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寝られない夜の徒然

深夜3時前、遠くではアナログ時計の秒針が鳴り、エアコンからは意味があるように思えない風を感じる。

妙にクリアな視野と曇りのある思考が、見知った部屋の寝床の中でさえ、不思議な幻想に私を誘う。こうやって、この薄暗い部屋の中、私はずっとこの場所で世界から隔離されて、自我が崩壊するまで思考を続けるのだろうか。

仮眠は許されていて、冷蔵庫には食べ物は満ちていて、テレビからは奇妙な映画が流れ続けているので、気晴らしに困ることはない。

けれど、ゲームには永久にアップデートが来ないし、音楽のトップ100には永遠に米津玄師とエドシーランがいるし、ワールドトリガーではランク最終戦が始まらない。多分、右のベッドで穏やかな寝息を立てている友人が、眼を覚ますことも無いのだろう。

ただ、それでも不思議なことに、noteにコメントはつき、いいねは増え、ツイッターではリプライが方々から飛んでくる。私と他の世界を繋ぐものは、そうした姿形の見えない第三者からの言葉だけで、それらはこの部屋から出る何のヒントにもならないものの、気慰みには丁度いい。

私は一人、世界の不思議や生死の話を無駄に考えて、考えに考えては、答えが見つけられないままでも、穏やかに眠れることや悪夢を見ないこと、目が覚めたらいつもの朝に戻っていることを夢見て、ぎゅっと眼を瞑る。夜は、まだ明けない。

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