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【TFT】スカウティングのススメ

はいあなです。
TFTはPBEのときはよく遊んでいたのですが、その後ずっとプレイしていませんでした。Set9から「ちょっと頑張ってみようかな」と思って再開し、Set10で初めてグランドマスターに到達することができました。
TFTには様々な知識やノウハウがあると思うのですが、なかなか言語化が難しいことも多いです。そこで、自分の頭の整理のためにも、最近意識して取り組んでいる「スカウティング」についてまとめてみました。

スカウティングとは?

スカウティングとは他のプレイヤーの様子を覗きに行くことです。
まだあまりゲームに慣れていない方は他人の盤面を見に行く余裕なんてなく、自分の引くコマ、レベル上げ、アイテムのことで頭がいっぱいかと思います。ですので、最初は無理にする必要はないかと思います。
スカウティングはメタ構成やアイテムに関して知識が必要なことも多いですので、ゲームに慣れてきた方、より高みを目指したい方、スカウティングを普段あまりしていないな~と思う方向けの記事になっています。

スカウティングの目的

何のためにスカウティングをするのか、目的を3つにまとめてみました。
それは、構成確認勝敗判断危険コマのカット、です。

構成確認

一番の目的はこれです。なぜ他人の構成確認をするかと言うと、自分が向かう構成と被る人がいないかをチェックしたいからです。TFTではコマの総数に限りがあるため、プレイする構成が被るとコマが集まりにくくなり、構成の完成が遅れてしまいます。特に1~3コストのリロール構成は基本的に卓でお一人様までなので、構成が被ってしまうとお互いに潰し合って下位まっしぐらです。
そのため、誰が何の構成に行こうとしているのかを知ることは、自分が向かうべき構成を決めるにあたってとても重要です。

勝敗判断

TFTでは次の戦闘が行われるプレイヤー候補が画面右に表示されます。

赤丸のマークが次に当たるプレイヤー候補

次の戦闘に勝つ(または負ける)ためには、次に当たりそうな相手の盤面を見ることが大きなヒントになります。特に序盤で連勝(または連敗)を維持したいとき、終盤で相手の盤面を見ながら配置を調整して勝ちたい、というときにスカウティングは重要です。

危険コマのカット

★3コマは完成するととても強力です。特に4コスト・5コストの★3は、完成されてしまうとほぼほぼその人が1位になってしまいます。そこで、他プレイヤーの★3完成を阻止するためにコマをカットする(使わないけど買う)という行為が重要になってきます。
4,5コストの★3阻止は確実に行いたいです。誰かが集めているのがわかったときは、ショップにそのコマが並んだらなるべく買うようにしています。ある程度レベルの高い卓になると、誰かが危険コマを見つけたらピンを鳴らしてくれたりします。
一方で、1~3コストのコマは、総数が多いためカットの効果はそこまで大きくないです。カットを意識しすぎると余計なコマがベンチに多くなり利子を損失することがありますので、余裕があるときだけで大丈夫かと思います。
※ちなみに先日行われた世界大会では2コストリロールに使うコマを色んなプレイヤーがカットしていました。超上級者のプレイヤーはほんの数%の差でも有利を取ろうという意識がプレイに見えます。すごい・・・。

スカウティングでどこを見るのか

スカウティングで見ておきたいポイントは大きく3つです。

オーグメント

最初にチェックしたいのがオーグメントです。オーグメントはその人の今回のマッチのプレイスタイルを表現しており、構成確認の大きなヒントになります
特に、特定シナジーを強化するオーグメント(キラキラ、ジャズの醍醐味、メタラー、怒涛のモッシュピットなど)と、リロールを補助するオーグメント(チケット系、複製器系)を取っているかどうかはしっかりチェックしています。
Fast8、ハートスティールなどもお金系・レベリング系のオーグメントを取ったりするので構成確認のヒントにもちろんなるのですが、4コスト以上をメインとする構成はある程度被っても大丈夫ですので、私はそこまで厳密に見ていません。一方で、リロール構成は被ってしまうとかなり痛いので、リロール系をやりたいと思っているときは重点的にチェックします。
また、勝敗判断時戦闘系オーグメントも見たいところですね。

