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服の設計士hagyの「服の見どころ・腕の見せどころ」vol.21~パタンナーのセンスのお話~

連日猛暑のこの頃
毎年「温暖化マジでやばくね?」って思わされますが
みなさまいかがお過ごしでしょうか

このnoteは、パタンナーつまり型紙設計士である自分の「服に対する視点」を紹介しています
これを読んでいただき、服の選び方が少しでも変われば幸いかと存じます

さて今回は

パタンナーのセンス

についてお話ししたいと思います
と、言うのも以前に↓このようなツイートをしたところ50近くファボを頂きまして(ありがとうございます!)

このパタンナーのセンスの一端をちょっと説明しようかと思います

ではでは
まず下のジャケットの絵型をご覧ください
このフラップ(腰のポケットのふた)の形をどうするかなんですけど…

↓のAとBをご覧ください(わかりやすく二種類で)

AとBで少し受けとる印象が違うと思います
パターンがどう違うか詳しく説明しますと

Bの方がほんの少し膨らんでいます


神は細部に宿る

と言いますが
このように小さな違いで小さな印象を生んで、
さらに、ひとつの服の中において、いろんな箇所で違いを付け、同じく印象を生んで積み重ねていく
そうやってデザイン画から読み取ったデザイナーのイメージを具現化していく
そこにパタンナーとしてのセンスが表れると思います

例えばコレ(DIOR HOMME2018SS)なら
自分ならシャープでスクエアな印象を作るために、フラップAのパターンをひきますね

ちょっとフラップの他にもわかりやすいモノを紹介していきます

この絵型の腰ポケットの場合は

AとB、ポケット口の広さも深さもほとんど同じですが受けとる印象は違うと思います
パターンを考察してみると

Aは四隅が90度
Bは微妙に角度を付け、全体的に傾かせています

お次は袖(シーチングのシワは無視してくださいねw)


↑の二つはどちらも同じ袖幅で袖丈ですが印象は違いますよね
パターンは上の方が前にねじれるように作っています

以上、わかりやすいモノを比較してきましたが、
われわれパタンナーはあらゆる箇所でパターンに違いを付け、
服の印象を作っていきます
AにするのかBにするのか
このデザインにはどちらがふさわしいのか
どう違いを作っていくのか
それがパタンナーとしてのセンスであると思います
またそれは今回説明したように知識・技術として学ぶことができます

ちょっと今回はセンスという概念的なモノを取り上げたので、自分の伝えたいことが正しく伝わっているか不安ですが…

まぁパタンナーはみんなこんなことしてるんですよ、ってことでも知っていただければ

それでは最後までご覧いただきありがとうございました

追記
よく雑誌などで「mm単位までこだわった〜〜」なんて文章がありますけど、ちゃんとしたパタンナーならみんなこだわってますんでw
みなさん惑わされないでください、とだけ最後に言っときますw

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