クラウドファンディングを利用した建築に関わるプロジェクトの傾向に関する調査





前回のnote


仮説:クラウドファンディングを利用して建築を作ることで、新たな公共性の形を創造することは可能か


今回のnoteの目的


クラウドファンディング(以下、C.F.)を利用した建築に関するプロジェクトの傾向を探る
特に今回はプロジェクトに必要な資金の内、実際どの程度C.F.で賄えているのかをまず知りたい。

そこで、まだまだ途中ですが調査した内容を共有します。

調査方法:C.F.サイト「motiongallery」でキーワードに「#建築」を含む各プロジェクトのページの記述内容を下記の項目でまとめて比較する。

比較項目:分野/ 場所/建設方法/prj必要資金/C.F.目標金額/達成額/資金調達方式/成功or失敗/C.F.以外の資金調達方法/リワード額/リワード内容/投資者人数 資金調達期間/prjスケジュール/企画者の特徴/協力者

ちなみに既往研究に関して、ciniiのHPで「クラウドファンディング」と検索すると419件ヒットした(2019年5月現在)
驚くべきことに、研究対象とされているテーマの半数ほどがまちづくりに関わる下記のキーワードを主題に含むことがわかった。

地方創生/不動産/まちづくり/地域支援/地域活性化/地方自治体/エリアマネジメント/地域再生
→上記のキーワードに関わる業界においてC.F.に対する期待度は非常に高いという印象だった。
(当然、C.F.自体は建築やまちづくりとは関係のないプロダクトや医療などの分野でも数多く企画が出されている)

しかし、実際のC.F.サイトを見ると、広く社会に貢献する企画だけでなく、クリエイターのための交流の場の提供や、注目を浴びていないジャンルのアート展示に関するプロジェクトなどもあり、それらが資金調達に成功している例がいくつかあることがわかる。

以下はC.F.サイト「motiongallery」でキーワードに「#建築」を含む各プロジェクトの一覧。(新しい順)


調査内容



以上、60件。下記は以上の情報をまとめ始めたフォーマットの一部です。(かなり見辛く情報は少ないですが、)

事例調査結果


傾向
○ニッチな企画(アート系など)は支援者がつく目処が付いている=事前リサーチ済み
○プロジェクトに必要な資金の全額をC.F.で賄おうとするものは少ない(2割〜5割程度)
○C.F.以外にも地域の助成金を利用している場合がある
○リノベーションがほとんど
○最低限必要な電気工事や防水工事の資金を優先的に募り、内装などは企画者によるDIYとする手法が多い

考察
○すでに建物や場がある程度完成し運営されているものの一部を増設・拡張するプロジェクトは、資金の全額をC.F.で調達できる可能性が高いのかもしれない。
○電気や防水などのインフラ工事資金は高額になるため、C.F.での資金調達は難しそう

今後の課題
○調査の情報を増やし分析の精度を上げる
○C.F.以外でどのように資金を調達するかを具体的に調査することで、C.F.の位置付けを行う

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