5月8日

リア充

お久しぶりです。色々あって絵ばっかり描いてました。いや本当はそっちが本職というかメインだからいいんだけどさ。久しぶりなのもあって記事がえらい長くなってしまいました。ど暇な方はどうぞ読んでってください。

さて、最後の記事の投稿が、添い寝という名の喘ぎ声ワッショイ18禁シチュエーションCDの話という、うっかり「お、あざらし描いてる奴、調子こいて文章も書いてんのか」って踏み込んだ人に色々勘違いされそうな状態で長らく放置してしまいました。なので今回は18禁じゃないシチュエーションCDの話をします。マトモな記事で上書きのつもりだったものの、本質は全く変わっていないことに書き始めて数行で気づいたわけですが、黙ってついてこられる奴だけついてこい。ここはそういうところだ。

前回までのあらすじ。うちのキャラのグッズ担当さんにシチュエーションCDを二枚プレゼントされたのである。前回で紹介?したのはそのうちの一枚であり、(担当さんの名誉のためにも言っておくがアニメイトで面出しで売られていたものを適当にピックアップしただけであり、18禁とは知らなかったらしい。)今回はその残りもう一枚のほう、『ゲス彼 vol.1 美山翔(cv.梶裕貴)』をご紹介します。

シチュエーションCDの話題を何度か記事にしておいて今更なんですが、盛大にストーリーのネタバレをしているので、これから聴く予定の方はUターン推奨です。うわあ、感想記事っぽい!

そんでもって『ゲス彼』ですよ。奥さん。タイトルから極み乙女的な猟奇的なキスされそうな感じがしてますね。声優は梶裕貴さんです。有名なところだとアニメ『進撃の巨人』のエレンの声の人だそうです。猟奇的なキスどころか駆逐もやむなし。

ざっくりとジャケ裏に書いてあったストーリーは、人気アイドルグループ『ZETRING』(ゼットリング)のメンバーの美山翔くんとマネージャーである貴女はこっそりお付き合い中。しかし根は真面目だし、アイドルということもあり表だって恋人らしいデートもできないことに悩んでいた美山くんが、とあるきっかけでゲス化する…というもの。

ジャケットイラストからすでに色気のある上半身裸のお兄ちゃん(美山くん)がこちらを見てセクシーに微笑んでいますが、すでに結構ゲスというかSっぽい見た目な気がする。これはどっちモードなんだ。あれか?いわゆるギャップ萌え+ドSキャラみたいなもんかな?と思いつつ、試聴開始です。再生と共にガチャ、とドアが開いた効果音。

「おはようございます!美山です! あれ、今日まだマネージャーだけですか?」

かわいらしいクッソ爽やかボイスであった。

えっお前ジャケットの奴かマジで。
別の意味でギャップがすごい。本当にクリーンな男性アイドルという感じである。事務所に到着したものの、マネージャー兼彼女しかまだいない、二人きりならちょっとぐらいと軽くイチャつこうとしてくるのだが、くっついてくるぐらいの可愛らしいものである。二人きりで一応にも彼女なのに、マネージャー呼びで敬語を使ってくる。やだ真面目。
その後、いつもの家デートの約束をし、到着したほかのメンバーをまた元気に挨拶で出迎える…メンバーの中でも末っ子的な存在らしい。

そして家デートのターン。
貴女の好物のハヤシライスつくって待ってたんですよー!とひたすら無邪気な美山くんである。なんだよこの純粋アイドル。
今度こそマジで二人きりなのに相変わらず敬語だし、ZETRINGの他のメンバーが美山くんのために曲を用意していることに感激して涙し、その新曲のために見学しに行くバンドの音楽がブラックメタルというジャンルで、骸骨を模したコープスペイントが怖いんですよーと不安そうにしたり。どこまでいってもいわゆるワンコ系男子である。

アイドルになったきっかけも、一人でゲーセンで遊んでいる時に、現在の彼女兼マネージャーにスカウトされたというもの。クレーンゲームで持ち金が尽きたときに突然一万円を差し出してきて「この金が尽きたらうちでアイドルになれ」と誘ったという。マネージャー男前かよ。男女逆だったらAVの導入になり…ならないかい? 

