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副業を再開して、1年でスタートアップ10社を手伝った

(2018年が明けてFOLIO創業から2年が経ち、ようやく土日働かなくてよくなったので)副業を再開してから、1年が経ちました。

そこから数えて合計10社のお手伝いをしたことになります。

楽しそうな案件が多くどうしても手伝いたくてずっと複数社同時に抱えていたし、デザインシップの立ち上げ もやってたし、結局FOLIOも平日は死ぬほど忙しかったので、この1年はかなり無理をしたように思います。

自分にごめんなさい!!!


ということで、

自分の健康のためと、家庭の事情もあって、この3月末で全案件について一旦お手伝いストップすることになりましたので、ここらでまとめて振り返りたいと思い筆をとりました。

お手伝いさせてもらった10社の軽い紹介(スタートアップ転職狙ってる人はぜひ!)と、自分が何を担当したかの記録を軽く書かせていただきます。

当たり前ですが契約はそれぞれ異なり、会社名すら書けないところもあったりするので、一部ボカしつつ省略しつつ記載します。

思えばこういうブログとかも書く時間がなかったなぁ。
4月からは書いていくぞ〜!


1. MediTech系SaaS・アプリ

AI問診の Ubie 社にデザイン顧問としてお手伝いをしました。

病院にきた患者に、問診前の待ち時間にこうやって↓タブレットで病状を入力させることで、

医師はカルテを書く手間が削減され、患者も待ち時間が減るという、医師と患者双方にとってメリットのある問診SaaS。

「これまでカルテに向き合わざるをえなかった時間が、そのまま患者と対話する時間になるんです」という言葉をきいて、手伝うことを決意しました。

メンバーも最強なんですけど、ビジョンが本当に素敵です。

お手伝いしているデザイナーさんが既にいらっしゃったので、分担しつつ僕は患者側の体験にフォーカスすることに。

「問診体感時間を最小化する」を目的に設定して、UIやインタラクションの領域で改善策を考えました。


(↑ ロジカルツリーライクに課題と打ち手を洗い出して優先順位を決め打つ)

また、C向けプロダクトの新規開発についてのアドバイスなどもおこないました。

ユーザーテストの方法をまとめたり実施したり、
僕が有効だと思うUXデザイン手法を紹介したり、
モバイルアプリのUIをつくる上での進め方をリードしたり、

多岐にわたってデザイン顧問として携わらせていただきました。

今も優秀なメンバーがどんどん集まっているので、これからの動きも大注目の企業です!

興味ある人はこちら! → Ubie会社紹介資料


2. シェアリングエコノミー系アプリ

一眼レフとかドローンとかの撮影機材をシェアできる Totte の制作・開発、及び CREARC社 のCorporate Identity(以下CIと略します)策定をお手伝いしました。

Super Crowdsの田中さん がリードデザインを担当していらしたので、僕の方ではネーミングのリード(「Totte」っていい名前ですよね!)や、LP作成、ASOの方針策定、通知設計などをおこないつつ、

会社として「ミッション」を策定したいとのことでしたので、社長の想いを引き出しつつ言葉選びをしました。

(↑ 提案したコピーの一部)

リリース後もアプリをこまめにアップデートしててプロダクトへの愛を感じるし、実際社長がデザイナー出身なので共に働く上でいたるところでこだわりを感じました。

興味のある人はこちら! → CREARC 採用情報


3. コミュニケーション系アプリ

picon社の提供する Talkroom のタグライン制作・ASO対策などをお手伝いしました。

代表のしょせまるくんが気軽に色々と相談してくれて、コミュニケーションサービスについて考える機会を久しぶりにもらって楽しかったです。


4. ドローン系アプリ

詳細かけないのですが、完全新規でドローン系のアプリ企画・制作をお手伝いしました。

まったく新しい「地図」の見せ方を考えたい、というのが依頼主からもらった言葉だったので、愚直にいろいろなインターフェースをトライ。(地図の歴史や種類に謎に詳しくなりました)

京都にオフィスがあったので何度か泊まりで出張して楽しかったです!


5. HRTech系アプリ

Carat社の提供するAI転職アプリ GLIT のコピーやASO対策などをお手伝いしました。

Carat社のふたりは友人でもあるので、これからも応援しております!


