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水滸噺番外「胡蝶の羽ばたき」第三部 〜一零八は嵐を呼ぶか〜

~あらすじ~
金銭豹子に双尾蝎    彼らの音色が戦に轟く
浪子の音色は湖畔に響き 死者を弔う唄を奏でる
入雲竜は崖登り     行者は和尚と相対す
神出鬼没は蚤と蜂    一零八星勢ぞろい


水滸噺番外 注意書き
北方謙三先生水滸伝何でもありな二次創作です。
柴進の庭という、好漢たちの持つ渾名の力を色々な形で発揮できる異世界からお届けします。
・番外編ですので、がっつりネタバレしています。ご了承ください。
・小噺は作者のtwitterにて毎日三本連載中です。 
・ご意見ご感想等々、こちらまでお寄せいただけると、とても嬉しいです。いつも助かっています!
・原作に興味を持たれるきっかけになったらこれ以上の喜びはありません。

水滸噺番外 胡蝶の羽ばたき】
 第一部「小旋風救出」 
 第二部「大戦梁山泊」

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

第二十一話 援軍 

湯隆「もう少し俺らで出来ることねえかな」
雲裏金剛「…」
摸着天「…」
解宝「俺もただの戦に出番はねえ」
湯「なんで来た?」
解「ノリだよ」
湯「悪くない」
解「双尾蠍!」
湯「金銭豹子!」
雲「!」
摸「!」
解「尾が二本の蠍か…」
湯「まだら模様の豹になっても…」
旱地忽律「おや、新入りか?」
湯「旱地忽律!」
旱「お前らも蠍人間に、豹人間か?」
解「お前らも?」
旱「今面白え鼠人間ってのが来ててな」
湯「それって」

白勝「金銭豹子か!」
湯「白日鼠!」
解「俺もいるぜ」
白「双尾蠍!」
旱「やはり知り合いだったか」
母大虫「あんたらは?」
湯「金銭豹子と」
解「双尾蠍だ」
白「こいつらは超一流の鍛冶屋と猟師だよ」
母「頼もしい」

湯「さすがだな、白日鼠」
解「…あんたらを狩る気は更々ないから食わないでくれよ」
母「蠍座の男なんて誰が食うかい」
湯「俺の仕事道具はここにある」
白「抜かりねえな」
解「俺は忘れた!」
白「抜かったな」

白「今、撲天鵰と摩雲金翅に偵察を頼んでる」
解「軍師か、白日鼠?」
白「本職がいる」
神機軍師「…」
白「俺たちで柴進の宝を盗みに行きてえんだ」
湯「…お前友達何人いるんだ?」
白「百八人はほしいね」
湯「大した奴だよ」
白「神機軍師、この辺に工房はないか?」
神「有」
湯「有るのか!」
解「道具もあるか?」
神「有」
解「ついてるぜ」
白「おまえらの出番だぞ、金銭豹子、双尾蠍!」
湯「俺たちを連れてってくれ、神機軍師!」

神「…」
解「おう、良い所…」
轟天雷「…」
湯「じゃなかった…」

神「…」
湯「設計図?」
轟「!!!」
湯「うるせえ!黙って見せろ!」
轟「!」
湯「…」
轟「!!」
湯「これ作れたら、堪んねえな、轟天雷」
轟「!!!」
湯「黙るなら、一緒に作ってやるぞ」
轟「!」

解「俺はこいつらと木で細工してるぜ」
雲「…」
摸「…」

趙安「フレッシュ、青蓮寺の指揮官」
殷天釈「…」
何信「おい、指揮官殿」
殷「…あんたは?」
何「禁軍のフレッシュ趙安殿を知らぬのか?」
趙「聞煥章の依頼で援軍に来た」
殷「…あんた達か」
趙「…」
殷「こいつらを、部下にしてやってくれよ」
大刀「…」
双槍将「…」
趙「見事な面子だ」
公順「趙安殿!騎馬隊が!」
趙「林冲か?」
公「それが…」

趙「なんと…」
双鞭「…」
百勝将「…」
天目将「…」
趙「私とともに、梁山泊と戦っていただけるのですか?」
鞭「諾」
趙「…よろしくお願いいたす、双鞭殿」
鞭「…」

殷「…」

公「あの指揮官は使えそうですか?」
何「…もう、死んでるよ」

李明「おまえと轡を並べられるとは」
公「童貫元帥のご命令か?」
李「実戦を積むのは大切だから、喜んで志願した」
公「お前、渾名はあるのか?」
李「渾名?」
公「ここは渾名があると力を発揮できる、不思議な庭なんだ」
李「お前はあるのか?」
公「三国志の高順にあやかり、陥陣営だ」
李「お前が高順なら、俺は張遼になりたいな」
公「小張遼か?」
李「馬超も好きだから、錦張遼だ!」
公「贅沢な渾名だ」
李「こういうのは、言ったもの勝ちだ」
公「錦張遼李明…」
李「かっこいいだろ?」
公「お前らしい…」

李「…おい、あれ」
公「?」

何「趙安殿、何を?」
趙「お前らを撫でまわして、趙安撫を進化させるのだ」
何「…フレッシュ!」

李「…」
公「すげえものを見た」

何「フレッシュ!」
趙「声がでかい!」 

第二十二話 罰 

公孫勝「高廉のいない内に入雲竜と会いたいのだが」
林冲「あのいけ好かない竜なら俺が追い払ったが?」
公「ならば、貴様の頭頂を晒して全裸にした上に縛り付け、高台で晒し者にすれば来てくれるかな?」
林「野郎」
公「お前は私の邪魔しかすることがないのか、馬鹿」
林「貴様も俺を散々邪魔したウスノロではないか」

公「お前が二仙山に行ったら師匠がどんな目に合わせるか見てみたい」
林「貴様の師匠なんぞに殺されるものか、この俺が」
公「死人をどうやって殺すのか教えてくれ、馬鹿」
秦明「いい加減の文字数だ、二人とも」

公「林冲を晒し刑に出来ないかな、孔亮」
孔亮「張藍様から頂戴した、林冲殿恥ずかしい話選り抜き十選集ならここにありますが」
林「なんだそれは!?」
秦「私もすごく聞きたいが、話が進まんから林冲の晒し計の話は後にしてくれ」
林「秦明!?」

公「入雲竜がいるのはあの山頂だろうな…」
郁保四「雲がかかって見えない…」
林「一体どんな先祖の血を引いたら、こんな土地を持てるんだ、柴進?」
柴進「元、帝の血だよ、林冲」
林「…」

公「一人で行くのもやぶさかではないが…」
林「一人が寂しいのか、ウスノロ」
公「嫁がいなくて寂しい馬鹿は引っ込んでろ」
林「貴様」
孔「十選の一、二度目の出会い…」
林「やめろ、孔亮」
扈三娘(すごく気になる…)
燕青「…私が行こうか?」
武松「俺も行く」
公「…」
李逵「…俺も行くかい、兄貴?」
武「すまんが、ここは俺だけに行かせてくれ」
李「…分かった」

花和尚「…」

武「兄者…」
公「案内を頼む」
燕「…」

花「…」

燕「鉄笛〜」
武「…」
公「聞くに耐えんぞ、燕青」
燕「私が一番分かっているよ」
公「なぜ来た、お前らは?」
燕「気まぐれさ」
武「…俺も」
公「…ならいい」
花和尚「…」

