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水滸噺 10月(下)[創造主誕生祭]

あらすじ
棒を守るは険道神 組打ち最強没面目
楊令張平悪戯選び 史進杜興腐刑選ぶ
令和十月二十六日 神は御年七十二歳
神筆から命芽生え 数多の英雄大騒ぎ

すいこばなし 注意書き
北方謙三先生水滸伝,楊令伝何でもありな二次創作です。
・水滸伝の原典ネタは日常茶飯事、スマホにPCなど電子機器も飛び交うし、あの人が梁山泊で元気に生きていたりする、異世界からお届けします。
・原作未読の方でも楽しめるように、ネタバレを極力避けていますが、薄々感づいてしまう個所が垣間見えますので、その点はご注意ください。
楊令伝8巻程度まで守備範囲を広げました!出てくる好漢は、すなわち水滸伝を生き残った者ということですので、未読の方はその点ご留意いただいた上でお読みください。
・作者のtwitterにて1日1回以上を目標に投稿しています。 
・今月号、バックナンバーのご意見ご感想、リクエスト等々、こちらまで
 お寄せいただけると、とても嬉しいです!いつも助かっています!
・原作に興味を持たれるきっかけになったらこれ以上の喜びはありません。

それでは行ってみましょう! 

梁山泊

梁山泊…すっかり秋模様になった。冬に備えて阮家の鍋を量産できないか試行錯誤中。

致死軍&飛竜軍

致死軍&飛竜軍…春夏秋冬、目立たないように兵に着せる兵装は異なる。冬場の公孫勝が白い服着てると、本当に分からない。

人物
公孫勝(こうそんしょう)…林冲としばらく会っていない。あの馬鹿のことなんて心底どうでもいいと、毎日のように兵にこぼしている。
劉唐(りゅうとう)…索超と打ち合わせて合同調練を行おうと、こっそりスケジュール調整中。
楊雄(ようゆう)…二竜山に行く用事ができたので、久しぶりに石秀の顔でも見に行こうか。
孔亮(こうりょう)…青州軍の頃もまんざら悪くなかったな。
樊瑞(はんずい)…暗殺した日の帰りは、いつも質素なものが食いたくなる。
鄧飛(とうひ)…目が赤いのは、海の潮にやられたから。そのおかげで、塩分にはめっぽう強い。
王英(おうえい)…白寿(はくじゅ)という密会相手がいる。おばあちゃんがそろそろ白寿らしい。
楊林(ようりん)…鎖鎌の鎖を身体に巻いて身を守ろうとしたら、脱げなくなってしまった。

1.
劉唐「公孫勝殿!」
楊雄「今風に飛ばされませんでした!?」
公孫勝「…」
孔亮(軽すぎるだろ…)
劉「もっと食事をされないと…」
公「余計だ」
楊「…」
孔(じゃあ一体何をエネルギーに、あれほどの仕事を?)
劉「公孫勝殿!」
楊「捕まってください!」
公「…」
孔(もう傘で飛べるんじゃないか…)

公「…」
劉「公孫勝殿、もっと量を食べないと」
楊「風が強い季節ですよ」
公「…いらん」
劉「せめてこの饅頭は食べてください」
楊「痩せ過ぎにも程があります」
孔(お袋かよ、こいつら)
劉「野菜も食べてください」
楊「栄養も不足していますよ」
公「…いらん」
劉「公孫勝殿!」
孔(世話焼きめ)

孔(結局饅頭を半分しか食わなかった)
公「…」
孔(何が原動力なんだ)
公「…」
孔(あれは…?)
?「!!」
孔「!?」
公「…侵入者か、一清」
猫「…」
孔「またこいつに深傷を…」
公「お前が悪い」
猫「…」
孔「公孫勝殿、もしかして…」
公「最後まで言ったら、一清がお前を処断するぞ」
孔「…」

公孫勝(こうそんしょう)…なぜ私に寄ってくるのだ、一清。
劉唐(りゅうとう)…李逵に公孫勝の食べれるレシピを相談した。
楊雄(ようゆう)…薛永に顔の血色をよくするレシピを相談した。
孔亮(こうりょう)…安道全に小首を傾げられながら傷を縫われた。

一清(いっせい)…公孫勝に懐いてる猫ちゃん。致死軍の新兵より強いとの噂。

2.
孔亮「朱富が面白い饅頭を売っていたので買ってきた」
劉唐「それは?」
孔「この饅頭の中に一つだけ激辛のものが入っている」
楊雄「ほう」
公孫勝「…」
樊瑞「人数分あるな」
孔「試しませんか?」
劉「面白い」
孔「恨みっこなしですからね」
楊「恨みはしないが、憎しみは買うかもしれんからな」

孔「皆、饅頭は取りましたね」
公「…」
劉「…」
楊「…」
樊「…」
孔「不正防止のため、一緒に食べましょう」
公「…」
孔「いざ!」
公「…」
劉「…」
楊「…」
樊「…」
孔「…」
劉「美味い…」
楊「いつもの味だ」
樊「お前は、孔亮?」
孔「俺も何とも無い」
劉「…ということは?」
公「」

孔(嘘だろ…)
劉「もしや、公孫勝殿…」
楊「引きましたね!」
公「ひいて、ない…」
樊(嘘だ)
孔(俺を見る目が憎悪に燃えている)
劉「水はないのか、孔亮!」
孔「各々が携帯している分しか…」
公「…!」
劉「切らしてる!」
孔「くんできます!」
楊「逃げるなよ」
公「…!」
樊(必死で堪えてる)

公孫勝(こうそんしょう)…孔亮を木に縛り付けて寸止めの練習台にした。
劉唐(りゅうとう)…水を用意しない準備不足を責められているのだな。
楊雄(ようゆう)…これは辛いぞ…
樊瑞(はんずい)…やはりもってるな、公孫勝殿。

孔亮(こうりょう)…恨みっこなしって言ったじゃないですか!

朱富(しゅふう)…パーティー用とはいえ、味に妥協はしませんよ。本気で辛くしました。

騎馬隊&致死軍

騎馬隊&致死軍…久しぶりに合同調練の日程を組めた日の事である。

3.
林冲「…」
公孫勝「…」

索超(久しぶりだな、劉唐)
劉唐(よう、索超)

林「…」
公「…」

索(久しぶりにあったもんだから、お互いなにを話せばいいか分からないのか)
劉(俺たちの目に見えないところで、既に立合いが始まっているぞ)

林「…」
公「…」

索(膠着している)
劉(突破口を見出せない)

林「…」
公「…」

索(睨み合ったまま、早二刻)
劉(双方一度も目を逸らさないのはさすがだ)

林「…」
公「…」

索(何を見させられているのだろう、俺たちは)
劉(二人だけの世界だ)

林「ウスノ…」
公「馬鹿…」

索(意を決して双方口火を切ったが)
劉(タイミングが丸かぶりだ)

林「…」
公「…」

索「一言の会話もないまま離れたものの」
劉「双方一度たりとも目を逸らしていない」

林「…」
公「…」

索「目はいいからな」
劉「二里離れても逸らしていなかったよ」

林「…」
公「…」

索「もどかしいな」
劉「そう思う俺たちも大概だぞ、索超」

林(口火を切れ、ウスノロ)
公(何か言え、馬鹿)

林冲(りんちゅう)…結局一言も話さなかったが、目線は最後の最後まで逸さなかった。
公孫勝(こうそんしょう)…林冲の方が先に目を逸らしたから勝ったと思った。

索超(さくちょう)…後ろ向き乗馬は危ないですよ、林冲殿。
劉唐(りゅうとう)…後ろ歩きでも、我らの進軍に軽々ついてくるからな。

本隊 

本隊…軍師は呉用から宣賛にチェンジ。やけに関勝への風当たりが強い気がするのは気のせい。

人物
関勝(かんしょう)…青龍偃月刀を朱仝に貸したら中々の名手だった。
呼延灼(こえんしゃく)…昔ドラムにチャレンジしたことがあるが、リズム感が致命的だった挙句、力加減を誤りお釈迦にしてしまった。
穆弘(ぼくこう)…部下が叱責されるのを察した時、死角に逃げられるようになった。
張清(ちょうせい)…礫は得意だけど、剣も槍も正直普通。礫との組み合わせを模索中。
宋万(そうまん)…梁山泊相撲東の大関。打倒焦挺が目標。槍では負けない。
杜遷(とせん)…梁山泊相撲西の大関。巨漢なので体術は性に合った。
焦挺(しょうてい)…梁山泊相撲横綱。鄆城に二人の強い力士がいる噂をキャッチした。
童威(どうい)…阮小二の船の試しを引き受けた。率直かつ的確な意見は頼りになる。
李袞(りこん)…用心棒時代、銭がなくなった時は軽業で儲けていた。
韓滔(かんとう)…毎年代州から届く結婚したカップルの年賀状が楽しみ。
彭玘(ほうき)…毎年代州から届く地酒セレクションが楽しみ。
丁得孫(ていとくそん)…梁山泊一の遠投の名手。どんなに遠くてもストライク返球。

4.
宣賛「今日は罠だらけの山中を行軍し、罠にかからず、罠を見抜く調練を行います」
穆弘「宣賛の罠は一筋縄では行かんだろうな」
呼延灼「お前は今までどれだけ罠にかかったのだ、関勝?」
関勝「数えきれん」
宣「まずは関勝殿に模範を見せてもらいましょう」
関「なに!」
呼(これは)
穆(見せしめだ)

宣「関勝殿。私のいる高みにまで登ってきてください」
関「…」
呼(関勝の気が鋭くなった)
穆(いったいどんな罠が…)
関「!」
呼「走った!」
穆「もう道を見つけたのか!」
関「」
呼「…」
穆「…」
宣「このように、思考を放棄し、正面突破を試みる者ほど容易い」
呼「考えてないだけだったか」

