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うたの日の成績

短歌投稿サイト「うたの日」に投稿をはじめて、もうすぐ6年になります。ちょっと書きたくなったので、私自身のうたの日の成績のことを書きます。(うたの日関連の用語が出てきますが、説明しません。すみません。)

図は、私がうたの日に本日までに投稿した1486首について、得票率(ハート・音符を区別せず、得票数をその部屋の投票者数で割ったもの)と、短歌の番号の関係を示したものです。

得票率(縦軸。短歌一首にいただいたハートの数と音符の数の和を、その部屋の投票者数で割ったもの)と短歌の番号(横軸。総数1485首)の関係を示す棒グラフ
得票率(縦軸、短歌一首にいただいたハートの数と音符の数の和を、その部屋の投票者数で割ったもの)と短歌の番号(横軸、総数1486首)の関係。緑の縦棒は現データ、黒線は7日間の移動平均です。

見てわかるように、得票率のバラつきは大きいです。平均±標準偏差が21.1±11.8%、最高73%、最低0%(どんまい!)。1首目の得票率は43%ですから、ビギナーズラックと言えるのかもしれません。図では下のほうがつぶれてしまってわかりにくいですが、10%未満のさびしい得票率の歌や、もちろんどんまい!(得票率0%)も複数、ちゃんとあります。

得票率平均21%は、高いのか低いのか。……私が一首投稿したとき、お読みいただく投票者のうち約2割の方が、私の短歌をいいと思ってくださる、ということになります。裏を返せば、約8割の方からは、投票に値しない、という判断をいただいていることになります。8割です。

朝の天気予報が降水確率80%だったら、傘を持って出かけます。
会議で8割が賛成していたら、過半数だしいいか、という気持ちになります。

ですから、8割にノーと言われていることを考えれば、えっ私の歌ダメですかそうですか、という気にもなります。ハートは投票者1名につきひとつですが、音符は投票者1名につきいくつでも入れられます。それを考えあわせるとますます、2割の賛同しか得られないというのは少なすぎるのでは、とも思えます。

でも、会議で8割が賛成していても、間違っていることがあるということを私たちは知っています。あの戦争などはそうだったでしょう。降水確率80%なら、傘を持てばいいですね。雨に濡れる確率を0%にできます。

うたの日は会議とも戦争とも天気とも違うものですが、8割にノーをつきつけられたとき、どうすれば心をおだやかに保てるのか。

ひとつ言えることがあります。図のすぐ下の段落で、「得票率のバラつきは大きい」とも書きました。これは、一首の結果に一喜一憂する必要はない、ということを意味しています。……発展的な議論のためには、私のバラつきを他の方のバラつきと比較する必要がありそうですが、少なくとも私個人の範囲内では、そのように考えられそうです。

バラつきについて、もう少しだけ詳しく見てみます。記念回のような100人以上の投票がある歌(22首)の得票率の平均と標準偏差を計算すると11.9±6.42%であり、変動係数(=標準偏差/平均)は0.54です。これがそれ以外の1464首に対して求めた変動係数0.56と比べてわずかにしか小さくなく(サンプルもサンプル数も違うので厳密な比較ではありませんが)、投票者が100人以上いても同じようにバラつくようです。
(なお、工業製品の品質試験のように同じ素性をもつサンプルに対して同じ評価をしているわけではありませんから、これらの数値は参考程度と考えるべきでしょう。というわけで、数値に基づく議論はここでおしまいです。)

これらの数値だけではバラつく理由はわかりませんが、歌そのものの良しあしだけではなくて、投票者(=読み手)のバラつきも影響すると思われます。うたの日でふるわなかった歌の評判がSNSではよい、あるいはその逆の話も何度か聞いたことがありますし、私自身にもそういう経験があります。それらの経験があるので、得票率は読み手にも少なからず依存すると考えています。

つまり、いい読み手(能力がある、という意味では必ずしもありません)がつくかどうかも大きく影響するはず……運の要素が多分にあり、それ以外の要素をかき消すほどに大きい原因であると想像します。

少なくともうたの日の場合は、初心者から名手まで平等に、一人につきハートはひとつ、音符はいくつでも投票できます。読み手としての多様性は、好みのバラつきだけではなく、生活習慣(忙しいなかでさっと読んで投票する人、じっくり読む人、日によってそれが大きく異なる人、そうでもない人)、評価基準(たくさん音符を付けたいやさしい人、ハート1個しかつけないストリクトな人)、その他の観点からも、いろんな人がいるものと想像します。読みの大きな多様性が許されますから、学力テストのようには努力に点数がついてこないほうが順当で、だからこそ、気楽に出せばいい……成績がよくなくても嘆くことはないと思っています。ののさんもこうおっしゃっています。

せっかく自分で詠んだ自分だけの歌ですから、うたの日でふるわなくても、せめて自分だけは味方になってやろうと思って作っています。それは新聞歌壇等への投稿でも同じです。うたの日はすぐに数字で成績がわかりますから、ふるわないことが続くとキツいものがあります。それでも、

8割にノーと言われる歌を出し残り2割をありがたく採る

……ながーい詞書でした。お読みくださりありがとうございました。

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