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システム手帳づくりの失敗談

こんにちは、HAKUです。

バタバタしていていnoteの投稿が止まってしまっていましたが、ちょいと落ち着いたので記事を書き始めました。

今回は先日YouTubeにUPした「システム手帳」についての制作後記。もっと言ってしまうと個人的にこのアイテムは「失敗だったなぁ」と思っているのでそのあたりのことを書いてみたいと思います。

致命的な失敗

いつか作ってみたいと思っていたシステム手帳。ついに重い腰をあげて制作しました。よろしければメイキング動画も併せて御覧ください。

制作自体はとても楽しみながらできたのですが、途中からこのアイテムには致命的な失敗があることに気がついてしまいました。作業中の細かい失敗は多々あるのですが、もっとそれ以前の問題です。

何だと思います?

それは何かというと「コンセプトがブレブレである」ということ。きっと手帳に詳しい方はもうお気づきなのでは!?

次からはその失敗について、恥を偲んで具体的にご紹介してみたいと思います。

一体、どういう使い方を想定しているんだ?

今回制作した手帳は「ナロー(狭い)サイズ」対応。手帳で一般的なバイブルサイズの横幅を狭くしたサイズです。

これは「バイブルサイズは嵩張るし、かといってその下のミニ(ポケット)サイズはリフィルが小さくて書きにくいよね…」っといった悩みを持つユーザーに選ばれるサイズ。

こちらのKNOXさんのサイトでは各サイズの特徴がわかりやすくまとめられています。

サイズ別の特徴を踏まえると、ナローサイズであればガワとなる手帳自体も持ち運びのしやすさ、機動性や携帯性を重視したデザインにしてあげるのが吉。具体的にはリング径を小さいものにしたり、手帳カバー自体の厚みを抑えてあげたり、薄くコンパクトに作ってあげないとこのサイズの特徴を活かしきれないということですね。

そこで、今回私が作ったシステム手帳を改めて見てみると、残念なことに全くこのサイズの特徴を活かせていないのが分かると思います。

ポケットをたくさんつけて、コバも含めて全体に厚めの仕上げ。さらにウレタンスポンジを仕込んで全体の厚みをかさ増ししちゃっています(汗)きっと手帳マニアの方から見れば「せっかくのナローサイズなのに、なんで嵩張る作りにしちゃってるのよ!」って思われてしまうことでしょう。

これが、このシステム手帳が「失敗作」であった理由です。アイテムの特徴や、それを踏まえた仕様に一貫性がなくて「一体、どういうシーンで、どういう使い方を想定しているんだ?」っと…。形にはなりましたけど、実用品・プロダクトとしてはこれでは失格。個人的には悔いの残るアイテムとなりました。

もうひとつの後悔ポイント

実際の利用シーンを想像すると、もうひとつ失敗だったなぁと思うことがあります。それは芯材の選定

このナローサイズの特徴を考えれば、「椅子に座り、机の上に手帳を広げて書き込む」というより、「外出先や電車の中でパッと広げて書く」のに適していると思われます。もっと言えば刑事ドラマの聞き込みシーンよろしく、手に持って立った状態で書き込むなんて使い方もできるサイズ感。

そういった使い方を想定すると、表紙・裏表紙は書き込むための「土台」。硬さとハリがあったほうが使いやすそうですよね。

今回、ハリを出すためにベルポーレンという芯材を使いました。バッグの底芯や帽子のツバに使われる素材で硬さのあるものです。

ベルポーレン_1.13.1

硬さはあるのですが、写真で見る通りとってもしなやか。特に今回は0.8mm厚と薄いものを使ったこともあって思っていた以上にしなります。型崩れを防いだり、ある程度のハリを持たせるには十分かもしれませんが、「書く土台」と考えるとちょっとしなやかすぎた感があります。

もう少し厚みのあるベルポーレンでハリ感をUPさせるか、もしくはボンテックスのようにカッチリと仕上がる芯材のほうが良かったかも知れません。この点もやはり「ナローサイズ」という特徴を活かしきれていないと言えそうです。

こういう所が難しくて楽しい

レザークラフトをやっていると、こういうところが難しくもあり、また奥深くて楽しいところだなと思います。

誤解を恐れずに言うと、単にそれらしい形にするだけならばレザークラフト自体そこまで難しくはありません。革を切って、貼って、縫ってを繰り返していけば何かしらの形にはなるものですからね。

でも形にすることを目標にしていては片手落ちな気がします。形になった後のこと、実際の使われ方や使い勝手まで含めて考えてあげないと今回のようなコンセプトがブレブレの迷走作になってしまう訳ですね。

そして趣味の「レザークラフト作品」と、プロの方たちが作る「製品」との決定的な違いはこういうところにあるんじゃないかな、とも思いました。

改めて市販されているナローサイズのシステム手帳を見てみると、ベルトなど留め具がないものが多いことに気が付きます。リング径もだいたい11mmとか。場合によってはスーツの内ポケットに収まるようなサイズ感(厚み)で作られているものが多いです。

きちんとアイテムの特徴を踏まえ、利用シーンを想定して、一貫して携帯性・機動性を重視した作りになっているものが多いんですね。なるほどなぁ~。

私自身、今回の失敗はとても勉強になりました。システム手帳を作ったのは初めてだったのですが、意外とスンナリ形になったので「お、ちょっとは上達しているのかも」なんて軽く調子に乗っていましたが…まだまだだなぁ。

単に形にすれば良いってモンじゃない…そういう部分がとっても難しくて奥が深いところですね。難しいけれど、こういう所を突き詰めるのが楽しかったりもするんだなぁ~。


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