宣「第一関門!私の高みまで登ってこい!」
呼「関勝の穴は、道のど真ん中だ」
穆「宣賛のことだから、行ける道は一つなはず…」
関「!!」
呼「関勝が這い上がってきた!」
穆「今度は宣賛の元に行く勢いだぞ!」
関「」
宣「…」
呼「あと一歩だったが…」
穆「ここまで読んでいるとは」

宣賛(せんさん)…迂回して後ろから来たルートを選択した彭玘が正解。
関勝(かんしょう)…なぜか同じ穴に郭盛が落ちてきた。
呼延灼(こえんしゃく)…山の木々の仕掛けに気を取られ、穴に落ちた。
穆弘(ぼくこう)…項充とコンビを組んで散策したが、死角の警備を怠り、二人揃ってあえなく落ちた。

5.
張清「呼延灼」
呼延灼「どうした」
張「お前は双鞭と呼ばれるくらいだから、両利きか?」
呼「どちらの手でも箸は使えるぞ」
張「実は俺も両利きでな」
呼「お前ならそうだろうな」
張「…」
呼「…」
張「勝負するか」
呼「俺もそう言おうと思った」
張「各自、右と左で四打席」
呼「いいだろう」

関勝「キャッチャーは任せろ」
瓊英「審判は私が」
呼「瓊英殿」
瓊「殿方の勝負で恣意的になる女ではありません」
呼「…頼む」
張「まずは右と右か」

張(右の呼延灼は強振してくるから…)
呼(右の張清は速球が持ち味…)
張「!」
呼「⁉︎」
瓊「ストライク!」
呼(くそっ)
張(速球を待っていたな)

呼「右は落としたが、左なら」
張「俺の左は一味違うぞ」

呼(左の技巧派張清はきっと…)

張「!」
呼「…」
瓊「ストライク!」

張(初球を見逃した!?)

呼「…」

張(これで勝負!)
呼「!!」
張「!?」
瓊「フェア!」
呼「決め球はやはりチェンジアップか」
張「読まれていたとは…」
関「見事」

呼「2勝2敗か」
張「引き分けだが」
呼「お互いそうはしたくないな」
張「ならば得意の一打席で」
呼「俺は左だ」
張「俺は右を」
関(やはり直球に自信があるか、張清)
瓊「…」

張「!」
呼「…」
瓊「ストライク!」
張「!」
呼「…」
瓊「ボール!」
関(見事な審判だ、瓊英殿)
張「…」
呼「…」

関(ツーツー…)
張「…」
呼「…」
張「!!」
呼「…」
瓊「ボール!」
張「!?」
呼「瓊英殿のライズボールがくると思っていた」
瓊「…」
張「見逃されたか…」
呼「…」
張「タイム!」
瓊「旦那様!」
張「…すまぬ」
呼「…」
張「!」
瓊「ボール」
張「…負けた」
呼「それがお前の弱さだ張清」

呼延灼(こえんしゃく)…必殺技を見せる気が強すぎるな、張清は。
張清(ちょうせい)…とっておきを破られても、ストライクに入れなければ…
関勝(かんしょう)…ノーサインでも全く問題ないキャッチング。
瓊英(けいえい)…呼延灼はタイミングを外せば打ち取れると思った。

遊撃隊

遊撃隊…脱がずにはいられないのだろうか。彼らは。

人物
史進(ししん)…ハロウィンの衣装はわざわざ侯健に作ってもらった特注品。侯健にとって、二度と作りたくない代物。
杜興(とこう)鬼臉児(きれんじ)の名の通りの強面だから、何もしなくてもお菓子をもらえた。
陳達(ちんたつ)…少華山の頃からの付き合いだから、史進の傾向はおおむねつかんでいる。
施恩(しおん)…宋江の依頼で、替天行道を広める広告を模索中。
穆春(ぼくしゅん)…ここ一番というときに限って、穆弘からしょうもないメールが届く。
鄒淵(すうえん)…しばらく魯達たちと石悌山という拠点にいたが、いかに遊撃隊が変態の集まりだったかを噛み締めたという。

6.
史進「おい爺」
杜興「なんだ、小僧」
史「いたずらかお菓子か選べ」
杜「ふむ…」
史「…」

陳達(思いの外乗り気だぞ)
鄒淵(想定外だ)

杜「そうだな…」
史「…」
杜「もしお前のいたずらが卑猥なものだとしたら、去勢して…」
史「!」

陳(やべえことになった)
鄒(尻の穴が縮みやがった…)

杜「菓子が卑猥なものだったら、断種するぞ」
史「…」

陳(菓子は確か曹正のソーセージに)
鄒(下品な細工した代物だ)

史「いかん!風が!」
杜「…」

陳(さらば九紋竜)
鄒(そもそもなぜこんな真似を)

杜「史進」
史「…」
杜「去勢か断種か選べ」
史「同じことではないか!」

陳(究極の選択だ…)

杜「わしの堪忍袋はとうに尾が切れ、胡散霧散して久しいが、もう許さん」
史「…」
杜「史進」
史「…」
杜「去勢か断種のどちらがいい?」
史「なにを言っている」
杜「ならば両方してやろうか!」
史「!!」

陳(鬼瞼児がついにキレた)
鄒(どうなる史進!)

杜「いかん風が!」
史「糞爺、お前もか」

史進(ししん)…まさか杜興が俺と同じ意匠で責めてきたとは…
杜興(とこう)…鬼瞼児だからハロウィンはつい羽目を外してしまった。
陳達(ちんたつ)…すげえものを見た。
鄒淵(すうえん)…死んでも見たくねえもんだがな。

水軍

水軍…梁山湖が凍ったらどうしようか対策会議中。スケートやスキー場にして荒稼ぎするか?

人物
李俊(りしゅん)…南出身なもので、寒さには弱い。だけどもうちょっと我慢したほうがいいんじゃないかな。
張順(ちょうじゅん)…南出身だけど、寒さには強い。というか、水中にいないとリズムが狂う。
阮小七(げんしょうしち)…梁山湖寒冷化の原因究明を阮小二と行っている。
童猛(どうもう)…李俊の弟分になる前は、童威と放浪していたのでまあまあ大丈夫。
項充(こうじゅう)…水陸両用部隊を率いるにあたって、潜水の調練に熱心。水中から上がっても飛刀の命中率を下げないのを目標としている。
阮小二(げんしょうじ)…船の試しをしている時に、湖畔に不穏な影が見え隠れしているのにたびたび遭遇した。

7.
李俊「寒い…」
童猛「罰金百文な」
李「しまった」
阮小七「ぶっちぎりで李俊殿が罰金払ってるな」
項充「示しがつかんぞ、李俊殿」
張順「寒いな」
李「張順!」
張「違う。李俊殿を寒いと言ったのだ」
李「やかましい!寒いと言ったら寒いと言った罰金を払え!張順」
張「李俊殿、二百文」
李「!」

七「冷たい水だな、兄貴」
阮小二「確かにここまで凍えそうな水になるのは珍しい…」
趙林「よく泳げるな、張敬」
張敬「こんなのが寒いなんて信じられねえや」
李「張敬!百文!」
童(小せえ)
順「今のは意味が違うだろう、李俊殿」
敬「寒くないですよ、こんなの!」
李「やかましい!百文!」

順「じゃああんたも泳げ、李俊殿!」
李「!?」
二「小七、水温は?」
七「俺の名前くらいかな」
童「死にかねんな」
李「!!」
順「逃げるな、李俊殿!」
李「寒い!寒すぎる!死ぬ!」
項「張敬、いくらだ?」
敬「銀二粒ですね」
李「湯を用意しろ!火をたけ!阮家の鍋を!」
七「銀五粒な」

李俊(りしゅん)…よもやの出費で、朱富の店のつけが嵩んでしまった。
童猛(どうもう)…俺はまだ大丈夫だぞ。
阮小七(げんしょうしち)…しかしなぜこんなに冷たくなったのだ。
阮小二(げんしょうじ)…子供の頃はそんなことなかったのにな。
項充(こうじゅう)…飛刀を投げられねえや…
張順(ちょうじゅん)…潜水部隊の者でも中々厳しいな。
張敬(ちょうけい)…叔父貴と俺しか泳げませんな!
趙林(ちょうりん)…ギブアップした兵の回収係。

二竜山 

二竜山…曹正のソーセージはすっかり定着してしまったが、思わぬ嵐が舞い込んできたようで…

人物
楊志(ようし)…ソーセージにかまけすぎて、吹毛剣に愛想をつかされそうになっている。
秦明(しんめい)…二竜山の備蓄食料の点検をした時に、驚くほどソーセージが出てきた。
解珍(かいちん)…ソーセージと自慢のタレの相性は中々のものだったが、いかんせん塩気が強い。
郝思文(かくしぶん)…ソーセージを食べすぎると胃もたれするようになった。
石秀(せきしゅう)…曹正への罵倒もすっかりなりを潜めた結果、そのツケが自分に帰ってきている。
周通(しゅうとう)…出番はなくてもやることをやってたらいいことあるな。
曹正(そうせい)…ソーセージは安定供給できるし売り上げも堅調だが、他のとりえは無いのか?
蔣敬(しょうけい)…楊志と石秀の体たらくに正直幻滅。
李立(りりつ)…南の李俊の弟分から魚を仕入れる道を開拓中。
黄信(こうしん)…将校飲み会で隣に座りたくないやつランキングNo.1。
燕順(えんじゅん)…年下の将校の面倒見がいい。豪放磊落でも見るべきところはきちんと見ている。
鄭天寿(ていてんじゅ)…試しに銀細工をメルカリに出品してみたら、驚くほど高値で売れた。
郭盛(かくせい)…楊令とはアイコンタクトで通じ合う仲。
楊春(ようしゅん)…調練も指揮も一皮むけてから朱武の講座を振り返ったら、驚くほど本質が分かるようになっていた。
鄒潤(すうじゅん)…二竜山の猪を狩るのはもっぱら彼の仕事。頭突きでとどめを刺す。
龔旺(きょうおう)…騎乗で槍を投げる練習中。

