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朗読会のお知らせ

 都内各所でお客さまを集めては定期的に朗読会を開催する、月読の會という恐ろしい集団のことをご存じでしょうか。
 前科も借金もない純真無垢なわたくしが、このような暗黒の集団と知り合うこととなったきっかけは、2015年にまで遡るものでございます。
 それはnoteでもおなじみ浜田弥依さんが、彼女のソロユニット「OTONE」の活動として、わたくしの小説オンリーの朗読会という、正気の沙汰とも思えぬイベントを開催し、昼夜2公演を大成功させるという偉業を達成されたときのこと。あとから知ったのですが、浜田さんは黒づくめの組織・月読の會の一員だったのでございます。
 その後、浜田さんは今一度わたくしの小説オンリーの朗読会という、身の破滅を恐れる気持ちがまったくないのだろうか?と神経を疑わずにいられないようなイベントを、天下の大都市・新宿で開催され、またしても成功を収められました。まことの偉丈夫にございます。この文体は非常に面倒くさいのでここから普通に書きますが、浜田さんの所属する月読の會で、きたる10月6日(土)・10月7日(日)の2日間にわたって、灰谷魚氏(僕のことです)の小説オンリーの朗読会、その名も、

 ツキヨミガタリ「オトトトト」

 が開催される運びとなりました。
 2days!
 やったー!
 うれしい!たのしい!大好き!(1989年)

 僕の過去作を使っていただいた「OTONE」のときとは違って、今回はこの朗読会のために新作を書き下ろすことになったので、がんばるぞー!と思い、実際にがんばって、メインとなる長めの小説と、短めのサブの小説、あわせて2本を完成させました。
 もちろん、まったく関係ない2作品ではなく、ハンバーグと皮付きポテトのように、あるいはハンバーグと人参の甘く煮たやつのように、はたまたハンバーグとインゲンのソテーのように、互いに響き合い、見事なコンビネーションを奏でてくれる、最高の仲間なんだぜ、こいつらは~!(うざい)
 せっかくですので、興をそがない程度に内容をご紹介しますね。

 『エリィ、きみの愛した街を見せてよ』

 これがメインのハンバーグにあたる、長めの小説のタイトルです(長いといっても、2本あわせて1時間の公演におさまる程度ですけど)。
 月読の會さんからのご要望で、登場人物の年齢や人数、お酒が絡む物語であること、などの条件が決められていて、その結果、なかなか自分だけでは発想できないな~、という感じの新鮮なできばえになり、とても気に入っています。
 メインの作品なので、これで公演全体のイメージがほぼ決まってしまうため、あまりにもトリッキーだったり、シュールすぎたり、グロかったり、落ち込んだり、という感じにはしたくなくて、誰にでも楽しんでいただけるような、フォークソング、カントリーミュージックみたいなイメージで書きました。この物語の効用として、きっとみなさまの感情に、恋しさとせつなさと心強さと(1994年)を刻みつけることができるのでは、と思っています(わかりづらくなったかな……)。
 しかし、カントリーやフォークのイメージとはいっても、アレンジは最新、多様なジャンルを消化した現代的な音作りで、そこはこの稀代のビートメイカー・sakanabeatsの面目躍如といったところです。ご期待ください(あと、数行前からここまでの記憶を消してください)。
 まあ簡単に言えば、非常に美しいストーリーの背後で、最新の小説技術を駆使した複雑な試みもいくつかやってるよ、って感じかな(ここも忘れてください)。
 朗読会から帰ったあと、家でくつろいでいるときなどに、「あれはこういう意味だったのかしら?」「あの部分は、なんだか今も胸に響いているわ」「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです(1989年)」などと思っていただけるような、お土産的なものをみなさまの心に残すことができたらいいな、と思っています。

 『真夏の海まで』

 これが副菜のポテト(あるいはニンジン、もしくはインゲン)などにあたる位置づけの小説です。これはとくに条件もなく自由に書きました。
 意外な設定、小粋な会話、エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい、まるで2016年のボジョレーのような仕上がりです。みなさま存分にご堪能ください(このパートぜんぶ忘れてください)。

 ところで、この2作がどのような順番で披露され、どんな演出で、どんな音楽が使われるか、などについて、僕は一切関与しておりませんので、どうなるのかな~、と楽しみにしています。長めのやつを前後編に分けて、真ん中に短めのを挟んだり、とかもあるのかもしれません(本当にまったく知りません)。
 2日間のうち、どちらかにはお邪魔して、みなさんと一緒に楽しみたいなーと思っております。わくわく!
 ぜひ体験してみたいぜ!と思ったあなたは、今すぐ下のリンクで詳細をチェックだ!

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