盤面

盤面はTFTの本質の部分ですので、スカウティングの目的すべてに関係してきます

構成確認が目的の時は、ざーっと全体を見渡しつつ、出ているシナジーやコマを確認していくのですが、特に序盤は適当に重なったコマでお茶を濁していることも多く、盤面に出ている=向かいたい構成、とは言い切れないことがよくあります。なので「ベンチ」をよく見るようにします。ベンチにコマを抱えているということは「後に使いたいからキープしている」可能性があるからです。

勝敗判断は、自分の盤面と比べて「勝てそう」「負けそう」を考えるわけなのですが、これは経験で養われていくものかと思います。よく「盤面評価」と言われるものですね。
盤面評価をするときに私がよく見ているのは「相手のメインタンクとメインキャリーは誰で、そのコマ達の重なりとアイテムはどうなってるか?」です。
TFTの盤面ってものすごく乱暴に言うと「メインタンク+メインキャリー+その他大勢」になっていて、メインタンクが大半の攻撃を受け、メインキャリーが大半の火力を出すゲームなので、この2体がどうなっているかをチェックすればおおよその強さが見えてくるかと思います。

他にも「タクティシャンのレベル」「所持金」も合わせて見ておくのが良いです。所持金はステージ右側を見ればわかります。所持金は「その人がこれからどのぐらい伸びしろがあるか」という判断材料になります。「今は勝てそうだけどこの人お金いっぱいあるからこのあと強くなるな」とか、「負けたけど、もうこの人お金ないから伸びないな」とかですね。

ステージ右側の貝殻の数は対戦相手の次に得られる利子のゴールド数を表している。
この場合4つなので、このプレイヤーは40~49G所持しているということ。

アイテム

完成品を作っている場合は構成確認のヒントになります。早期に完成品を作っているということは、最終的に向かいたい構成に合わせて作っていたり、作れるアイテムをとりあえず作って勝ち進行し、そのアイテムを活用しやすい構成に向かう、という可能性が高いですね。

まず判断しやすいのは「AD限定」「AP限定」アイテムです。
イーブンシュラウド・デスブレード・インフィニティエッジ・ラストウィスパーなどはAD系に向かうことが想像されますし、アイオニックスパーク・ラバドンデスキャップ・ナッシャートゥース・ジュエルガントレット・スタティックシヴなどはAP系が濃そうですね。

次に「持つキャラを限定しやすいアイテム」です。
ブルーバフはアーリやエズリアル、グインソーはケイルやTF、ミスフォーチュンなどですね。他にもたくさんありますが、ここでは割愛します。

あとは「ヘッドライナーが持っているアイテム」もヒントになります。ヘッドライナーはその構成のメインタンク・メインキャリーになりやすいのですが、持っているアイテムがそのヘッドライナーにベストマッチするのかどうかを見ることで、そのヘッドライナーを最後まで使う気なのか、あくまで一時的に持たせているだけなのかを判断することができます。
例をあげると「オラフのHLがインフィニティエッジを持っている」場合、勝ち進行からのADフレックスの編成を狙っているのでは?と推測することができたり、「セナのHLがスーパーファンアイテム以外にショウジンの矛を持っている」場合、実はセナは本命ではなくてセラフィーンやルルが本命の可能性が高そうだな、といった感じです。もちろん、アイテムだけでなくオーグメント・盤面・ベンチの様子も合わせて総合的に判断する必要があります。

アイテムによる構成判断は「どのコマがどんなアイテムを持つことが多いのか」という知識が必要ですので、上級者向きかと思います。まずは特徴的なアイテム(ブルーバフやグインソー等)を覚えて、自分が行く構成と被りそうかどうかだけチェックできれば十分かと思います。

構成確認の例

いくつか構成確認の例を見てみます。

例1

オーグメントにメタラー、ケイルが2体盤面に並んでいます。アイテムにロッドも見えますので、ペンタキル、特にケイルをメインに使う編成の可能性が高そうです。実際この方は「ケイルリロール」でした。

例2

オーグメントのワンワンツーツースリー、オラフHL、ブルーバフを作っている、ハートスティール駒を盤面とベンチに抱えていることから、「勝ち進行からのハートスティールADフレックス」かな?と考えられます。この方の最終形は「エズゼド」の構成でした。

例3

盤面はタリックやパンテオンなどが並んでいますが、オーグメントにホログラムを取っていて、ベンチにスーパーファン+セラフィーンの駒があります。ちょっとトリッキーなメタの知識が必要にはなりますが「ホログラムルルを狙っているのかな?」と考えました。実際、ルルリロールでした。

