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外の人

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小説の練習で少しずつ書きます。展開もオチもまだ考えてません。
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外の人(5)

外の人(5)

「黙祷」と一言叫ぶ。後は黙っているだけだ。これ以上に無いくらい簡単、低いハードルだ。これならできる。これなら私にもできる。

できるから何なのだ?しなければいけないのか?したいのか?なぜ?

当然の疑問が押し寄せる。頭の中に張られたボールネットのように、せり上がる衝動を幾重に絡み取りせき止めようとする。

”何を言ったのか周りが聞き取れないかもしれないから、少し高めの声でゆっくり言おう”

”タイ

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外の人(4)

外の人(4)

「みなさん、聞いてください。」

私はまっすぐ正面、窓に反射した自分自身を見つめながら声をあげる。

「ただ、聞いていただくだけで結構です。ご通勤、ご通学でお疲れのところ大変ご迷惑おかけしますが、どうか私の話を聞いてください。」

背筋を伸ばし、頭を上げ、つり革を掴む腕もだらしなく垂れ下がらぬよう肘をしっかりと曲げて、私の姿がしゃっきりと真っすぐ立っていることを確認しながら、決して大声ではなく、し

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外の人(3)

外の人(3)

「じゃあ明日はそんなに早起きしなくて大丈夫だね。」

私は彼女を真っ直ぐ見つめ、語り始める。

「じゃ俺の車で迎えに行くよ。その方が早いし。途中で鈴木部長も乗っけてくけどいいよね。本当はもう少し人数乗せた方が高速代安なって助かるんだけどさ、俺の車そんなに大きくないから4人が限界かな。大泉インターが一番近かったよね?」

突然、ひとりで喋りだした私。まずいきなりひとり言を始めたことに驚き、周囲は私の

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外の人(2)

外の人(2)

 試合開始後20分、まだ日本もイラクも0-0のままだった。電車に揺られる中、手のひらの上に映し出されたゲーム速報を見つめながら、後半戦キックオフには間に合いそうだな、なんてことを考えていた。帰り際、営業の杉澤君に予算書のことをごく軽く説明だけして出るつもりが、なんやかんやで打合せになってしまい、結局会社を出るころには試合が始まってしまっていた。

〈後半戦には間に合いそうだよ〉

そう一言、裕貴へ

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外の人

外の人

温くなったコーヒーを啜りながらパソコンの中の見積書を眺めていた私は、実際はその中の木材の単価が安いか高いかなんてこととは全く関係ないことを考えていた。

「もし今この場で、私が奇声を発したらどうなるだろう」

午後15時を回ったオフィス内には、私含め10人ほどの社員がパソコン画面に向かっていた。

営業の人間は半数の5人くらい外に出ており、残っているのは同じ購買部のシマに机を並べた関根を除くと設計

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