周炳(…父上、母上)
混世魔王「!」

周「死ぬ!」
醜郡馬「…大丈夫か、坊や?」
周「…良い夢をみてたのさ」
馬「うなされながら、見る夢が?」
周「うなされるほど、良い夢さ」
馬「…」
周「あの山には何が出てくるんだい、醜郡馬?」
馬「あそこは入雲竜の治める山だ」
周「道理でてっぺんが見えない訳だ」
馬「険しい山だ。俺は途中までしか行けない」
周「じゃあ途中まで連れてっておくれよ」
馬「そりゃ構わんが」
周「没羽箭も便利な武器だね」

馬「そのうち羽のない矢が人の身体を貫く武器になる気がするぜ」
周「強そうだけど、僕の性には合わないね」
馬「それは?」
周「遠くから人を殺せる武器を沢山作ってみろよ」
馬「そしたら、武術の意味がなくなるな」
周「そうだろう?」
馬「その辺の民や商人が、武術の達人を殺せる武器か」
周「それも嫌だけどさ」
馬「ああ」
周「殺した奴の血を浴びれなくなるだろう、醜郡馬?」
馬「…坊や」
周「どうしたの?」
馬「今までどんな生き方してきたんだ?」
周「…それ聞いたら、僕の晩御飯が豪華になるだけだよ、醜郡馬?」
馬「…あんたを山まで送ったら、俺は帰るぜ」
周「構わないよ、好きにしな」

趙安「おい、殷天釈」
殷「…」
趙「高廉は?」
殷「…生きてるんだか、死んでるんだか」
何信「質問に答えろ」
高廉「…生きてるぞ」
趙「お前…」
殷「…高廉殿」
高「…」

何(なんと禍々しい気を…)
趙「何をしていたのだ、高廉?」
高「人には、言えんことを」
趙「お互いが邪魔にならんように動く、という取り決めだけの方が良いかな?」
高「ありがたい。援護などされようものなら、その者からまず殺してしまうからな」
趙「では、私たちは私たちで」
高「俺たちは俺たちの戦をする」
趙「承知した」
高「…」

趙「…フレッシュの正反対を行く者達か」
何「禍々しいにもほどがありましたな」
公順「我らは大丈夫でしょうか…」
趙「味方による犠牲を最小限に抑えるのも、副官の仕事だ」
公「…酷ですな」
何「今回ばかりは私も気を配るよ、公順」
公「ありがとうございます、何信殿」

高「…」
殷「…」
高「…赦しがほしいか、殷天釈」
殷「…俺は、あなたのために死にます、高廉殿」
高「それならいらんこと言わずに死んで欲しかったが…」
殷「」
高「その言葉忘れるなよ」
殷「…決して」 

第二十三話 魔笛 

公孫勝「道が三つか」
燕青「ちょうどいいな」
公「自分探しか、燕青?」
燕「音探しさ」
公「大差ない」
花和尚「…」
公孫勝「私も一人にしてくれ、花和尚」
花「…」
武松「俺と歩むか、花和尚」
公「お前が歩んでほしいのではないか?」
武「…まあな」

公「帰りも好き勝手でいいな」
燕「それはありがたい」
武「…」
花「…」
公「死なぬように…」
燕「一番の死にたがりが言うか」
公「…死相が色濃く出ていたぞ、お前ら」
武「…」
燕「…」
公「またな」
武「…おう」
花「…」
燕「鉄笛〜」

周炳「道が三つか」
醜郡馬「俺はここまでだ」
周「ここまでありがとう、醜郡馬」
醜「あばよ」

周「どこに行こうかな」

「鉄笛〜」

周「愉快な音だ、こっちにしよう」

燕「音を取り戻すといってもな」

燕「鉄笛〜」

燕「鳴るようにしか鳴らん」

燕「泉か」

燕(人は所詮独りだ)

周「没羽箭!」

燕「…」
周「やっぱり好きになれないや」
燕「可愛い追い剥ぎだ」
周「お兄さんは、どこの人?」
燕「今は、どこでもない」
周「名前は?」
燕「名を聞くなら名乗れ」
周「…周杏」
燕「嫌な名前だ」
周「嫌なこと言うね」
燕「私は杏が嫌いなんだ」
周「…」

燕「飴屋の雲壁だ」
周「こんなかっこいい飴屋さんがいるの?」
燕「だからか知らんが、よく売れる」
周「甘いお客だ」
燕「そういうもんさ」
周「僕は味には厳しいよ」
燕「あいにく飴屋は休業中でね」
周「そんな風には見えないよ?」
燕「お前もな」

燕「どっか行け、小僧」
周「さっきの笛の音はあんたの?」
燕「どうだか」
周「笛の音を追って、この道にしたんだ」
燕「お前の行き止まりかもしれんぞ」
周「…さっきから酷いね、飴屋の兄さん」
燕「…」
周「…あの獣は?」
燕「…!」
玉麒麟「…」

周「…凄い」
燕「…」
玉「…」
燕「…あなたは、人を何だと思っているのですか?」
周「?」
玉「…」
燕「…あなたの復讐のために、あと何人の命が、必要なのですか?」
玉「…」
燕「…」
玉「…」

燕「♪〜鉄笛〜♪」

周「!」

玉「…」

燕「♪〜鉄笛〜♪」

周「…」

燕「♪〜鉄笛〜♪」

周「!」
混世魔王「…」
周(…死ぬ)
魔「…」
周(父上、母上…)
魔「…」
周「助けて!」

燕「?」

魔「」

周「…」

燕「どうした?」
周「魔王が、見えた」
燕「こんな顔の良い魔王がいるのか?」
周「…僕の魔王は、きっとあんただ」
燕「酷いこと言うな」
周「音に、魅せられちまった」
燕「なら二度とついてくんなよ」
周「兄さん」
燕「なんだ?」
周「泣いてるよ」
燕「…」
玉「…」

蔡福「燕青はどこ行きやがった!」
蔡慶「李師師としたたかしてんじゃねえか?」
福「あいつの尻拭いをしたい女は何人いると思う?」
慶「大抽選会が始まるな」
福「死域の声が…」
慶「俺も…」 

第二十四話 風 

林冲「禁軍の援軍か」
秦明「趙安の旗と…」
朱仝「あれは双鞭か」

趙安「私の念願がこんな形で叶うとは」
双鞭「…」

百勝将「…」
天目将「…」
公順(彼らの趙安殿の見る目が厳しいような)
李明(嫉妬か?)
何信(もっと根が深そうだ)

秦「馬が合いそうだな、井木犴」
井木犴「…」

柴進「…お前を必要とする場があるらしい、神火将」
神火将「…」

李俊「お前の力を貸してくれ、聖水将」
聖水将「…」
阮小七「仕事あるんですか、李俊殿?」
俊「梁山泊に帰るまでが俺たちの戦だ」

燕順「この戦では俺の子分だ、花項虎、中箭虎」
花項虎「!」
中箭虎「!」
王英「俺は?」
燕「矮脚虎はどこ行った?」
扈「…小さくて、よく分かりません」
王「!?」
燕「上出来だ、扈三娘」
白面郎君「!」
扈(…こんな事で)

大刀「…」
双槍将「…」

趙「私がもう一足早ければ、さらに優秀な将がいたというのに」
公「巡り合わせですよ、趙安殿」
趙「では行こうか」
公「…李明、準備を」
明「?」
何「…」
趙・公・何「フレッシュ!」
明(…毎回やるのか?)