6. シフト管理系SaaS

シフト管理SaaS「らくシフ」を提供する X-bit 社のCI・VI(Visual Identity)策定をお手伝いしました。

当初はUIをお願いされてましたが、話していくうちにミッションとバリューから作り直したいという話になり、その策定から始めます。

代表がビジョナリーで想いを言葉にするのが上手だったので、つくりやすかったです。

VIもそれに基づき、試行錯誤あったものの完成。(基本的にVIはコーポレートもサービスも、アシスタントの 織田 が担当しました)

LINEでシフト管理ができる、というのがウリのため、LINEで使うためのキャラクター制作も。

(↑ ちゃんと経営者にプレゼンできて偉い織田)

その他、UIの考え方などについて新卒デザイナーの子にレクチャーなどしてました。

興味のある方はこちら! → Xbit Recruit


7. LegalTech系サービス

オンライン商標登録サービス Cotobox のCI・VI策定、サービス企画、UIデザインをお手伝いしました。

もともと「デザインシップ」の商標をとるためにユーザーとして使ってたのですが、代表の五味さん(元弁理士)が声をかけてくださり、ランチしたら意気投合したため手伝うことに。

まずは会社とサービスをどのような未来にしたいのか、ずっとしつこいくらい話をきいて、自分を経営者と同じ頭にして、その頭から言葉をひねり出します。

試行錯誤あった結果、誠実で実直なミッションと、ドシンプルに英単語の前置詞という攻めたバリューになりました。

VIはオレンジ背景に黒という、コントラストの観点としては思い切った色の使い方で統一して、

リーガルテックにおける唯一無二のブランドをつくりあげようという想いを込めました。

実際、Tシャツ着て登壇してもらうと爽やかに目立っていい感じです!

その後、策定したスタイルガイドラインに基づきLPのデザインをおこないつつも、サービス全体の設計を共に考え、「法的要件を守りながらいかに革命的なユーザー体験を提供するか」を話し合い、でたアイデアを速攻でUIに落とし込む……ということを繰り返していました。(本業のFOLIOで創業から3年間やってきたことなので得意でした!笑)

なおサービスUIについては一時期よりアシスタントの 佐藤 に担当してもらいました。野球部出身で稀にみるクソ生真面目なので今後も育てていきたいです。

ちなみに商標というのは実はとるのに大体9ヶ月かかるものなので、その長いタイムスパンにおけるユーザー体験を考える必要があります。

たとえばオンラインで商標登録ができるサービスとはいえ、商標登録が完了した際には物理的にこのように「商標登録証」が届いたりするので、

この登録証を送付する際に「なにかWOW!な仕掛けができないか」などいろいろと考えられたのがとても楽しかったです。

この1年お手伝いした中で一番長く深くお手伝いしてきたので、Cotoboxは個人的にとても応援しています。

(↑この前WBSで紹介されてた!)

興味のある方はこちら → Cotobox 採用情報


8. InsurTech系SaaS

保険営業のためのSaaSを提供する hokan 社のCI・VI策定及びサービスデザインをおこないました。

既存の保険業界に対する「革命」ではなく、「コラボレーション」であるという意図を強くもったミッション。

ボードメンバーのこだわりが強く、ここに着地するまでに数ヶ月かかりましたが、だからこそ今でも社員がこの言葉を愛してくれており、かつ社外の人や営業先からも「ミッションいいですね!」と頻繁に言われるそうです。

そしてバリューも同様に、毎日何かとその言葉が飛び交うくらい社内で浸透しているそうで、嬉しい限りです。

(↑ 保管・補完からきている「hokan」と同じように、日本語をあえて英字にしたバリュー)

VIも何十パターンとだして、最終的には「アップデート」を表すシンプルなシンボルに終着。

めちゃめちゃこだわりが強い人と働けるのは幸せなことだと思いました。

本当はCI・VI策定で終わるはずでしたが、それに伴ったサービス改修・LP作成についても関わることとなり、せっかくなのでと思ってこんなスライドを用意して、

そのフローを実践してみることに。

LP制作についてはアシスタントの 田川 に担当してもらいました。この春からヤフーなので僕の後輩となります。卒業おめでとう!

長期に渡るプロジェクトでしたが、結果として「リニューアル後に申し込みのコンバージョン率が4〜5倍になった」という報告をいただきました。

結果にコミットできて嬉しい気持ちです!