8.
曹正「…どうしたお前ら」
楊志「折言って頼みたいことが」
石秀「どうか新しいソーセージを作ってくれ」
曹「…李立の魚肉ソーセージは?」
楊「そういうものではない」
曹「…減塩したり、添加物の使用を控えたものは?」
石「違うんだ、曹正」
曹「お前ら、俺のソーセージをなんだと思ってやがる」

楊「もっとこう、あるだろう!」
石「食卓を豊かにするような一工夫が!」
曹「ならお前らで作れよ」
楊「楊志のソーセージ…」
石「石秀のソーセージ…」
曹「作り方は教えてやるぞ」
楊「やはり俺たちは、曹正のソーセージがいい!」
石「もっとマイルドなツッコミにするから、また作ってくれよ!」

曹「呆れてものも言えん」
楊「曹正!」
石「俺たちを見捨てないでくれ!」
曹「…俺も散々調子に乗って道を誤ったが、もうお前らの口車には乗らん!」
楊「そんな!」
曹「お前らで新しい二竜山の名物を作れよ」
石「俺たちはただの優秀な司令官と副官でいいではないか」
曹「本当いけすかねえな」

曹正(そうせい)…完全にヒエラルキーが逆転したな。
楊志(ようし)…兵の調練にも身が入らないほど思いあぐねている。
石秀(せきしゅう)…致死軍の頃、楽にこなしていた調練がこなせなくなるほど思い悩んでいる。

9.
楊志「いかん。蔣敬がまとめた兵糧庫の一覧表を無くした!」
石秀「俺も!」
周通「…俺が持ってます」

周「…」

石「…模擬戦で周通に敗れるとは」
楊「一体何があった石秀」
石「なぜか体力が続かなくて…」
楊「…そういえば私も、吹毛剣の斬れ味が落ちたような…」
石「どうしたのでしょう…」

曹正「そんなことは自明だ、お前ら」
石「元ソーセージ!」
楊「どういう意味だ?」
曹「お前たちがソーセージにかまけている間、周通は毎日、堅実かつ確実に己を鍛え上げていたのだ」
楊「!」
曹「対してお前らは日頃の鍛錬も怠り、俺のソーセージにぶら下がっている始末」
石「言い方に気を付けろ」

曹「今のお前らがいくら吠えようと、なんとも思わん」
楊「…」
石「…」
曹「俺のソーセージに文句つける前に、まずお前らのだらしなさに目を向けろ」
楊「…そうだな」
石「悔しいが、かつての自分では考えられんほど弱くなってしまった」
曹「タンパク質はソーセージで補給しろ」
楊「営業するな」

周通(しゅうとう)…出番のない間、ずっと地道に鍛え上げてたけどよ。まさかこんな事になるなんて…
楊志(ようし)…吹毛剣で岩を両断しようとしたら、半分しか斬れなくて取り出すのに一苦労。
石秀(せきしゅう)…公孫勝に違う意味で致死軍を追い出されてしまう、と戦々恐々。
曹正(そうせい)…タンパク質増量ソーセージが完成した。

10.
楊志「まさか吹毛剣を刃こぼれさせてしまうとは…」
楊令「♪」
志「なんだ、楽しそうに」
白嵐「!!」
令「♪」
志「大きな犬だな」
令「父上!」
白「!!」
志「その犬は?」
令「白嵐といいます!」
白「!!」
志「…随分と、仲が良いではないか」
令「私の友です!」
白「!!」
志「…」

令「♪」
白「!!」
志「…」
令「走るぞ、白嵐!」
白「!!」
志「…待て、令」
令「父上?」
志「令、あの遊びをするぞ」
令「…なぜ?」
志「なぜでもだ」
令「私は白嵐と走りたいのですが」
白「!!」
志「白嵐!」
白「!!」
志「私の方が令と楽しく遊べるのだ!」
令「父上?」

白「!!」
志「私と令をかけて立合うというのか」
白「!!」
志「面白い。剣を取れ、白嵐」
白「!!」
志「!?」
白「!!」
令「頑張れ、白嵐!」
志「強い!」
白「!!」
令「父上をやっつけろ!」
志「待て、白嵐」
白「!!」

志「…」
済仁美「…」
令「本気で負けるなんて…」
白「!!」

楊志(ようし)…拗ねて済仁美にずっと膝枕してもらってた。
済仁美(さいじんび)…楊令より子どもすぎる旦那様も可愛い…
楊令(ようれい)…父上!母上に甘えすぎです!
白嵐(びゃくらん)…大きな白い犬。楊令の友。名前の通り、二竜山に嵐を巻き起こすか

11.
石秀「…ここまで走れなくなっているとは」

石「山中で一人鍛え直すのも大変だ」
白嵐「!!」
石「…お前は?」
白「…」
石「…撫でても良いか?」
白「!!」
石「…」
白「!!」
石「…」
白「…」
石「白くてでかいから、お前を公孫勝と呼ぼう」
白「!!」
石「一緒に走ってくれ公孫勝」

石「身体が思い出してきた」
白「!!」
石「さすが公孫勝。この距離を駆けて、息も切らさん」
白「!!」
石「撫でるぞ、公孫勝」
白「!!」
石「…」
白「…」
石「よし、もうひと頑張り!」
白「!!」
石「ありがとう!公孫勝!」
楊雄「…」
石「…楊雄ではないか!」

楊「近くに来たから久しぶりに会いに来たんだが」
石「…」
楊「お前、その犬に公孫勝って名をつけてるのか」
白「!!」
石「…」
楊「…」
石「白くて、デカいから、つい…」
楊「…」
白「…」
楊「確かにこの眼は公孫勝殿だ、石秀」
石「楊雄?」
楊「俺もお前を公孫勝と呼ぼう」
白「!!」

石秀(せきしゅう)…何かあったな、楊雄。
楊雄(ようゆう)…体型がだらしなくなってないか、石秀?

白嵐(びゃくらん)…首輪についてるGPSからの情報があまりにも精密すぎて、逆に飼い主達が心配になった。

12.
公孫勝「楊雄」
楊雄「はい」
公「石秀はどうしていた?」
楊(まさか犬に公孫勝って名前つけてたとは言えない…)
公「…」
楊「…変わらず鍛錬に励んでおりました」
公「そうか…」
楊(鍛錬というか、弛みまくった身体を引き締めてただけなんだがな)
公「…」

公「…近々二竜山の軍と致死軍と合同調練をしたいと思っている」
楊「それは良いですな」
公「石秀に繋ぎをしてもらいたいと思っているのだが…」
楊「なるほど」
公「その旨二竜山に伝えてくれないか?」
楊「かしこまりました!」

楊「…という経緯があるんだが」
石「なんだって!」
白嵐「!!」

石「こんな緩みきった身体で公孫勝殿に会えるわけない…」
楊「普通の致死軍の調練にもついていけないではないか」
石「それまでに身体を仕上げておく!」
白「!!」
楊「…じゃあ楊志殿にも」

楊「楊志殿、致死軍から伝令が」
楊志「吹毛剣が!」
雄「?」
志「…野菜も斬れなくなってしまった」

公孫勝(こうそんしょう)…石秀は二竜山でどうしているかな…
楊雄(ようゆう)…楊志殿も石秀も二竜山で何してたんだ?

石秀(せきしゅう)…とりあえずピーク時の4割程は取り戻した。
楊志(ようし)…もしかしたら吹毛剣が使い手を選んでいるのではなかろうか…

白嵐(びゃくらん)…石秀のことを妙に俺に懐いてくる人間だな、と思っている。

13.
楊志「白嵐め…」
石秀「どうされた、楊志殿?」
楊「…令の友に、白い大きな犬がいる」
石「ほう…」
楊「私の方が楽しく遊べるというのに、令め、私より白嵐と遊ぶ方を選ぶのだ」
周通(大人げねえな…)
石「…私も山を走る時に、白い大きな犬と出会いましてな」
楊「なに!」
石「私の調練の友です」

楊「その犬と会わせろ、石秀」
石「構いませんが、一つだけお願いしたいことが…」
楊「それは?」
石「実は…」

石「公孫勝!」
白嵐「!!」
楊(まさか本当にその名で呼ぶとは…)
白「!!」
楊「また会ったな、白嵐…」
白「!!」
楊「!?」
白「!!」
楊「奇襲とは卑怯な」
石(本気で負けてる)

楊「これで勝ったと思うなよ、白嵐」
白「!!」
石(負け惜しみだ)
楊「吹毛剣の斬れ味もすっかり落ちてしまった…」
石「そうなのですか?」
白「!!」
楊「全部白嵐のせいだ」
石「…聞き捨てなりませんな、楊志殿」
楊「石秀?」
石「私は公孫勝を二竜山の総隊長と認めます」
楊「!?」
白「!!」

楊志(ようし)…寝返るのか、石秀!
石秀(せきしゅう)…公孫勝の方が強いのは自明でしょう。
周通(しゅうとう)…楊志殿と石秀が冷戦状態に?