撲天鵰「戦が始まったぞ、白日鼠」
摩雲金翅「すげえ奴らが集まった戦だ」
白勝「分かった。一度俺を味方のところに乗せてくれ」
鵰「お安いご用だ」
白「金銭豹子は?」
母大虫「轟天雷に怒鳴り散らされてるよ」
白「順調ってわけだ」

轟天雷「!!!」
湯隆「うるせえ!」
雲裏金剛「…」
摸着天「…」
湯「黙ってねえで、止めてくれ!」
解宝「一休みもできん」

白「俺は味方にここの話を伝えて戻ってくるぜ、母ちゃん」
母「あんたがいないと、仕事が回らなさそうだよ」
神機軍師「…」
白「そうなってる場所が既にある」

安道全「そんなのは目薬で済ませろ、穆弘」
穆弘「没遮攔を遮る砂とは…」

薛永「それは薬だけじゃ駄目ですよ、呼延灼殿」
呼延灼「打身だけでは無かったか…」

安「白勝!」
薛「帰ってきてくれ!」

白「俺を呼ぶ声が聞こえたぜ」
母「あんたの宿命さね、諦めな」
白「やれやれ」
鵰「行くぞ、白日鼠」
白「じゃあちょっくら!」

明「明来!明来!」
大刀「…」
明「関羽と競演できるとは」

朱「関羽と錦を纏う張遼か」
李逵「俺たちが行こう」
鮑旭「準備はできてます、朱仝殿」
項充(俺たちの準備ができてない)

何信「大将軍、何信」
双槍将「…」

林冲「酷い匂いが」

趙「双鞭殿!」
双鞭「!!」
百勝将「…」
天目将「…」
公「…陥陣営」

秦明「連環馬は来ていないな」
井木犴「…」
秦「頼む、井木犴」
井「!」
秦「霹靂火!」

趙「雷と星が我らを歓迎していますな、双鞭殿」
双「!!」

林「耳も鼻も大変だ」
索超「林冲殿」
双槍将「!!」
索「!」
何信「手合わせ願いたい、豹子頭」
林「一騎討ちばかりしてていいのか?」
何「らしいではないか」
林「らしくないぞ」
何「何のことだ!」

劉唐「趙安と双鞭だな」
火眼狻猊「…」
楊雄「…だから何食ってるんだよ、こいつは」
楊林「禁則事項だ」
孟康「食わせ者でも食わせてみるか?」
孔亮「誰のことだ?」
拚命三郎「…」

柴進「…」
石勇「…」
柴「…小旋風」
石「柴進殿?」
柴「…」
石「?」
柴「こう使えば良かったのか…」
石「小旋風ですか?」
柴「噂を集めてきた」

「柴進は、どうでも良いぞ」

「キザ野郎は捨て置くとさ」

「俺たちで柴進の宝を盗みに行きてえんだ」

石「これは…」
柴「攻撃に使ってたんだが…」
石「そよ風みたいなものですな」
柴「使い方か…」
石「俺のは分かりやすいですからね」
柴「間者にぴったりだよ」
石「でも、この庭でしか使えないんですよね?」
柴「そうだ」
石「…柴進殿の宝がそうさせているのですか?」
柴「…きっと」
石「丹書鉄券、ですか」
柴「私たちのために盗もうとしてくれる奴がそろそろ来る」
石「あいつですな」

撲天鵰「!」
摩雲金翅「!」
白「良かった、お前たち!」
柴「無事で良かった、白勝」
石「盗みには俺も行くぞ」
白「…何で知ってんだ?」
柴「風を、感じたのさ」
白「?」
柴「あと彼を山に連れてってくれ」
火「…」
白「神火将まで!」 

第二十五話 天間星 入雲竜 公孫勝

公孫勝「行き止まりか」

公「登れと言っているのか、入雲竜?」

公「…」

入雲竜「!」

公「雨風如きで私が怯むとでも?」

竜「!」

公「光もいらん。闇こそ私の友だ」

竜「…」

公「…この程度か、入雲竜」

竜「!!」

公「?」

?「勝…」

公「!?」

?「美味しかったかい…?」

公「」

羅真人「!」
公「…」

竜「!」

羅「さすがに酷いぞ、入雲竜…」
竜「…」

公「爺婆…」
羅「餓鬼の頃、そう呼んでたな、お前は」
公「…なぜ?」
羅「一度くらい、お前を助けたかった」
公「助けられたいなど、思ったこともありません」
羅「素直にならんな、お前は」
公「…礼を言います」
羅「…気まぐれよ、一清」
公「師匠も」

竜「…」
公「…よくもやってくれたな」
竜「…」
公「部下なら生きている事を後悔させる罰を与えてやるところだ」
竜「」
羅「観念せよ、入雲竜」
竜「!」
公「…」
羅「これでお前は、ここでなら妖術を使える」
公「…らしくない」
羅「わしもそう思う」

公「…そろそろ寿命か、師匠?」
羅「さあな」
公「…いつかあんたみたいないけ好かない餓鬼に会ったら、羅辰ってつけてやりますよ」
羅「喜ぶと思うたか、そんな事を」
公「…」
羅「…目を閉じよ、一清」
公「…」
羅「今生の別れだ、公孫勝」
公「師匠!?」

羅「…隔たる定めだ、天間星は」

公「…」
林冲「…随分早いな、ウスノロ」
公「戦は?」
林「お前がいてもいなくても、変わりなかった」
公「…ウスノロより鈍い、騎馬隊長が」
林「野郎」
孔亮「十選の二、初めての食事」
林「やめろ、孔亮」

劉唐「…やれやれ」
索超「…悪くない」 

第二十六話 操刀鬼の味 

宋清「お待たせしました」
蔣敬「秦明殿、物資です」
秦明「どれほど持つ?」
蔣「この兵の数ならあと二十日と二度の兵糧を賄えます」
秦「見事だ、神算子」
蔣「算術の頭だけ妙に冴えて」
曹正「秦明殿」
秦「どうした、曹正?」
曹「操刀鬼のソーセージという商品を見ていないか?」
秦「これのことか?」
曹「…袋までパクりやがって」
秦「…曹正のソーセージというのは?」
曹「俺の傑作だ」
秦「めっきり作らなくなったと聞くが?」
蔣「訳があるのです、秦明殿」
秦「…」
曹「操刀鬼の野郎に物申しに行ってきます」

蔣「…一人で大丈夫か?」
曹「あの時の面子は俺とお前だけだろ?」
蔣「ならば私も…」
曹「腕っ節に自信がねえならやめときな」
蔣「…」

曹「操刀鬼!」

操刀鬼「!?」
母夜叉「どうした、操刀鬼?」

母「ご本人の到着か」

曹「操刀鬼?」
鬼「あんたも操刀鬼か?」
曹「そうだ」
鬼「…勝手な真似してすまねえ」
曹「どうしてこんな真似を」
鬼「作りたくなったのさ」
曹「俺は二度と作らんと決めた」
鬼「食わせてえ奴はいねえのか?」
曹「…一人を残して、皆死んだ」
鬼「だが一人、いるんだろう?」
曹「本当に食わせたい奴はな」
鬼「そいつにもう一度食わすまで、ご無沙汰してていいのかい?」
曹「…いい訳ない。いつしか味にうるさくなった」
鬼「ならもう一度作ろうじゃねえか」
曹「…悪くない」
鬼「いつから操刀鬼って呼ばれてる?」
曹「昔からかな」
鬼「なら俺とお前で本当の操刀鬼になれる」
曹「お前はどうなる?」
鬼「お前と一体になる」
曹「もっと美人な鬼が良かった」
鬼「美人な鬼ほど怖いもんはねえぞ?」
曹「…違いない」
鬼「…」
曹「操刀鬼!」
鬼「!」
曹「…久しぶりに作ってみるか」

