自作サイコロを1,500個売った話
ボードゲームサークルのハコノソトと申します。
2016年より個人でボードゲーム関連グッズの制作を行っておりまして、2年半活動してきて成果が出てきたので備忘録的にまとめます。
いろんな商品を作っているのですがその中でも一番売れている「ダレカラダイス」についてまとめます。
累計1,500個以上販売しメディアにも取り上げて頂いている商品です。
●作ったもの
ダレカラダイスはボードゲームをするときに「ダレカラ」ゲームをはじめるかを楽しく決めるグッズです。
サイコロ2個セットになっていて、2個同時にふり目の組み合わせで「スタートプレイヤーを決めるためのお題」上の写真の場合は「今日一番早起きだった人」からゲームスタートというのを決めてくれます。
ゲームをやる前に場の空気を温めるネタ作りにお役立ていただけるゲーム盛り上げグッズです。
●なぜ作ろうと思ったか
まず自分がボードゲームにはまっていろいろと買っていく中で「ゲームマーケット」という同人ゲームの即売会(コミケのボードゲーム版)の存在を知り、自分でも何か作ってみたいと思うようになりました。
ただそのうえで障壁となりうると考えたのが以下3点
①漫画などと違いやってもらわないと面白さがわからないので、ゲームを考えたとして何百とあるブースの中で自分のところに足をとめてくれて5分~10分試してもらい面白いと思ってもらわなければならない
②自分自身にデザインやtoCむけのマーケティングなどゲームを売るのに活かせそうな経験がないため、素人考えで頑張ったとしても他のサークルとの差別化が困難
③最初は小ロットでの生産になるため原価が高くなってしまうので、市場価格よりも高い値段で売ることになり売れる気がしない
上記3点をクリアする方法として、ゲームより説明が単純で競合の少なく、デザインを凝らなくてもアイデアで差別化できる、そして低価格で作れる(と当時は思っていた)ゲームグッズを作ることにしました。
●どうやって思いついたのか
どういったものを作るか考えるうえで一番重要視したのは「ちゃんと売り切れるか」ということです。ボードゲーマーが求めるものを作らねば意味がなく、損もしたくないというのが最優先でした。
そのうえでゼロからオリジナルの商品を作るのではなく、日本より市場の大きい海外で売っているものをアレンジして日本でも売れるようにするのが企画の時間も短く売れる確率も高いのではと考えました。
そんな中で見つけたのが「START PLAYER」です。ゲームをする人全員が使う可能性がありアレンジもしやすく、何より私自身が欲しいと思いました。
そして最初のゲームマーケットではお題を自分で考えて「スタートプレイヤーの決め方カード」としてカードデッキを販売しました。
初版はゲームマーケットで半日で完売しスタートプレイヤー決めグッズの需要確認に成功。一方お客様の声としてスタートプレイヤーを決めるグッズでゲームと同じ値段と同じサイズというのはちょっとという意見をいただき改良の余地ありということも確認。すぐにサイコロにすればよいというアイデアは思いついたものの、お題が6面分しか作れずスペースの都合上文字数にも制限があるため製作には至りませんでした。
ただなんとか形にしたいと思い知り合った方にアイデアを話し相談するようにしていたところ、A社運営の某ボードゲームショップRの店長さんにサイコロを2つ組み合わせてはどうかというアイディアをいただきました。
2つにすることでお題も増え、文字数の制約も幅が広がり私のイメージするものが実現できる、自分も欲しいと思うものができると確信が持てました。
●どうやって作ったのか
次に障害になったのがどうやってサイコロを作るかです。まず売価の考え方として、スタートプレイヤーを決めるカードを1,000円で販売していたという点と、一般的な6面ダイスが100円~200円であることから考えると売価はサイコロ2個で500円くらいが妥当ではないかと考えていました。
そして6面すべてオリジナルの文字が印字されたサイコロの値段を確認したところ大体1個200円~400円くらいで作れることがわかりました。アントワーヌ・ボウザ氏のいう理想的な値付けは原価の3倍とのことでサイコロ2個で1,000円以上で販売せねばならぬことになりました。
再び途方に暮れていたところ職場にいる広東省出身のYくんの実家がおもちゃ工場であったことを思い出し相談してみました。そして見事Yくんの伝手によりサイコロ工場の開拓に成功し売価500円でも問題ない原価を実現することができました。
●実際の売れ行き
はじめて出展したゲームマーケット2017秋では2日間で500個以上販売でき、これまでで累計1,500個以上売れています。シリーズも最初の白黒から赤青のダレカラダイス2、黄緑のダレカラダイス3と3種類販売しておりご好評いただいております。
今後もいろいろな商品を開発していく予定でございます。
Twitter:@hakonosoto_game
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