白嵐(びゃくらん)…首輪につけた盗聴器から、意図せず二竜山の離間の計に成功したのを聞いた飼い主は小首を傾げた。

双頭山 

双頭山…春風山も秋風山も季節になると心地よい風が吹く。まるで、誰かが吹かせているかのような荒々しい風や、爽やかで涼やかな風も。

人物
朱仝(しゅどう)…汁物を食うときには髭に細心の注意が必要。
雷横(らいおう)…隣でデスクワークする時に隣が朱仝だと、風向き次第で髭がすごく邪魔。
董平(とうへい)…バンドリーダーになってリズム感が磨かれたら、二本槍の腕も一緒に上がっていた。
宋清(そうせい)…雷横の無茶ぶりで、鉄扇片手に講談やったら結構うけた。
孟康(もうこう)…塩の道にも奮闘中。見た目が蔡慶に似ていたので、花と旗で見分けることにした。
李忠(りちゅう)…最近姪っ子探しの大冒険をしてきた。詳細はこちら
孫立(そんりつ)病尉遅(びょううつち)の元ネタ尉遅敬徳は、お札を門に貼ると厄除けになる。自分のお札にしたら、サゲマンが食いついてくると不評。
鮑旭(ほうきょく)…黄信が喪門剣の素振りをしてると、何か言いたそうな顔で見てくる。
単廷珪(たんていけい)… 麓の村の消防団の組織化に尽力中。そうでもしないと聖水将(せいすいしょう)の本領が発揮できない。
楽和(がくわ)…ボーカロイドソフトは案の定売れているが、姉が収益の半分以上を要求してきて困っている。

14.
雷横「この店が美味いんだ」
朱仝「ほう」
宋清「名店の雰囲気がするな」
若者「いらっしゃいませ!」
雷「!?」
若「三名様ですか?」
雷「…おう」
若「あちらの卓へどうぞ!」
雷「…」
朱「雷横?」
宋「いきなりどうした?」
雷「…少し待ってくれ。動揺している」
朱「…あの顔、どこかで」

宋「まずは酒を頼む」
若「かしこまりました!」
雷「…柏世という兵を覚えていないか、朱仝」
朱「覚えているぞ」
雷「…鄆城から逃げる時に、俺を助けてくれた部下だ」
朱「…あんな顔だったな」
雷「驚いたよ」
若「お待たせいたしました」
雷「…なあ、兄さん」
若「ご注文ですか?」
雷「…」

雷「…また来るから、兄さんのことを柏世って呼んでいいか?」
若「柏世?」
雷「兄さんに、似てたんだ」
柏世「分かりました。お客様はなんと…」
雷「挿翅虎、と呼んでくれ。あとこいつの髭を覚えておけ」
朱「美髭公だ」
宋「ちなみに私は鉄扇子」
柏「かっこいいですね」
雷「よろしくな、柏世」

雷横(らいおう)…他人の空似にしても、似すぎだぜ。
朱仝(しゅどう)…ひ弱だったが、見事な兵になった奴だな。
宋清(そうせい)…鄧礼華のことを少しだけ思い出していた。

柏世(はくせい)…雷横の心の中で生き続けている勇敢な兵

聚義庁

聚義庁…梁山泊の司令塔。会議室の椅子をフカフカにしたら、晁蓋が容赦なく寝り、宋江はうたた寝をするようになった。パイプ椅子への切り替えを検討中。

人物
晁蓋(ちょうがい)…軍人を驚かせるほど戦が上手いが、そこら辺の村の保正(村長さん)だからな。
宋江(そうこう)…宋江の同僚役人が『替天行道』がミリオンセラーになったなら、と勇んで自費出版した宋江の暴露本は、役人の消息とともにお蔵入りしたという。
盧俊義(ろしゅんぎ)…空を飛ぶ乗り物コンテストを企画検討中。
呉用(ごよう)…教え子の子供たちがちらほら梁山泊入りするようになってきたが、あえて知らんぷりをしている。
柴進(さいしん)…食い詰めた元食客が大挙して梁山泊に押し寄せたが、全員不合格だった。
阮小五(げんしょうご)…少華山で修行中、史進の奇行にすぐ慣れた。
宣賛(せんさん)…関勝とエンカウントするとおもむろに寸劇が始まる。

15.
宋江「梁山泊大運動会の棒倒しだ」
呉用「晁蓋殿チームと林冲チームですね」
宋「陶宗旺の石積みを各チームが配置した」
呉「わざわざ少華山の朱武と阮小五に伝令を走らせていたのはそういう訳でしたか」
宋「おまけに焦挺と郁保四が棒を守っている」
呉「戦よりも厳しそうだ…」
宋「始まるぞ!」

晁蓋「出撃!」
公孫勝「…」
劉唐「!」
阮小七「!」

焦挺「棒は任せてください」
杜遷「俺たちで護衛する」
宋万「古参の力を見せてやろう」

林冲「行くぞ!」
穆弘「!」
李俊「!」
朱仝「!」

郁保四「お願いします」
秦明「見事な膂力だ」
花栄「私たちに任せてくれ」

宋「致死軍が撹乱しているぞ」
呉「林冲が対応しています」
宋「穆弘の突破力を見よ!」
呉「さすが没遮攔」
宋「しかし、石積みの配置が双方不気味だ」
呉「斜面を駆け上がる者は相当な勇気が必要ですね」
宋「晁蓋が行った!」
呉「阮兄弟を背後に回しました」
宋「晁蓋に花栄の矢が!」
呉「」

宋「晁蓋戦死!」
呉(縁起でもない…)
宋「穆弘と李俊たちが!」
呉「あの石積みの配置は阮小五です」
宋「穆弘、李俊の者たち戦死!」
呉(なんか嫌だ…)
宋「双方攻め手の主力が戦死したか」
呉「それに、片や宋万と杜遷。片や秦明と花栄の防御も侮れません」
宋「指揮が晁蓋から公孫勝に移ったか」

晁「いや参った」
呉「お疲れ様でした」
宋「戦死した感想は?」
晁「弓に気をつける」
呉「石積みと護衛の強さもさることながら…」
宋「棒を守る者たちの強さも並みではない…」
晁「焦挺と郁保四の気迫がぶつかり合っている」
呉「これは棒倒せるんですか?」
宋「厳しい戦になるのは必至だな」

晁「林冲が秦明と花栄を攻撃に回したぞ」
宋「郁保四一人でも棒を守れるという判断か」
呉「信頼されてますね」
晁「致死軍が劉唐の指揮で攻撃に入ったか」
宋「石積みが崩れる音が!」
呉「阮兄弟がやられましたね」
晁「郁保四一人で致死軍の相手は…」
宋「なんと!」
呉「さすが険道神」
晁「…」

晁「焦挺の暴れぶりもすごいぞ」
呉「杜遷も宋万も巨漢ですからね」
晁「林冲たちが揃っても一筋縄では倒せないほど、三人とも強くなっている」
呉「林冲直々に鍛えあげただけのことはありますね…」
宋「郁保四が!」
呉「まだ致死軍がいたとは!」
宋「ここまでか…」
晁「間に合うか!林冲!」

呉「郁保四に致死軍が…」
宋「林冲!」

郁「!!」

晁「何をした、郁保四」
宋「深々と棒を大地に突き刺したのか…」
呉「林冲が、間に合いました!」

焦「!?」
秦「倒したぞ!」

宋「勝負あったか…」
呉「手に汗握る戦でしたね」
晁「敵なのに、思わず林冲を応援してしまった…」

郁「林冲殿…」
林「…よくやった」

焦「…」
秦「敵ながら見事だった、焦挺」
杜「花栄と朱仝殿を一人で食い止めたものな」
万「組討ちでは梁山泊一だ、お前は」

晁「戦いが終わったら、お互いを称え合うのがいいな」
江「これぞ、梁山泊だ」
陶宗旺「…」
呉「お前の石積みは恐ろしいな…」

林冲チーム

林冲(りんちゅう)…さすが俺の選んだ旗手だよ…
郁保四(いくほうし)…林冲騎馬隊旗持の矜持が梁山泊に知れ渡った。
朱仝(しゅどう)…焦挺の突っ張りは効いた…
秦明(しんめい)…宋万も杜遷も手強かったが、何とか撃退できた。
花栄(かえい)…晁蓋は射たが、焦挺に放り投げられた。
穆弘(ぼくこう)…死角で石積みの罠に気づかず、穆春共々リタイア。
李俊(りしゅん)…石積みの罠にまんまと引っかかって、童兄弟を道連れにするかのようにリタイア。

晁蓋チーム
晁蓋(ちょうがい)…花栄の弓は見切れなかった…
焦挺(しょうてい)…組討ちの強さが梁山泊に知れ渡った。
公孫勝(こうそんしょう)…郁保四の底力を見誤ったよ。
劉唐(りゅうとう)…ここ一番の楊雄と孔亮の奇襲すら一人で食い止めやがった…
杜遷(とせん)…悔し泣きに泣く逞しくなった焦挺の背中が、感慨深かった。
宋万(そうまん)…最後の秦明を止められなかったのが悔しかった。
阮小七(げんしょうしち)…朱武考案の美しい石積みトラップに阮小二共々引っかかった。

宋江(そうこう)…よく射たな、花栄も。
呉用(ごよう)…私の石積みは李俊がもろ食らったのか…
陶宗旺(とうそうおう)…積んでおいてあれですけど、ヤバイっすね。

16.
呉用「まさか扈三娘が林冲騎馬隊を志願するとは…」
鮑旭「失礼します」
馬麟「…」
呉「鮑旭と馬麟だな」
鮑「はじめまして、呉用殿」
馬「…どうも」
呉(これは…)
鮑「失礼だぞ、馬麟」
馬「…」
呉「配属先を決める面談だが、まずは他己紹介を行ってもらえるかな?」
鮑「それは?」
馬「…」

呉「鮑旭が馬麟を、馬麟が鮑旭を紹介するのだ」
鮑「分かりました」
馬「…」
呉「鮑旭」
鮑「馬麟は、鉄笛の名手です」
馬「…」
鮑「馬術が巧みで、暴れ馬を容易く御せるほどです」
呉「…」
鮑「また、馬麟のさり気ない優しさは子午山の麓の村でも人気で…」
馬「やめろ、鮑旭」
呉(これは絶対に…)

呉「馬麟」
馬「…」
呉「早くしろ」
馬「…鮑旭は」
鮑「馬麟?」
呉(照れてる)
馬「いい奴です」
呉「…」
馬「どこでも、上手くやれます」
鮑「ありがとう馬麟」
馬「うるさい」
呉「分かった。まずここで調練を受けてくれ。配属はその後だ」
鮑「承知しました」
馬「…」
呉(馬麟は林冲騎馬隊だな)

呉用(ごよう)…これで林冲と扈三娘の間はなんとかなるだろう。

鮑旭(ほうきょく)…溌剌と調練に臨んでいる。
馬麟(ばりん)…なぜいきなり林冲に引き合わされたんだ?