曹「…お前も食いたいってか?」

青面獣「…」

青「…」

曹「待て!」

青「…」
曹「…こいつは!」
幻王「…」
曹「誰だ、この童は…」
青「…」
曹「お前の、子どもなのか?」
青「…」
曹「…楊志の、養子ってわけか!」
青「!」
曹「痛え!」

曹「幼い連中が、こんなに…」
九転虎「…」
狼牙「…」
叩頭蟲「…」
曹「…」
青「…」
曹「お前は俺に、何を見せてやがるんだ?」
青「…」
曹「…忘れるわけねえだろ、お前の事を」
青「…」
曹「…俺に、倅ができたらよ」
青「…」
曹「志、ってつけるからな」
青「!」
曹「ありがとよ、青面獣」

曹「今日の飯は、曹正のソーセージだ!」
拚命三郎「!」
曹「来やがったな、拚命三郎」
拚「死!」
曹「先に死んだのはてめえだろうが!」

秦「これは?」
蔣「お約束です」
燕順「中々だ」

青「美味!」

第二十七話 怪盗鼓上蚤 

殷天釈「…」
白勝「今にも死にそうな面してやがるぜ」
殷「…」
白「ご丁寧に宝を見せてくれちゃって…」
石勇「もらったな」
白「鼠じゃなくてもパクれそうだぜ」
石「…神機軍師の手はずは?」
白「上々」
石「始めるぞ…」
白「怪盗白日鼠のお出ましだ」
鼓上蚤「!」
白「!」
石「そりゃ、親方の専売特許だ」

殷「…」
鼓上蚤「!」
殷「!」
白「いただき!」
殷「丹書鉄券を!」
白「ほれ、通臂猿!」
通臂猿「あいよ」
殷「待て!」
猿「撲天鵰!」
撲天鵰「受け取った」

殷「くそ!」

鵰「今日は風で矢が当たらんな」
摩雲金翅「すげえものを見た」

柴進「…小旋風」

鵰「!」
柴「…呆気なかったな」
鵰「!」
摩「!」
柴「ご苦労、撲天鵰、摩雲金翅」

石「」
殷「」
石「…」
殷「!」
石「…」
殷「なんなんだ、お前らは…」
石「…」
殷「なぜお前らは容易く命を捨てられる?」
石「…」
殷「恐れはないのか?」
石「…」
殷「生きたいと、思わないのか?」
石「…」
殷「生きて、楽しみたいと思わないのか?」

石「…梁山泊に来た時、諦めた」
殷「なぜだ!」
石「…考えたこともなかったが」
殷「…」
石「多分、そんな奴らの集まりだから、じゃないかな」
殷「狂ってやがる」
石「普通の奴は、入ってこないよ」
殷「!」
石「どこか狂ってたり、おかしな奴らばかりだけどさ」
殷「…」
石「それはそれで、俺らにゃ愉しいんだ」
殷「」

石「帰ろう」
蚤「」
猿「俺は山に」
白「お先に、石将軍」
鵰「すげえものをできたな、俺たち」
摩「俺の台詞!」
白「お前ら大手柄だ」

石「…」
蚤「」
石「…これでいいんですよね、親方」
蚤「」

殷「」
高廉「…」
殷「自裁します、高廉殿」
高「赦さぬ」
殷「…」
高「お前は死ぬまで俺のために生きるのだからな」

第二十八話 墓碑銘 

武松「…」
花和尚「…」
金眼彪「…」
武「…特に何があるって訳じゃねえか」
花「…」
彪「樹」
武「随分とでかい木だ」
花「…」
武「殴ったところで…」
彪「!」
武「ビクともしないな」

花「!!」
彪「!」
武「…柳の木を引っこ抜くか」
花「…」
武「?」
花「!」
武「禅杖をその場で拵えるとは…」
花「…」
武「…そういえば、兄者と本気で立ち合ったのはいつだったかな」
花「…」
武「初めて会った時か…」
花「…」
武「今の俺は一味違うぜ、兄者」

花「…」
武「…」
花「…」
武(…動くに動けん)
花「…」
武(…魯達になって、兄者は変わった)
花「…」
武(魯達に変わっても、俺の兄者は魯智深だ)
花「…」
武(兄者がいて、宋江様がいて、李逵がいて…)
花「…」
武(俺がいない)
花「…」
武(俺は、どこだ)
花「…」
武(藩金蓮を殺した獣の俺か?)
花「…」
武(獣の心しか持たぬのか、俺は?)
花「…」
武(獣でいいと、思っていた)
花「…」
武(しかし、俺は!)
彪「!!」
花「…」
武「梁山泊では、人でいたい」

湯隆「なんだよ、今の音は!」
武「よう、金銭豹子」
湯「…化物か」
武「化物みてえな力してるけどよ」
旱地忽律「けだものの躰に、人間の心か」
武「いいこと言うな、旱地忽律」

母大虫「何事だい?」
武「あんたは母大虫か?」
母「…人なのに、私らの言葉が分かるのかい、あんた」
武「…獣だからな」
旱「人間の心をもった、けだものさ」
母「…私らと戦わないでおくれよ」
武「大丈夫だよ、母大虫」
彪「…気を使って損したぜ、武松さん」

醜郡馬「やれやれ、酷え目にあった」
母「無事だったか、醜郡馬」
醜「ここの大樹がぶち折れてるのは?」
母「あのけだものせいだよ」

武「…」

醜「…あいつの方が、まだマシさ」
母「そうなのかい?」
醜「人間の心を持っている」
旱「だろう?」
醜(…今はな)

花「!」
解宝「ちょうど良かった、木が山ほど欲しいと思ってたところだ」
花「!」
雲裏金剛「震」
摸着天「震」
湯「どうした、二人とも?」
解「ぶっ壊されたことでもあるのか?」
花「否!」
雲「」
摸「」

第二十九話 蘇り 

公孫勝「…来たようだな」
林冲「厠か?」
公「孔亮」
孔亮「十選の三。父との遭遇」
林「やめろ、孔亮」
扈三娘(帰ったら張藍に一部もらおう)
秦明「高廉が来たぞ、公孫勝」
公「分かった」
林「趙安は?」
秦「それが、陣を固めて動く様子もない」

公「妖術の禁を破ると聞いて、嫌な気しかしなかったが」
秦「なんなのだ、それは?」
公「お前らも陣を固めておけ」
林「そういう訳にいくか」
公「闇の戦は、闇の軍の仕事だ」
劉唐「…」
公「闇が晴れたら、いつ突っ込んできても構わん」
劉「…公孫勝殿、そろそろ」
公「集まれる奴は集めておけ」
秦「分かった」
柴進「役者は多いほど、愉しいものな」
林「…茶番にするなよ、公孫勝」
公「…無論だ、大根」

