監禁されてしまう。焼却炉で目覚めた和久は、身動きが取れないながらも、被疑者の存在を青島に伝えるべく、奇しくも手にしていた赤いスモークボールを火の中へと放り込む。
そして、その立ち昇った煙を発見した青島刑事が呟く。
「天国と地獄だ」

二人の刑事(あるいは青島を含め三人)の間を流れた牡丹色の煙。
そして、狡噛の燻らせる紫煙は牡丹色である。
そもそも、狡噛は先輩刑事であった佐々山の死を契機として、その思考を辿るため煙草を吸い始めた。

牡丹色の紫煙には、刑事の魂が宿っているのかもしれない。

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波久礼

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