クセの強いパワフルな人ばかりの会社で一緒に仕事できて楽しかったです。
興味のある方はこちら → hokan 採用情報


9. ストリーミング系動画アプリ

詳細まだいえませんが、動画ストリーミングなアプリの企画・ディレクション・UIデザインをお手伝いしました。

普段プライベートで一緒にアプリつくってる ほそみジャンボ にそれぞれビジュアルデザイン・両OSの開発を手伝ってもらいながら、検証用(とはいえリリースできるレベル)のネイティブアプリをつくりあげました。


10. 契約管理系SaaS

Alp 社が開発中のサブスクリプション一括管理SaaS「Scalebase」のVIやコーポレートブランディング、サービスデザインなどをお手伝いしました。

ボードメンバーがもともと知り合いで声かけてもらったんですが、そもそもデザイナーがひとりもいないということでまず仲間集めをします。

ずっと一緒に働いてみたかった かみそるさん にお声がけしたら快く引き受けてくださったのでジョインしていただき、

僕はブランドの方を、かみそるさんはサービスの方を中心に動き、お互いフィードバックし合うみたいな体制で動きました。

そもそもサービス名を決めるまでに4ヶ月くらいかかったので(笑)、VIもそれに応じてかわりがわりでしたが、過去の決定にこだわらず今の想いを優先して決断する姿勢は非常にスタートアップそのもので好感が持てます。

Alpのメンバーも全員こだわりの強さが尋常ではなく、何十ものロゴたちの屍を生み出し続けたまま3月に入ってしまいましたが、土壇場でようやく全員がしっくりくるシンボルを見つけ、ブランドデザインガイドラインの策定までおこないました。

(↑ 途中のやつなのでここから地味に変わってます)

他にも営業資料の作成、採用要項の作成など幅広くなんでも屋としてやらせてもらいました。

ブランドをつくる上での調査・ブレスト・最終調整などはアシスタントの 北島 が担当してくれました。美的センスをもっているにも関わらず量で勝負する戦い方もできる子で助かりました。

代表の伊藤さん(元pixivの社長)をはじめ、非常に優秀なメンバーが集まっていますが、なんともデザイナーだけが足りない状況なので、「情報設計の真髄」なUIデザインに興味のある方はぜひ門を叩いてくださいませ。

興味のある方はこちら! → Alp 募集職種


反省とこれから

以上この1年でお手伝いした10社でした。

振り返ってみれば意外にもSaaSが多い……需要を感じますね。
業界も、医療から法律からエンタメから色々関われて楽しかったです!

反省としては、

反省①:複数社まわして生き急いでいた
もちろん相乗効果でてよかった面もありますが、思考と作業が分散してしまっていたことは事実だし、何より一方の会社が炎上しているときもう一方の会社で「自分からタスクをとりにいく」ことをやめてしまうため、指示待ちになってしまいます。それは到底自分の中ではプロとはいえないので、平日に動けない制限がある中、複数社まわすのはあまり良くなかったなと思います。あとこの1年まじで土日がなかった。遊ばない人間は、人として面白みがなくなります。余裕を持ってこそ人生!

反省②:この1年間アウトプットに偏っていた
この記事で記載した仕事はもちろんほんの一部であり、作業としてはかなり泥臭いことをひたすら依頼主と共におこない無数のページやUIやブランドの核となるドキュメントをつくりあげたりしたもので、ファイルを見返してみても相当なアウトプット量だったと自負していますが、逆にインプットの時間が超超超超減ってしまいました。いま世の中のテック事情……は語れてもデザインのトレンドについてすぐにコメントできない。学んでこそ動物。インプットをして初めて「生きている」といえるので、今の僕に動物としての価値はありません。

反省③:業務委託同士で役割を明確にしていなかった
いきなり真面目ですが、スタートアップにおいて社員ではなく業務委託として複数のデザイナーがいて全員リモートで作業する場合、年齢や経歴に関係なく「誰がどこに責任をもつか」「作業の指示は誰がどのようなプロセスでだすか」を明確にするキックオフをしてから作業にうつるべきだと思いました。働く時間も場所も頻度も違うので、誰が何やっていて自分が今どこの改善を提案して動けばいいか分からなくなります。前半の案件でそうなってしまい思ったように動けなかった経験を活かし、後半の案件はうまく回せたのはよかったです。

……他にもいろいろありますが代表してこんな感じです!

これからについては、前半にも記したとおり、自分の健康のためと、本業に集中するためと、インプットの時間増やすためと、ブログ書く時間つくるためと、余裕を持って遊ぶために、この3月末で全案件について一旦スタートアップのお手伝いはストップいたします。

夏頃、またいろいろ発表させてください!

お手伝いさせていただいた10社の皆さん、
助けてくれたアシスタントの子たち、
影で支えてくれた人たち、
全員に心から感謝と敬意とエールを送ります。

ありがとうございました。



そしてタイムリーなのでついでに宣伝しておくと、「Designship 2019」が 11/23-24 に東京国際フォーラムで開催することに決定したので、

参加希望の方はとりいそぎ日程をおさえていただき、

スポンサー希望の企業は先行スポンサー受付(5月末まで!)が始まってるので、ご検討お願いします〜!



反省④:いい話で終わればよかったのに宣伝で締めくくってしまった

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