高廉「…来たか、公孫勝」
殷天釈「…」
高「…禁を破るぞ、殷天釈」
殷「…一体それは」
王和「相変わらずヘタレだな、殷天釈」
殷「王和様!?」
黄文柄「…飛んだとばっちりだ、高廉」
高「あの世から、恐れ入ります。王和様、黄文柄殿」
殷「…あの世から?」

王「嫌いな仕事か、黄文柄?」
黄「大嫌いだ」
王「そんなお前のことだから?」
黄「完璧に仕上げるのが私だ、王和」
殷「…高廉殿」
高「死人兵」
兵「…」
殷「」
高「気を断つな、殷天釈」
王「俺の生き様、目に焼き付けろよ」
黄「死人の生き様?」
王「今が一番生き生きしてるぜ」
黄「タチが悪い」
王「お前もな、黄蜂刺」
黄「…誰を刺す?」
王「そりゃ決まってる」
高「公孫勝を」
黄「…」

公「…死人の兵か」
劉「酷いですな」
楊林「あれはいけるか、火眼狻猊?」
火眼狻猊「嫌!」
楊雄「病になるな」
孔「いつも病のお前が言うな」
拚命三郎「…」
公「命を捨てるのは、今ではない」

鮑旭「俺の出番か?」
李逵「予感がするぜ、喪門神」
項充(俺たちも行くのか?)
飛天大聖(嫌)
没面目「…」
朱仝「死人の兵に、喪門神か」
鮑「良いだろ、朱仝?」
朱「鮑旭…」
李「ウズウズしてきた…」
朱「…出て行く機はお前らに任せる」
鮑「さすが、朱仝!」
李「珍しいな、美髭公」
朱「止まらん奴を無理には止めんよ」
項(俺らは止まる、朱仝殿!)
鮑「一蓮托生だよな、八臂哪吒?」
項「!」
飛(怖)
没「死んだ」

高「行け、死人兵!飛天神兵!」
王「頼まれんでも、行ってやるよ」
高「…今や俺は人ではない」
殷「…高廉殿?」
高「鬼になり、魔神にもなる」
殷「…」
高「人でなしの姿を見せてやろう」
殷「!」
高「…使い放題かな、妖術も」

燕青「…禍々しいな」
鉄叫子「♪〜」
鉄扇子「♪〜」
燕「呑気な奴らめ」
菜園子「…」
燕「あんたの野菜も悪くない」

周炳「…また魔王が」
混世魔王「…」
周(もう声も出ない…)
魔「…」
?「没羽箭」
魔「!」

周「誰?」
燕「お前の落し物を返しにきた」
周「飴屋の兄さん…」
燕「…やはり私が貰ってく」
周「返しにきたって」
燕「気が変わった」
周「気まぐれだね」
燕「いつもの事さ」
周「…僕は、あんたの闇になる」
燕「なれるもんならな、周杏」

鉄叫子「♪〜」
鉄扇子「♪〜」
燕「♪〜鉄笛〜♪」

菜園子「…」
母夜叉「あらあんた、何してた?」

周(聞いてらんねえ、とっとと帰ろう)

第三十話 地獄の釜 

劉唐「百鬼夜行とはこの事か?」
楊雄「俺らも混ざれそうですね」
劉「死んでもごめんだ」
楊「ごもっとも」
公孫勝「妖術か…」
孔亮「どうやって使うんですか?」
公「…こうかな?」

史進「助平な風が!」
杜興「また履いてないのか…」
陳達「…俺らの出番は?」
鄒淵「もう、無いだろう…」

劉「公孫勝殿?」
公「…勝手が分からん」
孔「あの下衆野郎共に気を向けては?」
公「こうか?」

兵「!」
王和「公孫勝め」

劉「あれは王和か?」
公「地獄からわざわざご苦労な事だ…」
楊「悪趣味にもほどがありますな」
孔「さっきの調子でお願いしますよ」
公「!」

王「危ねえ」

高「火!」

公「水!」

高「雷!」

公「秦明!」
秦「霹靂火!」

高「!」

王「高廉じゃ無理か?」
黄「楽しそうに生者を殺すな」
王「死んでも平気な死人なもんで」
黄「死んだそばから、我らの味方か」
王「堪らんな」

公「あの外道を止めろ」
劉「赤髪鬼!」
楊「病関索!」
火眼狻猊「!」
楊林「錦豹子!」
拚命三郎「!」

孔「独火…」
孔明「待て、亮」
亮「兄貴!」
明「ついさっき来た」
亮「数合わせか?」
明「そう言うな」
亮「しかし、兄貴の星の方が良さそうだ」
明「毛頭星!」

公「闇に一筋の光か…」

李逵「あの野郎、また出やがった!」
鮑旭「出番だ、野郎共!」
項充(無心)
飛天大聖(無心)
没面目(無言)

公「また星が一つ…」
李「危ねえ、公孫勝!」
公「!?」

呉用「しまった!」
宋江「呉用?」

項「今の星は?」
公「本来なら私の下に落ちてくるはずだった…」
李「…」
公「智多星だ…」
鮑「大将?」
李「鮑旭殿」
鮑「…おう」
李「郁保四殿、孟康殿、阮小七殿、李立殿をここへ呼んでください」
鮑「…素面の俺みてえだな、黒旋風」
項「…酔ってるのか、鮑旭」
公「…」

武松「兄者、その頭…」
花和尚「…」
湯隆「結構毛だらけ」
解宝「猫灰だらけ」
金眼彪「失礼な!」
醜郡馬「はいはい」
花「…」
武「腕は落とさなくていい、兄者」

第三十一話 黄泉帰り 

李逵「策を申し上げます」
孟康「李逵?」
項充「訳ありだ」
郁保四「?」
阮小七「どういう面子だ?」
李立「検討付かん」

趙安「趙安撫!」
公順「フレッシュ!」

李明(次は俺か?)
何信(それどころではないはずなのだが…)

逵「いかがですか?」
孟「おもしれえ事思いついたな」
郁「任せてください」
阮「衣装合わせもしよう」
立「他に役立ちそうな面子は…」

高「…死人兵だけでも大変なのに」

公「!」

高「公孫勝の相手までしないといかんのか」

王「愉しいな、愉しいな」
兵「」
劉「外道が!」
楊「もう一度殺してやる!」
王「一度死んだら、もう殺せんよ?」
劉「赤髪鬼!」
王「消えるな、卑怯者」
楊「病関索!」
王「」
孔亮「死んだか?」
王「首だけになってもピンピンしてら」
劉「…悪夢だな」
王「おい、身体。ここだ」
和「…」
孔「どうしたもんかな?」
王「一緒に逝こうじゃねえか」

?「連れてってやりますよ」
王「なんだ?」
?「もう一度あの世にな」

高「死人兵?」

劉「険道神に…」
孟「俺だ、赤髪鬼」
劉「玉旛竿?」

郁「葬列の先頭は、この俺険道神」
孟「玉旛竿でお導きだ」

王「俺も!?」
郁「険道神には逆らえんでしょう?」
王「!」

燕青「♪〜鉄笛〜♪」
馬麟「♪〜鉄笛〜♪」
鉄叫子「♪〜」
鉄扇子「♪〜」
宋清(身体が勝手に!)