17.
宋江「電子書籍版『替天行道』の発刊が決まった」
魯達「正気ですか?」
宋「魯達も読まぬか?」
魯「書籍派なので」
宋「そうか」
魯「蕭譲や金大堅は?」
宋「蕭譲は帝や高俅の文字をフォントにして荒稼ぎ」
魯「…」
宋「金大堅は電子決済システムを構築して荒稼ぎだ」
魯「世界観が息をしてない」

宋「電子書籍発刊において、施恩に多大な協力をしてもらった」
魯「一番反発すると思ったのですが」
宋「期間限定無料公開の広告を打ち出し、宋国中で物議を醸した立役者も施恩だ」
魯「我々は反乱を起こしているのですから、もっと汚い手を打っても良いのでは?」
宋「志に反する事はならぬ」
魯「…」

宋「しかしな、魯達」
魯「はい」
宋「『替天行道』の売上は全て梁山泊の物資や兵站などの資金に使われてしまう」
魯「…」
宋「原案は私で、書いたのはお前だ」
魯「…」
宋「なぜ我々に一文の印税も入らぬのだろうか」
魯「確かに」
宋「個人で使える銀が欲しい…」
魯(あの棚の美女フィギュアか…)

宋江(そうこう)…使う銀は全て呉用に管理されている。
魯達(ろたつ)…隻腕だからスマホは苦手。

蕭譲(しょうじょう)…アナログからデジタルに切り替えたが、電子筆だけは使わない。
金大堅(きんだいけん)…決済システムkindaikenは、筋斗雲の可愛いロゴが目印。
施恩(しおん)…まだ宋国で消耗してるの?を合言葉に、入山を促すインフルエンサーとして活躍中。

養生所&薬方所

養生所&薬方所…二竜山に赴任した白勝がいなくなった養生所は…

人物
安道全(あんどうぜん)…あまりに仕事が進まないから、鼠を白勝にする薬を作ってくれ、薛永。
薛永(せつえい)…白勝を分裂させることはできないか試作中だ。
白勝(はくしょう)…なんだよこの養生所から届いた機材は…

18.
白勝「まさか二竜山で梁山泊のテレワークすることになるとは…」
秦明「私はこの機材について疎くてな…」
郝思文「ありがとう燕順」
燕順「これくらいは、呉用殿のマニュアル読んで、できるようになった方がいいですよ」
秦「この画面から梁山泊の養生所が映るのか?」
白「どんな事になってるやら」

安道全「文祥!」
文祥「呉用殿のカルテですか?」
安「違う!」
薛永「毛定!薬を出す相手が違う!」
毛定「林冲殿に熱冷ましはおかしいと思いました」
馬雲「(´⊙ω⊙`)」
薛「いかん!呉用殿の処方が!」
呉用「」

白「ちょっと行ってくる」
秦「お前こそ誠の漢だ、白勝」
燕(泡吹いてら、呉用殿)

白「なんという有様だ」
安「白勝!」
薛「来てくれたのか」
文「私も流花寨に行く予定が延び延びに…」
毛「俺も義足作りだけしたい…」
馬「・:*+.\(( °ω° ))/.:+」
白「一体何件の医療ミスがあったんだ?」
安「発覚してるだけで108件はくだらない」
薛「死人が出てないのが奇跡だよ」
白「…」

白勝(はくしょう)…負担を減らすためのテレワークじゃねぇのかよ。
秦明(しんめい)…白勝の事務処理能力が重宝されるわけだ…
郝思文(かくしぶん)…私も雄州で覚えがあります。
燕順(えんじゅん)…意外にもオンライン機器に強い。そりゃ昔とった杵柄よ。

安道全(あんどうぜん)…いなくなって初めて分かる大切さか…
薛永(せつえい)…呉用殿が死んだら崩壊するぞ…
文祥(ぶんしょう)…白勝がいないと治療もままならない…
毛定(もうてい)…手先は器用だけど事務はさっぱりだ。
馬雲(ばうん)…m(_ _)m

呉用(ごよう)…あれは二仙山…?

19.
白勝「仕組みを整えても事務局を運営できる人材がいないんだよ、呉用殿」
呉用「白勝を二人にする薬は作れないか、薛永?」
薛永「禁則事項です」
白「薛永!?」
呉「…済州に養生所の事務局人材の募集をかけてみるか」
白「よほどの物好きじゃないと、こなせないですぜ?」
安道全「ならば二人になってくれ白勝」

李巧奴「今日もありがとう、安先生」
安「困った…」
李「先生?」
安「すまん、なんでもない」
李「何か悩みがあるの?」
安「…」
李「話すだけでも楽になるわよ?」
安「…実は」

李「白勝さんが…」
安「さすがに薛永の薬でも二人にはできなかった…」
李「そんなにお仕事大変なのね」
安「ああ」

李「…聞いてもいい?」
安「何を?」
李「そのお仕事は、どんな人ができるの?」
安「そうだな…」
李「…」
安「私と薛永の仕事分担が的確にできて」
李「…」
安「書類の管理を間違わずできて」
李「…」
安「患者への心配りや話し相手ができると、なお良いな」
李「…頑張るわ」
安「何をだ?」

白勝(はくしょう)…二人になる薬は、体内に命が宿る兆しを感じながら死線を彷徨った。
呉用(ごよう)…私が二人いたら仕事は進むだろうが…
薛永(せつえい)…過去最難度の解毒処理に辛うじて成功。
安道全(あんどうぜん)…白勝は二人になれなくても、せめて事務処理ができる者がいれば…

李巧奴(りこうど)…文字を学ぶため、金翠蓮の個別指導を受講し始めた

牧場

牧場…馬だって仲のいい奴悪いやつ、はては色恋までいろいろあるんだぞ。

人物
皇甫端(こうほたん)…懐いてる牝馬から恋愛相談や代わりに告白を依頼されることがある。
段景住(だんけいじゅう)…牝馬の評判はあまり良くない。撫で方が助平ったらしいとのこと。

20.
林冲「百里がまた面倒くさくなった」
皇甫端「奥方とのいざこざか?」
林「違う気がする」
段景住「そういえば、百里風にやけに近づく牝馬がいるぜ?」
林「なに!」
皇「あの気立てのいい穏やかな栗毛の馬か?」
段「そいつだ」
林「俺に黙って色恋にうつつを抜かすとは許せん」
段「お前も面倒だな」

百里風「…」
栗毛「♪」
林「あいつか…」
皇「嫉妬してないか、林冲」
段「相手は馬だからな」
百「!」
栗「…」
皇「どこかの馬鹿が素直になれんみたいな態度だ」
段「しょっちゅう見てるな」
林「首を捻じ切るぞ、貴様ら」
栗「!」
百「…」
皇「諦めるな」
段「頑張れ!栗毛!」
林「…」

百「…」
栗「♪」
皇「やっと素直になったか」
段「どっかの馬鹿も、これくらい早く素直になればいいものの」
林「裏へ来い、段景住」
栗「!」
百「!?」
皇「百里が追い回されとる」
段「何かやらかしたな」
林「なにをした」
茶「!」
栗「!」
百「…」
皇「浮気をしていたとは…」
林「けしからん」

林冲(りんちゅう)…浮気なんて死んでもできんぞ…
皇甫端(こうほたん)…かつての嫁のことをほんの少し思い出した。
段景住(だんけいじゅう)…林冲に馬で引き摺り回された。

百里風(ひゃくりふう)…孤高のフリして実はかなりのプレイボーイ。馬だけど。
栗毛(くりげ)…許しません、百里風!
茶色(ちゃいろ)…どちらか白黒つけなさい!

練兵場 

練兵場…いまだに暗殺された初代頭領の地縛霊がウロウロしているらしい。

21.
王倫「やい、貴様ら!」
杜遷「なんだ、クソ首領」
宋万「くだらん事だったら許さんぞ」
王「…私の生存ルートを、一緒に考えてくれ」
朱貴「お前はもう死んでいる」
焦挺「帰りましょう皆さん」
李雲「茶番にもなりゃしねえ」
湯隆「地縛霊を切り刻む剣でも打ってみようかな」
王「待て!」

焦「梁山湖の石でも積んでた方がまだマシだ」
王「…」
杜「本当に強くなったな、焦挺」
焦「…じゃあ王倫。条件があります」
王「なんだ、焦挺殿」
焦「…殿?」
王「焦挺様!」
朱(凄いな)
宋(容赦ねえ)
焦「この容器に水を汲んできてください」
王「分かった!」
焦「…」
王「…かしこまりました」

王「容器を持つだけで一苦労だ…」
焦「…」
宋「焦挺は何を?」
杜「…後で解説するから、見てろ」
王「汲んできました!」
焦「!!」
王「…焦挺様、何を」
焦「これが、答えだ」
王「」
杜「覆水盆に返らず」
宋「…」
李「焦挺、お前…」
湯「すげえものを見た」
朱「飯、行こうか…」