このようにオーグメントやアイテム、ベンチを含む盤面全体から、向かいたい構成をある程度限定することができます。
ただ、全員の構成を厳密に特定する必要はなく、そもそものスカウティングの構成確認の目的は「自分が向かう構成との競合チェック」なので、最低限「自分が向かおうと思っている構成とダダ被りしそうな人はいないかだけチェックする」でOKかと思います。

いつスカウティングすればいいのか

上級者ほど、高頻度でスカウティングしています。
でも自分の卓の操作もあるので、毎ターン欠かさずやるのは結構難しく、慣れていないうちはなかなかスカウティングに時間を割けないと思います。
ですので、「このタイミングはスカウティングしておきたい」というのをいくつかピックアップしてみました。
ポイントは序盤(3-2ぐらいまで)は構成確認と連勝・連敗のための勝敗判断、終盤はライフを残すための勝敗判断と4~5コストの危険コマのカット、という感じです。

自分が向かう最終構成を決断するとき

このタイミングだけは必ず見に行きましょう。自分が向かう最終構成を決めるときというのは「構成を限定するオーグメントを取るとき」「最終的に使いたいと思っているヘッドライナーを取るとき」「これからリロールを回しまくるぞというとき」等が当てはまると思います。最終決定を下す前に「ほんとにこの構成行っていいよね?事故らないよね?」と毎回自分に言い聞かせる癖をつけると良いかと思います。「ここから後戻りはできないぞ」というタイミングで、最終確認をするつもりでざーっと他のプレイヤーの構成確認をしましょう。

オーグメントを取るとき

繰り返しになりますが、オーグメントを取るとき、特に「構成を限定するオーグメント」を取ろうと思っているときは最後の決定ボタンを押す前に他のプレイヤーを見に行き、被っている人がいないか確認できると良いかと思います。世界王者のtitleさんのプレイを見ていると「自分が最後になるようにオーグメントを取る」ことが多いように思います。オーグメントは構成限定系じゃなくても「今回の自分のプレイスタイルを決める重要な選択」になりますので、なるべく他の人とやりたいことが被らないように、または被っても問題ないかどうかを慎重に考えながら選択できると良いかと思います。

連勝(連敗)を確実に行いたいとき

TFTでは連勝(連敗)できると金銭的に優位に立てます。
常に意識できるのがベストではありますが、特に最序盤のステージ2は、まだ自分の卓の操作量も多くなく、盤面評価や方針転換もやりやすいので、勝敗判断を積極的に行って確実に連勝・連敗を取れるように意識すると良いかと思います。また、これは言うまでもないですが「ハートスティールのリスキーにいこうぜ」は絶対に毎ターン勝敗判断をするよう心がけましょう。

ゲーム終盤

ゲーム終盤はいかにライフを保って最後まで残れるかという勝負になりますので、1戦1戦の結果が重要になってきます。毎ターン対戦候補の盤面を見に行き勝敗判断をしましょう。注目するのは配置です。相手の危険なコマ、メインタンクやメインキャリーの位置を確認し、配置を工夫して勝てる確率をあげましょう。また、ベンチにも着目して、特に4コスト以上の同一コマを大量に抱えてないかを確認することで危険コマのカットの必要性を考えましょう。

さいごに

自分で書いておきながら、プレイ中に全然できていないな~と思いました。TFTって頭では分かっていても、いざ試合になると制限時間があって、色んな思考を巡らしたり操作をしたりするのが大変で、やろうと思ってたことがすっ飛んじゃうんですよね。
私はFF14をプレイするのですが、高難度レイドではよく「TPSを下げると良い」と言われます。TPSとは「Thoughts Per Second」の略で、要は「思考量を減らせ」ということですね。
スカウティングに関しても「何もかも見るんじゃなくて、見るべきポイントとタイミングを絞ってササっと済ます」というのが大事なんだろうな、と思いました。「考えをスリムにまとめること」や「何度もやって慣れること」が上達の秘訣ですね。

TFTは無限に勉強することがあってとても楽しいです。また何か記事にできそうなことがあれば書いてみようと思います。
これはあくまで私のスカウティングに対する考え方なので、もっと違うところ見たほうがいいよ、とかもちろんあると思いますし、もっと強いプレイヤーのスカウティングは全然違うところを見ているかもしれません。
色んな方の意見を見ながら自分のプレイスタイルを磨けると良いですね。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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