郁「死者を送る唄、どうもありがとう」

孟「死人兵御一行の到着だ」
立「正邪の見分けは催命判官」
阮「地獄行きは、活閻羅の船がご案内」
王「…ここは地獄か?」
阮「お前には、地獄すらも生ぬるい…」
王「…」
阮「地獄の罪より重い奴らを裁くのは?」

逵「黒旋風と」
鮑「喪門神」

王「!」

鉄面孔目「…」
聖手書生「…」
玉臂匠「…」

逵「罪状ありがとう、お三方」
鮑「賢くなったら読めるのか?」
逵「読めねえものは読めねえよ」
鮑「ならこいつの裁きはどうしよう?」
王「…」
逵「裁くのは俺の…」
王「」
逵「この斧だ…」
鮑「下郎は現世に関わるな」 

第三十二話 夢

公孫勝「所詮死人か」

高廉「おのれ!」

趙安「出来た、出来たぞ!」
公順「趙安殿!?」
趙「趙安撫は、進化した…」
何信「…一体何に?」
趙「超安撫…」
李明「変態だ…」
順「どちらの意味で?」
何「どちらも正しい」

公「水を差すな…」

聖水将「!」
李俊「お前じゃない」

趙「フレッシュ!」
双鞭「!!」
趙「ひた駆けましょう、双鞭殿!」

公「…困った奴らめ」

林冲「俺らで止めるぞ」
秦明「無論」

公「…遠目に見えるは」

?「!」

趙「何奴!」

小李広「…」
没遮攔「…」
小遮攔「…」

公「…まだまだいるな?」

金鎗手「…」
鎮三山「…」

病尉遅「…」
小尉遅「…」
母大虫「!」

小温侯「…」
薛仁貴「…」

打虎将「…」
小覇王「…」

趙「なんと!」
順「趙安殿!これは!」

公「…贅沢な」

朱仝「お前は!」
挿翅虎「…」

林冲「…後で百里達の手当を頼む」
紫髯伯「…」
金毛犬「きんもー!」
百里風「…」

秦明「もしかして、揃ったのか?」
柴進「役者はな」

白勝「これでしばらく働かねえぞ!」
撲天鵰「ご苦労、白日鼠」
摩雲金翅「すげえものを見てる!」

湯隆「…こっちも出来た!」
轟天雷「!!」
神火将「…」
湯「ありがとよ、神火将」
解宝「運んでくれ、力士達」
雲裏金剛「…」
摸着天「…」
花和尚「!」

公「…そろそろ呼べるな」

高「何をする気だ…」

公「托塔天王!」

托塔天王「…」

索超「…ご無沙汰です」
扈三娘「!!!」
馬麟「扈三娘?」

高「…信じられん」

趙「なんと神々しい…」
双鞭「…」
趙「双鞭殿?」
鞭「謝」
趙「…」

鞭「!」
百勝将「!」
天目将「!」
大刀「!」
双槍将「!」

順「どこへ行く、お前ら!」
趙「…行かせてやれ、公順」
何「良いのですか、趙安殿…」
趙「これが彼らと、私たちの違いさ…」
李明「この敵、今の我らでは敵いません」
趙「…束の間の淡い夢だったが」

没遮攔「!」
小李広「!」

趙「悪くはない夢だった」

何「趙安殿!」
趙「全軍撤退!」

湯「ぶちかまそうぜ、轟天雷に神火将!」
轟「!!!」
火「!!!」

解宝「岩をお見舞いしろ、和尚に力士!」
花和尚「!!」
雲裏金剛「!」
摸着天「!」
武松「俺も!」

九尾亀「どんどん崩してくれ、独角竜」
独角竜「任せろ、九尾亀」

金眼彪(武松さん、投石機より遠くに投げてる…)

殷天釈「高廉殿!もう持ちません」

高廉「負けるのか…」

托塔天王「…」

高「ここまでしたのに、負けるのか…」

朱仝「打ち取れ、挿翅虎!」
挿翅虎「!」
殷「高廉殿!」
高「殷天釈!?」

公孫勝(すごい力だ…)

林冲「とどめだ、ウスノロ!」
秦明「やれ、托塔天王!」

托塔天王「!!」

?「完璧なものを穿つのは…」

公「!?」

托「!?」

黄文柄「蟻の一穴、蜂の一刺し」

公「」

托「」

劉唐「公孫勝殿!」

黄「ざまあみろ、梁山泊」

公「」

黄「史文恭とはいかないが」

托「」

黄「完璧な仕事をした後は」

林冲「公孫勝!」
秦明「神医を!」

黄「再び黄泉に帰るとしよう」

殷天釈「」
高廉「深傷か…」
虎「!」
朱「逃がさん」
高「滅!」
朱「消えた…」

秦「霹靂火!」
王定六「早くしろ、神医!」
神医「!?」
柴進「三人分の診察料だ」
医「…」

公「」
医「!」
公「…」
秦「よかった、公孫勝」
公「…戦は?」
秦「…なんとかなった」
公「立たせてくれ」
秦「しかし…」
医「無問題」
秦「…」

朱「…逃したか」
虎「…」

公「…」
秦「…」
林「公孫勝…」
公「とどめを刺せず、すまない…」
朱「いいさ、戦い抜いた」

虎「…」
朱「よう、挿翅虎」
虎「…」
朱「またお前と闘えたな」
虎「…」
朱「愉しかったぞ」
虎「!!」
朱「…達者で暮らせ」
虎「!」
朱「…」

林「…いたな、そう呼ばれた漢が」
朱「いた、じゃない」
林「…」
朱「いる、だろう?」
林「…そうだった」

最終話 丹書鉄券 

高廉「…」
殷天釈「…高廉殿」
高「…もう、戻れんな」
殷「…そうですな」
高「俺のためにお前が受けた傷は、治す」
殷「…治せん傷が多すぎます」
高「…普通に、なりたい」
殷「…普通は、嫌です」

柴進「神医」
神医「…」
柴「いらんのか?」
医「十万貫」
白勝「ケチくせえこと言うな、神医!」
医「…」
白「友達がいがなさすぎるぞ!」
医「…百貫」

曹正「今、俺の方を見なかったか?」
拚命三郎「豚!」
曹「野郎!」

柴「百貫と言わず、百八貫」
燕青「粋だね、柴進殿」
柴「百八貫に銀を一粒乗せてやろう」
蔣敬「太っ腹だね」
曹「腹を見るな」
三「肥!」

医「…」
白「満更でもねえってか?」
医「…」
燕青「ありがとう、神医」
公孫勝「…礼を言う」
医「嫌!」

武松「李逵!」
李逵「兄貴!」

醜郡馬「重い兄さんだ」
金眼彪「帰りは僕だけ載せておくれよ」

湯隆「金銭豹子!」
解宝「双尾蠍!」

武松「神医か」
医「…」
武「ありがとな」

医「照」
白「素直になりやがれ」

李「兄貴、これを」
武「…これは」
李「綺麗な、姐さんだったぜ」
武「…?」
李「兄貴?」
武「玉に瑕が…」
李「なんだって!?」
武「…」
李「すまねえ、兄貴…」

武「…お前らしい」
李「兄貴?」
武「いや、お前らしいと言うより」
李「…」
武「俺らしい…」
李「いいのか、兄貴?」
武「…こうでもないとつけらんねえよ」
公「完璧、とはいかないか」
燕「私たちみんな、そうですね」
李「なら梁山泊のみんなは兄弟なのか?」
武「悪くない」
燕「…そうだな」
公「…」
林冲「願い下げだ、公孫勝」
公「…」
孔亮「十選の四、素直になれず」
林「いい加減にしろ、孔亮」
秦明「では、林冲の晒し計だが…」
林「秦明!?」