焦挺(しょうてい)…今日は皆さんが没面目ですね。
杜遷(とせん)…こぼした水は二度と戻らんだろう?
宋万(そうまん)…なるほど…
朱貴(しゅき)…一人で釣りをする背中は、さながら太公望。
李雲(りうん)…あいつは役人になりたかったんじゃねえのか?
湯隆(とうりゅう)…焦挺にやり返されちゃ、世話ねえや。

王倫(おうりん)…死んでからショックだった出来事ランキング、ワースト3に入る出来事だった。

22.
秦明「ここが梁山泊…」
孔明「秦明殿!」
秦「げーっ孔明!」
孔「…秦明殿」
秦「久しぶりだな、孔明」
花栄「孔亮は?」
孔「あいつは致死軍です」
花「青州軍も勢ぞろいか…」
孔「…誰か忘れてませんか?」
花「弓矢は忘れてないが?」
秦「そいつはあえて忘れてきたから、心配ない」

黄信「…」

花「いかん!剣を間違えた」
秦「将校か、孔明?」
孔「歩兵の将校で調練も任されています」
秦「お前の面倒見の良さは重宝するだろう」
孔「秦明殿はどこへ?」
秦「二竜山だ」
花「配属先の地図はどこだ?」
秦「二竜山を次の段階へ進ませるぞ、孔明」
孔「近くの白虎山は調練にいい山ですよ」

孔亮「おや、懐かしい顔ぶれが」
秦「孔亮か」
明「致死軍の報告か?」
亮「ご明察」
花「変えの着物はどこやった?」
亮「一人足りなくないですか?」
秦「忘れなければ、出番はあるはずだ」
明「多分愚痴ってますね」

黄「なぜ俺だけ置いてけぼりなんだ…」
兵「…そういうところじゃないですか?」

秦明(しんめい)…空気がいいな、梁山泊は。
花栄(かえい)…ポッケにしまった地図の類を全部入れたまま洗濯してしまった。
孔明(こうめい)…俺ってそんなに器用かな、亮?
孔亮(こうりょう)…少なくとも俺より花栄殿の面倒を見るのは上手いな。

黄信(こうしん)…置いてけぼりにされた愚痴を、日替わりで新兵相手に吐き続けている。

済州

済州…色々な住民が色々な仕事で直接的でも間接的でも梁山泊に貢献している地域。

23.
金翠蓮「見事です。李巧奴さん」
李巧奴「…金翠蓮先生のおかげです」
金「先生なんて、年も変わらないんだから」
李「…」
金「学問の時はきちんとして、終わったらお友達のように接することにしない?」
李「いいんですか?」
金「もちろん!」
李「…」
金「今日はご飯にいきましょう!」
李「…」

李「金翠蓮さんは…」
金「翠蓮でいいわ、巧奴」
李「…翠蓮は私のような女と一緒で嫌じゃないんですか?」
金「なんで?」
李「私の仕事は…」
金「…あなたの目はとても綺麗よ」
李「翠蓮?」
金「…夫にこう言われたの」
李「…」
金「人は自分で汚れるのであって、人に汚されるのではない、と」

李「…」
金「おまけに、あなたは清いままだ、なんて面と向かって言われたら、あなたどうなる?」
李「…惚れます」
金「でしょう?」
李「…ありがとうございます」
金「私、あなたの目に見覚えがあるの」
李「それは?」
金「好きな人に何かするために努力している目よ、あなたは」
李「…分かる?」

金翠蓮(きんすいれん)…夫の話で惚気続けた。
李巧奴(りこうど)…私だって安先生のためにやれば、きっと…

子午山

子午山…秋から冬支度は欠かせない。王進を死域のまま屋外放置すると、時期的にそろそろまずいかも。

王母(おうぼ)…子午山の山の恵みは豊かですからね。
王進(おうしん)…張平とどんぐり集めをしながら死域。

24.
王母「張平」
張平「!」
母「あまり楊令を困らせぬように」

楊令「私の食べたかった王母様の饅頭はどこだ?」

張「…」
母「まだ、間に合いますよ」

楊「張平は食べてないと言っていたし、疑うのは悪い」

母「…」
張「行って参ります…」

楊「しかし、この皿の上以外のどこにあるというのだ」

張「楊令殿」
楊「何だ、張平?」
張「…」
楊「どうした」
張「…楊令殿の饅頭は」
楊「…」
張「…足が生えて、小麦畑に帰りました」
楊「なに!?」
張「子午山に出てきた裸の巨人の事はご存知ですよね」
楊「竜を身にまとっていたという」
張「その巨人が、楊令殿の饅頭に足をはやして逃したのです」

楊「どうやって、その巨人は饅頭に足をはやした?」
張「巨人の使い魔が妖術を使って」
楊「…その使い魔は、私も会ったことがある」
張「え!」
楊「小賢しい知恵が回り」
張「…」
楊「息をするかの様に人を誑かす悪い使い魔だ」
張「…」
楊「今からその使い魔を退治する」
張「!」
楊「覚悟しろ」

楊令(ようれい)…晩ご飯の張平の好物を一週間貢ぐことを条件に解放した。
張平(ちょうへい)…最近言い逃れが聞きにくくなっている。

王母(おうぼ)…成長しましたね、楊令。
王進(おうしん)…裸の巨人と使い魔から子午山を守るべく、門の前に立って死域。

禁軍

禁軍…調練ホリックを拗らせているとはいえ、やはり人間だったようで…

人物
童貫(どうかん)…調練疲れを、調練疲れをとる調練でとろうとしたが上手くいかない…
趙安(ちょうあん)…新鮮組の出番も検討中だから、もうしばらく待っててくれよな。フレッシュ!

25.
童貫「調練をするのに飽きた」
鄷美「元帥!?」
畢勝「嘘をつく調練ですよね!?」
童「飽きた…」
鄷「この兵の中に、医者が出来る者はおらんか!」
畢「メンタルヘルスに明るい者が望ましい!」
馬万里「外傷を縫うならまだしも…」
韓天麟「心の傷は縫えんぞ…」
李明「…ならばいっそ、休まれては?」

鄷「李明!」
畢「元帥に何を!」
童「鄷美、畢勝」
鄷・畢「!」
童「李明の話を聞こう…」
李「…謹んで、申し上げます」
童「良い」
李「元帥は既に調練をなさっています」
童「それは?」
李「生きる、という調練を…」
童「…続けよ」
鄷(元帥に刺さりそうなフレーズだ)
畢(成長したな、李明)

李「生きるだけで大変な世で、元帥は世界一の禁軍の調練を課せられているのです」
童「…」
李「己への厳しい調練も一日たりとも怠らず、その元帥の背を見て、我らも厳しい調練を重ねることができるのです」
童「…」
李「元帥であられる重圧など、私如き想像もできませぬが…」
童「礼を言う、李明」

童貫(どうかん)…これほどの者たちが数日休んだところで、弱くなるわけがないか…
鄷美(ほうび)…不意の長期休暇の許しに戸惑いを隠せない。
畢勝(ひつしょう)…スケジュールを埋める調練に邁進中。
馬万里(ばばんり)…大手柄だ、李明。
韓天麟(かんてんりん)…次期元帥はお前だな。
李明(りめい)…ご冗談を…

楊令伝

黒騎兵

黒騎兵…宴会で楊令がうっかり無礼講と言った結果、周囲が凍り付くほどに張平が大暴れした。なおその翌日、張平に死の調練が課せられたのは言うまでもない。

人物
楊令(ようれい)…ユーモアなのか天然ボケなのか分からないが、早い話がやっぱり鈍くさい。
郝瑾(かくきん)…苦労人気質って遺伝するんですかね。
張平(ちょうへい)…黒騎兵いたずら急先鋒。だから青騎兵率いるのか?
蘇端(そたん)…俺もいたずらは好きだが、張平の次元には到底たどり着けねえや。
蘇琪(そき)…弓の名手。張平の無礼をしばしば弓で戒めている。
耶律越里(やりつえつり)…馬もデカい。本人がデカすぎるから、普通の馬に乗ると遠近感が狂う。

26.
張平「気付かれるなよ、蘇端」
蘇端「なぜこうも、しょうもないいたずらを思いつくのだ」
張「昨日楊令殿は、俺たちにお菓子をくれなかった」
蘇「む!」
張「それはすなわち、我らのいたずらを選んだも同然」
蘇「確かに」
張「寝起きの楊令殿は隙だらけだから、我らの仮装衣装に身をつつむはずだ」

楊「…」
張「今だ、蘇端」
蘇「!?」
張「なんだ!」
蘇琪「…貴様ら、楊令殿の着物に何をしている?」
張「しまった」
端「こいつがいた…」
張「…知らんのか、蘇琪」
琪「何を?」
張「楊令殿が、黒騎兵と青騎兵で仮装して宴をするというのを」
琪「…知らん」
楊「俺も知らん」
張「!」
端「!」

楊「その衣装はなんだ、張平」
張「…かぼちゃの兜と、黒騎兵に準えた西洋の仮装です」
楊「…なぜかぼちゃなのだ?」
張「古の言い伝えで、悪魔と契約した男の頭がかぼちゃのようだから、それに準えました」
端(よくもまあペラペラと)
楊「…これをかぶればいいのか?」
張「はい!」
琪「楊令殿!?」

楊令(ようれい)…かぼちゃの兜がジャストフィットし、衣装のデザインも気にいったので、ノリノリ。
張平(ちょうへい)…蘇琪のチョイスでよく分かんない虎の格好をさせられた。
蘇端(そたん)…蘇琪のチョイスで斑猫の格好をさせられたが、郝瑾の仮装よりましだった。
蘇琪(そき)…耶律越里のフランケンシュタインがハマりすぎて爆笑。

遊撃隊

遊撃隊…史進がパンツを履くか、班光がノーパンになるかで遊撃隊に派閥が出来てしまった。

人物
班光(はんこう)…遊撃隊の隔絶に悩ませる彼が浴場で見たものは…

27.
班光「…」

兵「班光、まだお前は下を隠さねえと体を洗えねえのか」
兵「史進殿の遊撃隊の風上にも置けない野郎が副官とは」

兵「なにを言っているのですか!」
兵「あなた達がもっと大人の立ち居振る舞いをするべきです」
兵「班光殿の姿勢を模範とするべきだ!」

兵「若僧が、だらしねえ…」

?「…」

兵「!」
兵「!」

班(なんだ?)

