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今日の1コマ〜パート3〜


こんばんは!

回復期病院でリハビリの仕事をしていて、ここ最近あったこと、感じたことをここでたらたらと綴らせていただきます


今回の患者様はA氏としよう
A氏は90代の超高齢男性で、尿路感染症にて急性期病院にて治療を終え、その後リハビリ目的に入院してきた方だ



A氏の特徴としては、

❶年齢相応に認知機能が低下していること
❷バランス低下により歩行が不安定であること
❸尿路感染症により、尿バルーンが留置されており、永久に抜けることはないこと

などが、挙げられる


今回特に課題となるのは、
上記状態のA氏が、自宅に帰るにあたり、
尿バルーンを自己管理し、安全に屋内生活を送れるかどうかである



そこでまず1週間様子を見てみた


PTでは、歩行を見てくれているため、
OTで尿バルーンの管理定着を目指して介入することとした


ちなみに、尿バルーンとはこんなやつ↓のこと

膀胱留置カテーテル(=尿バルーン)

知らない人は調べてみてね


1週間経った経過...


全くと言っていいほど、尿バルーンの管理できず!

でした笑笑


本人には、
・尿バルーンの必要性
・抜去リスク
・管理方法
をその都度教えること

また、環境設定としてベッドサイドに、
バルーン管理するよう文字で提示するなどし、意識づけを図った


が、認知機能の低下もあり、ベッドサイド以外の別環境になると忘れてしまったり、タスクが増えると注意が向かないなどが挙げられ、尿バルーン管理は難しいと判断した

実際...
尿バルーンの必要性の話を散々した後、歩きましょうと声かけると
「いや〜、ほんとね。
 大事にしなきゃね、これ(尿バルーン)。
 命の次に大事にしないと。」
と言いながら、車椅子にバルーンバッグをつけたのを放置したまま歩き始めようとしてしまう


ということもあり、
1週間経過後、DIBキャップを検討した


DIBキャップ

↑バルーンカテーテルの先につけてキャップの付け外しで排尿できる
詳細が気になる方は調べてみてね



DIBキャップを使用するにあたり課題は、
・キャップ操作
・時間管理
大きくこの2つだ


幸いにも手指の巧緻動作は良好
ただ、問題は時間管理だ


認知機能の低下もあり、時間管理が怪しい
そこでA氏の普段の様子を振り返ってみる


くりこの病院では、リハビリ時間は決められており、1日のスケジュールが患者さんに事前に配られている
そのため、患者さんが自分のスケジュールを事前に把握することができ、人によってはリハビリ時間になると、ナースステーションまできてくれる方もいる

A氏も、リハビリ時間前にはリハビリに行く準備を終えており、いつも居室で座って待ってくれている
そのため、スケジュール管理は比較的できる方だと考えられる

ただ、自宅での日常生活ではスケジュールなど基本無い


そのため自宅ではスケジュール管理は、習慣化されていないと考えられ
より強固な策として、スケジュール管理に加え、タイマーで時間を知らせて、行動に移す方法を検討した


その準備として、タイマーに慣れていただく必要があると考え、今日は模擬的にタイマー管理を実際やってみた


今回は、リハビリ介入始めにタイマーをセットしておいて、リハビリ終了時にタイマーが鳴り、止めていただく課題とした
本人にもこれらの意図を説明、タイマーがなったら止めるよう指示
意図や、指示を理解できていることを確認した上で、タイマーセット


リハビリ終了時、居室にて、

"ピピピピッ ピピピピッ"

アラームの音が鳴り響く


本人はと言うと

着ていたパーカーを脱ぐのに夢中

脱いでいる際もずっと鳴り止まないタイマー

しばらく待ってみるくりこ


パーカーを脱ぎ終わり、タイマーを止めるかと思いきや、次はそのままベッドへ横になろうとしたため、慌てて止める

「いや、まてい!」byくりこ
(実際はちゃんと丁寧な言葉で伝えてます、気持ちとしてはこんな感じでした笑)

念の為、タイマーの音が聞こえてるか確認すると、

「聞こえてるよ、うるさいよね、ずっと鳴り止まないんだもんこれ。」


...



開いた口が塞がらないとは、まさにこのことなのか...


意図を忘れるのはしょうがないとはいえ、タイマーって止めるもんじゃ無いのー?!
と、衝撃が隠せない出来事であった


まあ、でも、そうか

いつもはタイマーを使って行動をしてないため、タイマーという認識すら乏しいのかもしれない

携帯からなんか音鳴ってるな、なんでだろう

ぐらいの感覚なのかもしれない

最近こそ、携帯やスマホでタイマーを使用する人もそこそこいると思うが、90代の方々はそういった環境がなかった、もしくは慣れていないのかもしれない


改めて、ジェネレーションギャップなのか、
認知機能の壁を見たのか、

新たな課題に直面したくりこ


さて、明日からどうしようか

患者さんと関わると、いろいろと試行錯誤の毎日
しかし一つ一つ向き合うと、正攻法が見えてくる

またそれが、楽しい

リハビリ、いや、作業療法の醍醐味だ


今日も一日お疲れ様でした🍵


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