柴「丹書鉄券…」
白勝「どうすんだよ、それ?」
柴「叔父上が最期に言われた」
林「…」
柴「命あるものはそのままに」
秦「…」
柴「今あるものは力を託す…」
白「ということは?」
柴「…最後に一度だけ、試させてくれ」

「丹書鉄券」

柴「大旋風!」

「 丹 」 「書」 「鉄」 「券」

「」 「」 「」 「」

史進「強烈に助平な風が!」
杜興「わしまで!」
陳達「俺もか!」
鄒淵「酷え!」

柴「…これで、おしまいだ」
白「人に戻った」
鼠「!」
白「お前が白日鼠か」

秦「霹靂火!」
林「煩いだけか」
朱「そうでもないかもしれんぞ?」

呉用「判定は?」
宋江「晒せ」
史「!?」
杜「!?」
陳「!?」
鄒「!?」

柴「最初で最後の大旋風…」
楊林「ここまで色々あったがよ」
鮑旭「これにておしまいですか、李逵殿?」
李逵「そういう事だ!野郎ども!」

完 

人物紹介

梁山泊
托塔天王(たくとうてんのう)…一零八人揃うと召喚できる梁山泊皆の守り神。
宋江(そうこう)及時雨(きゅうじう)だって雷を落とす日もある。
玉麒麟(ぎょくきりん)…神々しい神獣だが、残酷さも併せ持つ。
呉用(ごよう)智多星(ちたせい)とうとう降ってきた。詰めが甘いのはいつもの事。
公孫勝(こうそんしょう)入雲竜(にゅううんりゅう)は山の頂上へ消えていった。妖術使いも悪くない。
林冲(りんちゅう)豹子頭(ひょうしとう)の恥ずかしい話選り抜き集は、選ばれし者しかもらえない。
秦明(しんめい)霹靂火(へきれきか)の決断力と判断力は頼もしい。女性相手にはてんでダメ。
小李広(しょうりこう)…弓の名手も最後の戦の力になった。フレッシュマンズが気に障る。
柴進(さいしん)小旋風(しょうせんぷう)の能力の方が大旋風より性に合ってた。
撲天鵰(ぼくてんちょう)…機転の利く賢い大鷲。
朱仝(しゅどう)美髯公(びぜんこう)は、思わぬ邂逅に涙ぐむ。
花和尚(かおしょう)…いつも持ってる禅杖は樫。柳だとちょっと軽かった。
武松(ぶしょう)行者(ぎょうじゃ)修行をこなし、何とか人に戻れた。
青面獣(せいめんじゅう)…庭の隠れた所で次世代を育てている。
金鎗手(きんそうしゅ)…鎗の名手。少ない出番を鎧の音で補おうとした。
索超(さくちょう)急先鋒(きゅうせんぽう)は騎馬隊に便利。戴宗に使ったら目視できなくなった。
戴宗(たいそう)神行太保(しんこうたいほう)の脚力は、行間の伝令でフル活用。
劉唐(りゅうとう)赤髪鬼(せきはつき)は幻術使う入雲竜に憧れた。
李逵(りき)黒旋風(こくせんぷう)の預かり物は大暴れして傷だらけ。
史進(ししん)九紋竜(くもんりゅう)は終始留守番。挙句の果てのすっ裸。
没遮攔(ぼっしゃらん)…遮る者のない男は、フレッシュマンに一直線。
插翅虎(そうしこ)…空を飛ぶ虎。美髯公とは相性抜群。
李俊(りしゅん)混江竜(こんこうりゅう)の最後の仕事は、同志を船で梁山泊に連れ帰る。
阮小二(げんしょうじ)立地太歳(りっちたいさい)になって大暴れ。船大工よりも向いてるんじゃない?
張横(ちょうおう)船火児(せんかじ)を解いた途端にひどい船酔い。
短命二郎(たんめいじろう)…命知らずはまた今日もどこかで博打場を荒らしている。
張順(ちょうじゅん)浪裏白跳(ろうりはくちょう)は泳いで梁山泊に帰った。距離は?
阮小七(げんしょうしち)活閻羅(かつえんら)は閻魔大王の衣装でウキウキ。はしゃぎすぎて秦明に叱られた。
楊雄(ようゆう)病関索(びょうかんさく)になるとコンディションが落ちる。途中で拚命三郎におんぶしてもらった。
拚命三郎(へんめいさんろう)…久しぶりの面々との戦に命を惜しまない。
両頭蛇(りょうとうだ)…頭が二つの蛇は、日替わりでイニシアチブをとる頭が決まる。
解宝(かいほう)双尾蝎(そうびかつ)の尾は猛毒が仕込まれているが、特に使う予定はなかった。
燕青(えんせい)浪子(ろうし)の音の行きつく先は、死者を送る鎮魂歌。
神機軍師(しんきぐんし)…彼の策は万に一つの失敗もない。no more しまった!
鎮三山(ちんさんざん)…庭の山を3か所制覇している。出番の少なさにご立腹。
病尉遅(びょううつち)…コンディション不良の尉遅景徳。それでも鞭で一騎当千。
醜郡馬(しゅうぐんば)…賢くて人の言葉もしゃべれるように。便利だな。
井木犴(せいぼくかん)…霹靂火と一緒に星を降らせた。やかましいことこの上ない。
聖水将(せいすいしょう)…水攻め上手の将軍は、梁山泊へ帰る水路を整えた。
神火将(しんかしょう)…火攻めの上手い将軍は、大砲屋にとっ捕まった。
聖手書生(せいしゅしょせい)…催命判官にむりやり冥土に引きずり込まれた。もちろん無事に帰ってきたけど。
鉄面孔目(てつめんこうもく)…冥土の裁きは初めてで、少しウキウキしていた。
摩雲金翅(まうんきんし)…すげえものが見れて大満足。最近卵が産まれた。
火眼狻猊(かがんしゅんげい)…赤眼の獅子でも死者は食わんよ。
燕順(えんじゅん)錦毛虎(きんもうこ)は、虎の親分。母大虫とも意気投合。
楊林(ようりん)錦豹子(きんひょうし)の輝きは日々の任務では活かせない。
轟天雷(ごうてんらい)…やたらうるさい大砲屋。
蒋敬(しょうけい)神算子(しんさんし)をもってしても計算外のこともある。
小温侯(しょうおんこう)…小さい呂布が大きくなれば高順も張遼も部下にできるはず。
賽仁貴(さいじんき)…薛仁貴もどきも本物になれば、もっと出番があったはず。
神医(しんい)…超一流の医術の名手は意外にスケベ。
紫髯伯(しぜんはく)…超一流の獣医は、庭の獣が頼りにしている。
王英(おうえい)矮脚虎(わいきゃっこ)は何をするにも足が短くて不便。
扈三娘(こさんじょう)一丈青(いちじょうせい)の絹糸を庭の外でも使いたい。
鮑旭(ほうきょく)喪門神(そうもんしん)になった記憶が丸々抜け落ちている。
孔明(こうめい)…ギリギリ間に合い毛頭星(もうとうせい)を輝かせた。
孔亮(こうりょう)独火星(どっかせい)の十選集は豹子頭に粉みじんにされた。
項充(こうじゅう)八臂那吒(はっぴなた)のメンタルケアをしてあげて。
飛天大聖(ひてんたいせい)…八臂那吒とのお別れの時に涙を流した。
玉臂匠(ぎょくひしょう)…冥土の石で作った判子はなかなかの出来栄え。
馬麟(ばりん)…独りで吹いていた鉄笛仙(てってきせん)は、今や仲間に恵まれている。
出洞蛟(しゅつどうこう)…梁山泊までついて行き、いつの間にやらいなくなった。
童猛(どうもう)翻江蜃(はんこうしん)の日常は、混江竜のお守り。
孟康(もうこう)玉旛竿(ぎょくはんかん)を掲げた険道神には誰しもが付き従うだろう。
通臂猿(つうひえん)…長い腕と敏捷性が、ここまで泥棒に向いているとは思わなかった。
陳達(ちんたつ)跳澗虎(ちょうかんこ)の跳躍力も九紋竜のとばっちりに飛べずじまい。
白花蛇(はっかだ)…大人しい蛇。神機軍師と仲良し。
白面郎君(はくめんろうくん)…兄弟分との別れ際でもお約束を忘れなかった。
九尾亀(きゅうびき)…良い石がある所に九尾亀あり。
宋清(そうせい)鉄扇子(てつせんし)と一緒に何故か舞っていた。
鉄叫子(てつきょうし)…死者に送る歌は美しいながらも不気味な響き。
花項虎(かこうこ)…錦毛虎の舎弟になった。矮脚虎より多分強い。
中箭虎(ちゅうせんこ)…矢傷の由来は小李広のうっかりらしい。
小遮攔(しょうしゃらん)…いつも没遮攔にくっついている。まぁまぁの突破力。
曹正(そうせい)操刀鬼(そうとうき)の包丁使いは超一流。拚命三郎とのお約束の掛け合いは二流。
雲裏金剛(うんりこんごう)…巨漢。花和尚が恐すぎる。
摸着天(もちゃくてん)…巨漢。花和尚に頭が上がらない。
病大虫(びょうだいちゅう)…病気の虎。虎なのに薬効の強い草ばかり食べる草食系肉食獣。
金眼彪(きんがんひょう)…プライドは高いが、いかんせんちょろい猫ちゃん。
打虎将(だこしょう)…庭に生息する虎を相手に日々修行中。まぁ勝てないんだけどさ。
小覇王(しょうはおう)…小さい覇王はまだまだポテンシャルを秘めている、はず。
湯隆(とうりゅう)金銭豹子(きんせんひょうし)の大砲は見事な出来栄え。
杜興(とこう)鬼臉児(きれんじ)で史進を睨みつけながら仲良く晒された。
鄒淵(すうえん)出林竜(しゅつりんりゅう)は、及時雨の雷で大ダメージ。
独角竜(どっかくりゅう)…彼の自慢の瘤は厳しい修行で拵えた賜物。
早地忽律(かんちこつりつ)…人や物を見る目のある陸地のワニ。
笑面虎(しょうめんこ)…よく笑うが、操刀鬼のコントには厳しい。
蔡福(さいふく)鉄臂膊(てつひはく)自慢の腕力は過重労働に役立たない。
蔡慶(さいけい)一枝花(いっしか)選別のお花は過重労働の気休めにはなる。
李立(りりつ)催命判官(さいめいはんがん)の選別基準は梁山泊の者は天国へそうでなければ皆地獄行き。
青眼虎(せいがんこ)…青目の虎。木槌の音と設計図の矛盾に敏感。
没面目(ぼつめんもく)…無口で不愛想でも、李逵達との別れ際には涙ぐんでた。
石勇(せきゆう)石将軍(せきしょうぐん)の能力が便利すぎ、日常業務に支障をきたした。
小尉遅(しょううつち)…小さい尉遅景徳は、山の母ちゃんに懐かれた。
母大虫(ぼだいちゅう)…白日鼠のアドバイスに従ったら、小尉遅と進展した。
菜園子(さいえんし)…一人で黙々と野菜を育てていたが、決して母夜叉のためではないぞ。
母夜叉(ぼやしゃ)…菜園子の野菜はお肉に合うね。何の肉かは内緒だけどさ。
王定六(おうていろく)活閃婆(かつせんば)の瞬間移動はどこまで行けたのだろうか
郁保四(いくほうし)険道神(けんどうしん)は葬列を先導するデカい神様。
白勝(はくしょう)白日鼠(はくじつそ)の友達援軍は、後で秦明に褒めたたえられた。
鼓上蚤(こじょうそう)…目視できないもんだから、危うく踏みつぶされることもしばしば。
金毛犬(きんもうけん)…皇甫端の飼い犬。鳴き声がなんかキモカワイイ。