花飛麟「…」

兵「なんと神々しい身体を…」
兵「彫刻でもここまで美しい身体を見たことねえ…」

花「…」

兵「あの尻を見ろ!」
兵「天から桃を盗んできた男の話を聞いた事があるが…」
兵「もしやその桃が梁山泊に降臨したのではないか…」

班「…」

花「…」

兵「…俺たちは間違っていた」
兵「史進殿の尻を思い出したら、吐き気がしてきたよ」
兵「液状化して土に捨てたら、金輪際作物が育たなくなりそうな桃だ…」
兵「班光殿」
班「はい」
兵「俺たちが間違っていた」
兵「心を清められたよ」
兵「羞恥心を心に刻み付けることを約束する」

班光(はんこう)…古参の兵の方々が、花飛麟殿を奉り始めた…
花飛麟(かひりん)…ただ身体を洗っていただけ。

28.
史進「おい、鄭応」
鄭応「なんですか?」
史「最近古参の兵の連中がどうもおかしい」
鄭「それは?」
史「俺が身体を洗う時、尻を蛇蝎を見る様な目で見る様になりやがったし」
鄭(そりゃな)
史「脱がなくなった」
鄭「脱いでるでしょう」
史「違う。奴らに羞恥心が芽生え始めているのだ」
鄭「…」

史「班光の取り巻き小僧兵はともかく、俺たちの時代を生きぬいた古参兵どもに羞恥心が根付くのはおかしい」
鄭(なんの話だよ…)
史「何があったのか確かめてくれ」
鄭「はあ」
史「鄭応」
鄭「!」
史「…」
鄭(…何という気を)
史「お前は、脱げよ」
鄭「…はい」
史「よし、行け」
鄭(どこに?)

鄭「身体を洗おう」
兵「鄭応殿、なぜ下腹部を丸出しにしている!」
鄭「お前は九紋竜裸族、ら組の頭領ではないか」
兵「…辞めてください。俺の恥です」
鄭「…何があった」
兵「鄭応殿も見れば分かります」
兵「時間だ!」
兵「道を開けろ!」
花飛麟「…」
鄭「!」
兵「ありがたや、ありがたや…」

史進(ししん)…班光め、一体何をしやがった…
鄭応(ていおう)…遊撃隊将校。林冲騎馬隊から移籍。ガサツで良い加減な性格が史進にぴったり。

花飛麟(かひりん)…視線が気になる…

本隊

本隊…新梁山泊は、かつての同志のあだ名からとった名所が色々ある。そこで条件を満たすと、もしかしたら…?

29.
張平「ここは?」
馬麟「鉄叫津という」
燕青「笛は持ってきたな、張平」
鮑旭「たまには私たちと合わせるのも悪くないだろう」
張「そんな、まだ音すら満足に出せないのに…」
燕「一流の音に混ざって覚えるのも大事だぞ」
馬「それにここなら…」
鮑「…彼の歌が聞こえてきそうだからな」
張「彼?」

馬「入りたいところで、自由に入ってこい」
燕「私たちは好きに演奏している」
鮑「行くぞ!」
張「…」
馬「♪〜鉄笛〜♪」
燕「♪〜竹笛〜♪」
鮑「♪〜」
張(なんて調和だ)
馬「♪〜」
張(おや?)
?「♪〜」
張(どこかから歌声が?)
?「♪〜」
張(美しい…)
馬「♪〜」
燕「♪〜」
鮑「♪〜」

張「♪〜」
?「♪〜」
?「♫〜」
張(ドラムの音も?)
馬「♪〜」
燕「♪〜」
鮑「♪〜」
張(乗ってきた!)

張「…」
馬「…聞こえたな」
鮑「隊長もいた」
燕「鉄叫津と付けただけのことはある」
馬「お前も聞こえたか、張平?」
張「…何の音、ですか?」
馬「聞こえたことを、忘れなければいい」

張平(ちょうへい)…誰もいないはずなのに、歌声とドラムのリズムが…
馬麟(ばりん)…鉄叫津か。
燕青(えんせい)…良い名を付けたものだな。
鮑旭(ほうきょく)…隊長が、俺も忘れるなと言っていました。

30.
呉用「宣賛…」
宣賛「何か?」
呉「童貫戦に敗れたときのことだが」
宣「…はあ」
呉「今の私は、もっと宋江殿に囮になってもらうべきだったと反省している」
宣「!?」
呉「だってそうだろう?」
宣「…」
呉「武松と李逵がいれば十中八九、宋江殿は死なない」
宣「…」
呉「武松と李逵だってそうだ」

宣「呉用殿…」
呉「私は方臘戦で、総大将自らが囮になる戦術の有効さを噛みしめてな」
宣「…」
呉「宋江殿は武芸自慢では無いが、武松と李逵の二人がいれば、意表を突いた囮作戦ができて、童貫も討てたのではないかと思ったのだよ」
宣「…」
呉「我ながら、軍令で宋江殿を守らせたのは痛かった」

宣「…」
呉「あれを逆手にとって、わざと宋江殿を無防備にしていたら、童貫を討てた可能性がある策を思いついたのだが、聞くか?」
宣「…参考までに」
呉「ここだけの話だぞ」

呉「どうだ?」
宣「…万に一つも獲れなかった首を、五分五分まで持っていく策です」
呉「今なら迷わずその策を取るな」

呉用(ごよう)…武松と李逵二人を死域に入らせる修羅場に放り込む策だとしたら?
宣賛(せんさん)…二人の生還は際どいですが、童貫への大打撃は間違いないです。

金国

金国…阿骨打がやっとの思いで立ち上げた国だけど、まだまだ手探りで試行錯誤中。

31.
蔡福「真婉…」
真婉「…」
蔡「また俺の着物に嫌がらせをしたな」
真「…」
蔡「今回は宮殿に着く前に、許貫忠から指摘されたから良かった」
真「…」
蔡「意図を教えてくれ」
真「♪〜」
蔡豹「…」
福「…」
豹「贅肉の塊に教える意図などない」
福「…」
豹「皮下脂肪と口を聴く女などどこにいる」

福「…」
豹「私と口を聞きたくば、女真の崖に生えている、一輪の花を摘んでくるがよい」
福「なぜ女真の長老のような口調なのだ、豹?」
豹「私は母上の護衛。贅肉を父だと思ったことなど一度も無い」
福「その憎まれ口の語彙は、どう考えても俺たち兄弟の持って生まれたそれだな、豹」
豹「贅肉め」

福「こちとらひ弱な餓鬼を息子だと思わん」
豹「笑止」
福「俺の贅肉を移植して、お前を一人前の男にしてやろうか」
豹「貴様の皮下脂肪は毒素が凝縮された結晶だろうが」
福「俺の贅肉はKgあたり銀二粒はくだらん代物だぞ?」
豹「食肉衛生管理者が目を覆う代物だろうが!」
福「やはり俺らの息子だ」

蔡福(さいふく)…真婉はアレだけど、蔡豹にはなんだかんだで腹は立たない。

真婉(しんえん)…蔡慶の妻だった。蔡福とは一度も口を聞いていない。
蔡豹(さいひょう)…蔡慶の息子。憎まれ口のレパートリーはさすが蔡兄弟の血を引くだけのことはある。

禁軍

禁軍…着々と世代交代が進みつつあるのはこちらも同じ。たとえ、フレッシュマンだろうとも…

32.
趙安「…白湯をくれ、公順」
公順「なんと!趙安殿!」
趙「…」
公「フレッシュ趙安殿が白湯を御所望とは何事ですか!」
趙「公順」
公「…」
趙「…この時期にフレッシュジュースを飲むと、腹を下すようになったのだ」
公「なんと…」
趙「身体こそ満身創痍だが、内臓は問題ないと思っていたが…」

公「そうとは知らず、申し訳ございません趙安殿」
趙「フレッシュフルーツもドライフルーツに移ろいつつあるな…」
公「趙安殿の味は、決して損なわれてはおりません」
趙「それは無論だ。しかし…」
公「…」
趙「フレッシュマンを託す時が来たかもしれないな…」
公「…」
趙「はっきり言っておく」

公「…」
趙「お前も李明も、フレッシュマンは継げない」
公「…分かっております」
趙「あれだけ嫌がっていたのにな」
公「…」
趙「無念か?」
公「…私もフレッシュな鮮度と引き換えに、色々得るものは有りましたから」
趙「李明も…」
公「フレッシュマンの戦は」
趙「梁山泊と共にあったのだな」

趙安(ちょうあん)…このフレッシュマンの衣装に、何度助けられたのかな。
公順(こうじゅん)…その日の夜は一人悔し涙に暮れた。

十月二十六日創造主生誕祭 特別編

北方謙三先生のお誕生日特別編!
この日だけは、北方ワールドの人物が、梁山泊で入り乱れてやりたい放題!