現に人気を獲得しているし、アイドルとして才能はあったものの、本人はいたって真面目で大人しめのタイプらしい。
本当は彼女(マネージャー)ともっと堂々といろんなところにデートにでたいが、アイドルである以上、やっぱりそれはマズイから…と真面目に自制している。そうだね文春砲とか食らうと大変だからね。別のゲスの人はそれ食らってたよ。

序盤の事務所のくだりが爽やかすぎたので、「あれだろ腹黒敬語キャラとかでよく見るような、二人きりになったらゲスキャラ化とかそういう流れやろ」とか思っていたのだが、それも違うらしい。暗転にはいるような流れになったときも、可愛らしいイチャつきくらいで終了だった。え?お前あとどこでゲス化するんだ…?(ちなみに前回の衝撃の添い寝という名の喘ぎ声全開CDのおかげで、暗転が本当に暗転するのか、かなり緊張した。軽くトラウマになっているようだ。)

あまりに真面目で素直なアイドルぶりに、逆に不穏な感じが高まってきた頃。美山くんはお忍びでマネージャーと共に、とあるライブを見学しにいくことになる。お家デート中にでてたブラックメタルバンドのライブである。新曲の参考にするために見学してこい、という事務所の指示なので、これもあくまでお仕事。変装も一応したものの、マネージャーの横でおとなしくライブ見学開始です。

「この夜…閉ざされた扉を開くときがきた…禍々しい欲望を秘めた…貴様らの漆黒の心臓を俺たちがこの鋭いツメでひきずり出してやる…」

まさかのボーカルの聖飢魔Ⅱ的な語りからスタートである。
ブラックメタルってこういうのなんですか。え?次の新曲、美山くんこういうのやんの?がんばって。

「恐れることはない…機は熟した。さあ…おのれを解放せよ…!」

その言葉で観客のボルテージは最高潮。歓声と共に音楽スタートです。そんな中ただ一人ぼんやりしている子が。

「禍々しい…欲望…おのれの…解放…?」

美山!やめなさい!その部分はあんまり反芻しなくていいと思うぞ!音楽聞こうぜ!

戸惑いはしたものの、美山くんは今まで触れたことがないタイプの音楽に興奮気味の様子。こんなパワーのあるライブ初めてです、すごい!と最初は声にだしてはしゃいでいたものの。だんだんとブラックメタル音楽のストレートな表現の熱と圧に没入していき…。

「なんて力強い音楽なんだろう…!魂ごとぶつけてくるような…!僕もこんな風に自己表現したい…!禍々しい欲望、おのれの解放…! ゲームが趣味で誰かと楽しむこともできなくて、彼女ができてもアイドルだからって自由にデートもできなくて…」

音楽活動としてだけでなく、プライベート面のことでも色々考えてしまった様子。

「でも今からでも…僕だって…僕だって…僕だって…」

ど…どうした美山くん。

「………リア充したいんだぁああああああ―――――――ッ!!!」

美山ァアアアア!!(2回目)
まさかのアイドルから渾身のリア充したいという叫びが飛び出すとは思わなかったわ。思わずイヤフォンしたまま噴いてしまったよ。ダメよ!この子思ったより疲れてるわ!一度アイドル休ませてあげて!


と思ってたら、本当に激しい頭痛を訴え始める美山くん。
えっ、やだすげえ怖い予感する。色んな意味で。誰か救急車呼んで!
頭痛に苦しみ呻き、そして最後に絶叫すると…ふいに静かになる美山くん。とはいえあいかわらず苦しげに息をついているので、マネージャーが心配して近づきます。

「……触んじゃねぇよ!!ンだよこっち見んじゃねーよ!俺は美山翔だ!女子供とつるんでられっか!」

…誰か救急車呼んで!!

多少予想したもののこういう覚醒の仕方か!!
荒い口調にドスのきいた声は元の美山くんと大違いである。どうしてこんなになるまで放っておいたの!そのままライブ会場を勝手に出て行ってしまう美山くん。もうずっかりゲス彼として覚醒したらしく…。

「とりあえずゲーセン行ってダチつくってリア充すっか…いいか、絶対ついてくんじゃねーぞ!」

ああ…うん…? ゲーセンにいってお友達つくりにいくのね…?いつもぼっちだから…?

「クソッなんだこの邪魔な石…!」

道端の石にキレるアイドル。

「あーマジだっりぃ…。イライラするし反骨心ありありだし…あー、浦島太郎に出てくるガキになって亀いじめてぇー!」

さてはお前下手だな?