青蓮寺・禁軍
高廉(こうれん)…人でなしになってしまった。一片の情はあってももう戻れない。
・殷天錫(いんてんしゃく)
…大けがから回復しても、もう元のようには戦えない。

王和(おうわ)…あの世から来た初代闇の軍指揮官は、地獄よりも酷いところに落ちてった。
黄文炳(こうぶんぺい)黄蜂刺(こうほうし)と呼ばれた、仕事の徹底ぶりは、獲物を何としても刺す蜂のよう。

趙安(ちょうあん)趙安撫(ちょうあんぶ)に撫でられると変な気分に。超安撫になったら、さらに妙な気分に。
公順(こうじゅん)陥陣営(かんじんえい)の渾名の通り、彼の軍は必ず陣を陥とす。
何信(かしん)大将軍(だいしょうぐん)の渾名は彼の体臭の強さが起因。深く考えなくともよい。
李明(りめい)錦張遼(きんちょうりょう)は彼の趣味。後で童貫に笑われた。

・大刀(だいとう)…美髯公の去る姿に青龍偃月刀を掲げた。
・双鞭(そうべん)…趙安との共闘は愉しかったが、宿命は交われなかった。
・双槍将(そうそうしょう)
…彼の突破は一撃で陣を粉砕するとか。
没羽箭(ぼつうせん)…石が切れたら補給してね。
百勝将(ひゃくしょうしょう)…双鞭の相棒だが、趙安とはしっくりこない。
天目将(てんもくしょう)…双鞭の右腕は、かに座の将。
混世魔王(こんせいまおう)…妖術に共鳴してやってくる魔王。あの子供だけは妙にムカつく。

大蛇足

周炳「おや、こんなところに卵が」

周「…面白いこと思いついた」

周「運が悪かったと思うんだぞ」

周「!」
卵「」
周「…」
卵「…」

周「こんな事する鳥の名は…」

♪〜

周「郭公か」

摩雲金翅「?」
撲天鵰「…どうした摩雲金翅?」
摩「…なんでもねえ」

周「郭公周炳」

♪〜

周「僕だけの、渾名にしよう」

・周炳(しゅうへい)…魔王から解き放たれウキウキ。彼の所業は何かを引き起こすのだろうか。

三部作にわたる長編をお読みいただきありがとうございました!

・作者のtwitterにてただいま毎日三本目標に、連載中です! 
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水滸噺番外 胡蝶の羽ばたき】
 第一部「小旋風救出」
 第二部「大戦梁山泊」

これからも、どうぞよろしくお願いします!

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参加される皆さんの好きを表現し、解き放つ、「プレゼンサークル」を主宰しています! https://note.com/hakkeyoi1600/circle ご興味のある方はお気軽にどうぞ!