33.
晁蓋「これは一体どういうことだ?」
宋江「何でもこの世界の創造主がお生まれになられた日だという」
楊令「今日だけは、何でもありの日ということなのですね」
晁「立派になったな、楊令」
楊志「令!」
令「父上!」
済仁美「…」
令「母上!」
志「今日は三人、水入らずで過ごそうか」
令「…」

童貫「お前が晁蓋か」
晁「もしや、童貫」
袁明「…」
洪清「…」
宋「袁明!」
童「今日だけは水に流しても良い」
袁「宋江とは国のことについて語らいたい」
宋「それは、いくらでも」
武松「…」
李逵「…」
洪「…」
袁「今日だけはやめよ、洪清」
童「合同調練をせんか、晁蓋」
晁「望む所だ」

晁「おう、梁山泊が全員揃うと壮観だな」
童「見事な軍だ、晁蓋」
晁「次世代の者も揃っているぞ」

秦明「その顔の傷はどうした、容?」
秦容「気に入ってるんです、父上」
花飛麟「…」
花栄「何をした、飛麟」
郝瑾「父上の昔話を聞かせてください」
郝思文「お前も苦労してるな」
関勝「なぜだ?」

岳飛「とんでもないところに来てしまった…」
林冲「お前は?」
岳「…岳飛です」
林「できるな」
岳「…何がですか?」
林「立合うか?」
岳「…」
林「…」
岳「…はい」
林「…裏へ来い」
岳「よろしくお願いします」

徐史「家の大将ときたら…」
索超「分かるぞ」
張平「我々同じ匂いがしますね」

朱貴「久しぶりだな、藤木」
藤木「…いつの間にか、ここに」
朱富(何という腕前)
光武利之「俺はどこにいるのだ?」
大塩格之助「細かい事を気にするな」
内山彦次郎「利之さんらしゅうない」
光「…格之助」
大「美味いぞ、利之」
光「それが、聞きたかった…」
川中「飲めるな」
晁蓋「お前もな」
曹操「酒に対してはまさに歌うべし、だな」

呉用「あなたがかの有名な…」
諸葛亮「そんな、私ごとき大したことありませんよ、呉用殿」
桑弘羊「仕事ができすぎるのも考え物ですよね」

孔亮(本物の孔明だぜ、兄貴)
孔明(恐れ多すぎる…)

坂井「いい酒使い放題だ」
叶「ゴードンは?」
坂「めっきり不味くなっちまいましたよ」
叶「不味いのがいい」
樊瑞「…あんたとは、話が合いそうだ」
叶「…死神か?」
樊「魔王だ」
叶「…似たようなもんさ」
キドニー「出逢っちまったか…」
解珍「…」
高樹「…」
燕順「居眠りすんな、爺ども」

董平「始めるぞ、お前ら」
楽和「…」
菜摘「私なんかでいいの?」
沢村「昔ならしてた口じゃないか」
馬麟「…」
燕青「…」
鮑旭「珍しいセッションですね」
王母「なぜ私を仲間外れにするのです」
鮑「母上!」
母「張平、あなたも」
張「!」

秋山「…」
安見「ママに惚れ直してるの、パパ?」

安道全「そんな医療があるのか…」
ドク「…もう勘弁してくれよ」
薛永「錠剤はどうやって大量生産できるのですか?」
白勝「厄介なのに挟まれちまったか」
山根「あなたもでしょう?」
白「分かってるね、姉さん」

楊志「混ぜろ、林冲」
楊令「私も!」
林「…親子揃って返り討ちだ」
岳(ヤバイ)

楊志「引き分けか」
林冲「そうたやすく決着はつかんか…」
楊業「お前が私の子孫か?」
志「!?」
楊令「あなたは…」
耶律休哥「…似ているな、お前」
呂布「…模擬戦をせんか?」
張飛「親近感があるな、林冲」
林「…お前たちとは気が合いそうな気がする」
衛青「我々も混ぜてくれ」
霍去病「負けませんよ!」
史進「待て、着物がどっか行った」

郭盛(サインもらいに行けよ、呂方)
呂方(無理だ。格が違いすぎる…)

川中「不思議なもんだ」
キドニー「俺らは生きる時代も世界も違うのに」
晁蓋「全くそんな気がしない」
宋江「初めて会ったとは思えん」
楊令「こんなのもいいな」
岳飛「…」
楊「締めろ、岳飛」
岳「えっと…」
テムジン「北方先生!お誕生日おめでとうございます!これからもお元気で!」
岳「!」

晁蓋(ちょうがい)…こんな世界があってもいいよな、宋江。
宋江(そうこう)…夢のようだ。皆が思い思いに楽しんでいる。
呉用(ごよう)…阮小五と宣賛と朱武と一緒に、諸葛亮と軍師談義。
関勝(かんしょう)…苦労なんてかけたことあったかな?
林冲(りんちゅう)…なかなかやるじゃないか。岳飛とかいう小僧も。
秦明(しんめい)…狼牙棒の巧みだな、容。
花栄(かえい)…説明しろ、飛麟。
武松(ぶしょう)…下村と妙に話があった。
董平(とうへい)…王母様とのセッションは痺れた…
楊志(ようし)…楊業様には頭が上がらんが、済仁美と立派になった令と過ごせるなんて…
索超(さくちょう)…苦労人副官の会、副会長就任。
史進(ししん)…宴会中に脱いだら、扈三娘に真顔で張り倒された。
李逵(りき)…調理場で大活躍。料理の上手いやつらが多いと楽しいぜ。
解珍(かいちん)…わしのタレは期間限定でしか出さんぞ。
燕青(えんせい)…李師師の舞いと合わせれられるとは…
郝思文(かくしぶん)…デカくなった瑾と美味い酒が飲めて幸せだ。
燕順(えんじゅん)…山賊連中も多いな、この面子は。
呂方(りょほう)…呂布に握手してもらったが、握力に驚愕。
郭盛(かくせい)…呂方とペアで呂布に立合ってもらったが、瞬殺。それもいい思い出。
安道全(あんどうぜん)…待て、ドク。話は終わっていない。
鮑旭(ほうきょく)…隊長と王母様と一緒に演奏できるとは…
樊瑞(はんずい)…公孫勝と叶と一緒に暗殺談義に花が咲いた。
孔明(こうめい)…諸葛亮に気さくに話しかけてもらって照れっぱなし。
孔亮(こうりょう)…なんて澄んだ目をしてやがるんだ、兄貴じゃない孔明先生…
馬麟(ばりん)…聞こえているか、友よ。
楽和(がくわ)…生涯最高のライブでした。
薛永(せつえい)…苦くない薬とは画期的な…
朱貴(しゅき)…藤木と坂井の技を見ておけよ、富。
朱富(しゅふう)…私は光武殿の包丁さばきが気になります、兄上。
白勝(はくしょう)…山根の姉さんとは話が合うぜ。

王母(おうぼ)…長生きはするものですね!
王進(おうしん)…立合い大会の選手兼レフェリーを務めて死域。
済仁美(さいじんび)…楊家の皆さんが勢ぞろいするなんて驚きですわ。

袁明(えんめい)…敵だったのは宿命かな、洪清。
洪清(こうせい)…何も、言えませぬ。
童貫(どうかん)…皮肉なものだな、袁明。

楊令(ようれい)…久しぶりの母の料理に舌鼓。
郝瑾(かくきん)…魏定国と単廷珪にもいじられながら飲んでいた。
花飛麟(かひりん)…花栄と李広と李陵と弓比べすることで、何とか話をそらした。
張平(ちょうへい)…王母の琴と鉄笛を合わせる時、涙が止まらなかった。
秦容(しんよう)…秦明に兵の指揮のレクチャーを受けて刮目。

徐史(じょし)…うちの大将ときたら…と孫範と一緒に大好き感あふれる愚痴が止まらず。

岳飛(がくひ)…締めの挨拶を邪魔するお前は誰だ!

楊業(ようぎょう)…一家そろって共同調練に参加。感慨深い…
耶律休哥(やりつきゅうか)…俺に匹敵する騎馬隊がこんなにいるとは。

川中(かわなか)…酒が進むな、キドニー
キドニー…諸葛亮と呉用と兵法談義が止まらず。
藤木(ふじき)…公孫勝と通じ合う何かがあった。
坂井(さかい)…武松と燕青に体術を習って絶句。
秋山(あきやま)…盧俊義と柴進にビジネスモデルについてコンサルを受けた。
叶(かのう)…あの史文恭って爺はやばいな。
沢村(さわむら)…ピアニストでよかったよ。本当に。
ドク…どこに行っても安道全がついてくる。

菜摘(なつみ)…金翠蓮とのハーモニーが絶妙。
安見(やすみ)…顧大嫂と孫二娘にかわいがってもらった。
山根(やまね)…蒲生の叔父さんと土崎さんが船で競争してるわ。

高樹(たかぎ)…老いぼれ犬も若さを取り戻したような居心地の良さ。

光武利之(みつたけとしのり)…格之助に食ってもらえるのが、なぜこんなに嬉しいのだろう…
大塩格之助(おおしおかくのすけ)…美味いぞ、利之。本当に美味い。
内山彦次郎(うちやまひこじろう)…利助も下働きがんばってまっせ。利之さん。

桑弘羊(そうこうよう)…陛下は首領席で酔いつぶれてますな。
衛青(えいせい)…ここには小李広殿がいるのか!
霍去病(かくきょへい)…俺の騎馬隊もまだまだ改善できますな、叔父上。

曹操(そうそう)…劉備とも孫権とも飲み交わしたいものだよ。
張飛(ちょうひ)…林冲と雷横には親近感があるぜ。
諸葛亮(しょかつりょう)…呉用の性分が痛いほど分かる。
呂布(りょふ)…強面だけど、実はシャイなだけで話しかけると意外と気さく。

テムジン…現在活躍中の殿。小説すばるにて大好評連載中!


twitterにて連載中!

ご意見ご感想やリクエストは、こちらまでよろしくお願いいたします!

今月号も、お読みいただき、誠にありがとうございました!

北方謙三先生お誕生日おめでとうございます!

これからもお元気で、素敵な作品を生み出してくださいね!

参加される皆さんの好きを表現し、解き放つ、「プレゼンサークル」を主宰しています! https://note.com/hakkeyoi1600/circle ご興味のある方はお気軽にどうぞ!