本人は本気でゲスモード全開のようだが、どうにもゲス的な語彙というか発想力が足りていない。浦島太郎て。不良に憧れなんとか悪ぶろうとしている中学生のようでなんだか痛々しいです。グレーさんが昔見かけた、ヤンキーバイクの背もたれを無理矢理ママチャリに搭載した中学生並みのつらみである。

変装もやめて街へ繰り出したゲスモード美山くんをマネージャーは追っていくわけなのですが、もう完全に授業をサボって抜け出した不良を連れ戻しに行く担任です。美山くんは「あれアイドルの美山じゃね?」と思いきり通行人たちにバレているにも関わらず、悪態をついてカツアゲやらやりたい放題。(結局ゲーセンでぼっち遊びのままで所持金使い果たしたようです。ダチはできなかった模様。)

割り込んできたマネージャー兼彼女にも「アイドルなのにぜんぜん金を持たせてもらえない」「アイドルに対して人使いが荒い」「ていうかZETRINGって略すと絶倫」などと、色々と外でデカい声でアイドルが言ってはいけない言葉をぶつけてきます。本当に早くに休ませるべきだったのだ…。

今までアイドルということで我慢してきたことが爆発した美山くんは止まらない。いいぜ堂々とデートだ!とマネージャーを引きずり、普段なら変装しても来ないであろうファーストフード店でポテトの良さを半ギレで語り、「やっぱりファーストフード店で食べるバーガーはうまいぜ!」とご満悦。お前ほんと…。いや普段食べられないからこそおいしいよね…と完全に保護者目線になります。なんだこれ…。美山くん、そろそろ先生と一緒に学校戻ろう?(設定が変わる)
と、思いきや。

「次はホテルだ!」

まじか。
ゲス全開、そしてアイドルの顔面丸出しのままの美山くんはマネージャーを無理矢理ホテルへ連れ込みます。あらやだ!こんなゲス全開の彼氏にホテルだなんてそんな…!とさすがにシチュエーションCDらしい展開を期待してうっかり聞き入る。だってここまで保護者だったもの。なんかそういうのあるやろ!そういうの欲しかったんちゃうんか!?どうですか聴衆の皆さん!(どこかへ向かってキレる)

…で、ベッドに押し倒され…されそうになっ…なっ…。(ドスンバタン)

全然負けてんじゃねえか美山!!何やってんだ!!

こちらの期待?に反してゲスモード全開のくせしてマネージャーを全然押し倒せない美山くん。ゲスモード的な甘い言葉とかねえのかよ!バラエティー番組の相撲みたいになってるよ。そんなことをしているうちにマネージャーはケータイで調べた『リア充』の意味を美山くんに見せつけます。

『リア充とは、実際の現実の生活が充実していること。仕事、交友関係、男女関係などが満たされた状態である。』

文章を読み上げた美山くん、ゲスモードだった自分を振り返り、

「え…?俺…現実だよな…? クソッ!わかんねえよ!それなら今日でてきた俺より、今までの俺のほうが現実じゃねえか!ってことは、いまの俺は現実じゃねえから…非リア充ってことだよな!?どういうことだよ…非リア充とか、これまでと一緒じゃねえか!」

きみリア充とか非リアとかめっちゃ気にするな。

「俺…心のなかの欲望…解放できたんじゃねえのかよ!!こんなの…こんなの…俺が求めてたリア充なんかじゃねえよ!!」

もう涙声の慟哭である。そしてまた激しい頭痛に襲われ始める美山くん。お、お前…。まじか…。

激しい頭痛の末、無事に元の人格の美山くんへと戻りました。そのまま泣きながらマネージャーに謝罪します。とにかくリア充がしてみたかった。でもあのひどい言葉たちは自分の本心ではないんです。もうマネージャーと付き合う資格もグループのZETRINGに戻る資格もないかもしれないけれど、それでも…!と涙の個人謝罪会見です。

うん…わかった。いいんだよ美山くん。でもとりあえず病院行こうな。

マネージャーも美山くんを許し、週刊誌に今回の件が乗らないようモミ消しに協力すること、これからもZETRINGでがんばることを誓わせ、ハッピー?エンド…という本編でした。

萌えたか?と言われると困ってはしまいますが、美山くんのゲスに微妙になりきれていないゲスは絶妙な塩梅でかわいらしかったかな。声優さんのキャラ変わりの演技力さすがです。コメディというジャンルらしいので、甘い言葉をかけらてぇんだよ俺は!という方より、CVの梶裕貴さん自身が好きな方のほうがハマるんじゃないでしょうか。一粒で二度おいしい的な。

最後に、あんま関係ないのですがジャケット裏に書いてあった単語で「ドル彼(アイドルの彼氏)」というものがありました。こういうジャンルがあるのね今…。それこそ、現実で「うちのかれぴっぴいわゆるドル彼だから」なんて使えたらリア充なんでしょうか。

そんな方がこの記事を読んでいる中にいらっしゃったら、たまにはドル彼にガス抜きさせてあげてくださいね。