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【MtGパイオニア】4cミッドレンジ 改良版

今年6月のプレイヤーズコンベンションに持ち込んだデッキについて、いくつか解説を書いたが、今回その改良が一段落したので改めてその構築と使い方について解説をしていく。

デッキリスト

大枠は変化していないが、プレイ感は大きく向上

調整部分解説

《ゲトの裏切り者、カリタス》×2→《致命的な一押し》×2

対アグロ枠のパーツ。前回不採用枠として紹介したが、今回採用に。もともと《ゲトの裏切り者、カリタス》がプッシュ環境ではあまり強くなく、いろいろ試していたところ、《致命的な一押し》2投に落ち着いた。
ビートダウンデッキに対する負け筋が、クリーチャーと除去の交換が追いつかないというパターンが多く、4/3/4を立てているようでは手札を持て余したまま押しつぶされてしまうので、軽い除去の必要性を感じていた。また、《ゲトの裏切り者、カリタス》は対コントロールではどのみちサイドアウトする枠なので、この枠は除去に振ってしまったほうが明確に強いと判断。
《税血の収穫者》不採用なので、ラクドスミッドレンジほど紛争を能動的に達成する手段は多くはないが、ミシュラランドに対処したり後手1Tで相手のマナエルフを斬るなど、1マナ除去として十分な働きをしている。

さすがに環境を定義するカードだった

《暗殺者の戦利品》→《一巻の終わり》

《暗殺者の戦利品》は《演劇の舞台》が取れたり《力線の束縛》を割ったりなど幅広い種類のパーマネントに触れる保険として考えていたが、土地1枚を渡すテンポ差が激しく厳しい印象も感じていた。取り回しが中途半端なカードを入れるよりは明確に勝てるカードを採用したいと考え、《一巻の終わり》を採用した。《一巻の終わり》は《ドミナリアの英雄、テフェリー》のようなフィニッシャーを除くばかりか、追放除去なので《世界棘のワーム》を後腐れなく処理し独創力の勝ち筋を粉砕できる、《弧光のフェニックス》を全滅させられるなど独自のメリットが多くある。ライブラリーの中身を確認できるのも大きく、後続で対処しなければならないカードの種類と枚数を知ることができるのは嬉しい。
また、《力線の束縛》を取る役割についてはサイドボードにエンチャント破壊枠として《燃えがら蔦》を取ることでよしとした。

コスト減少もたまに役立つ

《森林の墓地》→《眠らずの小屋》

さすがにこれ以上確定タップインランドを増やすのは……と思い、当初は《目玉の暴君の住処》との入れ替えを検討していたが最終的にこちらに落ち着く。ミシュラン1枚→2枚は強く、マナフラの受けとしての信頼度が上がった。サイクルの中でも屈指の性能であり、4/4のボディは簡単な火力では落ちず、確実にライフを詰める。すれ違いのダメージレースになっても誘発型能力で食物・トークンが出るのでマナさえあればこれ1枚で7点分(攻撃で4点ダメージ+3点ゲイン)の勝負ができる。そして《目玉の暴君の住処》同様の墓地追放。主に《記憶の氾濫》や《死の飢えのタイタン、クロクサ》を飛ばしていることが多く、フェアデッキが活用する墓地のリソースを拒否していく。これで2色出る土地なのが信じられない。

強い!かわいい!

《軽蔑的な一撃》:《強迫》=3:3→4:2

ここからサイドボードの話。
《軽蔑的な一撃》《強迫》ともに入れるマッチアップはほぼ同じなので、配分の問題になっていた。前向きなビートダウンデッキなら自らのテンポをできるだけ阻害しないハンデスのほうが便利だが、後ろよりのミッドレンジなこのデッキにとっては、必然的に長めのゲームになりトップ解決の機会が多くなること(ハンデスは当然トップ勝負に弱い)・相手の大きなアクションを弾いてテンポを取ること等を考慮して《軽蔑的な一撃》を入れられるだけ入れた。
また、ハンデスは重ね引きしたとき2枚目以降の効能が下がる(得られる情報アドバンテージが少ない)。《思考囲い》と合わせて7枚はほぼ上限値だと感じており、すべてサイドインしても計6枚の《強迫》2枚採用とした。

青黒を含むデッキとしてはカウンターもハンデスもどっちも欲しい

《影の評決》×2→《絶滅の契機》《碑出告が全てを貪る》

アグロ対策枠の調整。
《影の評決》は確かに強いが、白単に《スレイベンの守護者、サリア》を立てられると5+1マナが到底払えない、ボロス召集の《イーオスの遍歴の騎士》や《敬慕されるロクソドン》を取れないなどの欠点があり、困っていた。なので、《影の評決》1枚で解決しようとするのを諦め、細かいところはピン除去でどうにかして《絶滅の契機》で誤魔化していこうという判断をした。
アグロデッキは1マナ域のパーマネントを多く取っていることもあり、本来的にはラクドスサクリファイスなどを見ている《碑出告が全てを貪る》も想像以上にアグロに対して活躍することがわかったので、I/Oのバランスを崩さず内容の調整ができた。
また、《絶滅の契機》を増量することによって緑単・イゼットフェニックスに対してより強く出られるようになったのも大きい。

地味だが強い

《コラガンの命令》×2→《燃えがら蔦》×2

《コラガンの命令》がこのデッキには弱かった。3マナ域が渋滞しており、撃つタイミングが無い。現環境で3マナの強力なカードは3Tに能動的に使っていくのが強く、逆に受ける・返すカードが3マナなのはテンポの観点からも厳しい。《鏡割りの寓話》に対して対処できるカードかと思ったが、あまり有効ではなかった。
一方、《燃えがら蔦》はイゼット異形化/独創力・エニグマファイアーズ・スタックスなどに強く、置物除去としての機能以外にも1点ダメージが馬鹿にならない。置いてしまえば1マナで起動できるので軽いマナで牽制がし易いのもうれしい。

ノンクリーチャー呪文を連打する相手に対して強い

《霊気の疾風》→《殺戮遊戯》

致命的なカードを抜くために採用。《大いなる創造者、カーン》《大牙勢団の総長、脂牙》にはじまり《不屈の独創力》《出現の根本原理》などクリティカルなカードに頼っているデッキは多い。それ以外にも《アクロス戦争》などこのデッキにとって「これ1枚さえなければ」というカードは少なくない。キラーカード1枚さえ抜いてしまえばデッキパワーで勝るこちらが勝てるという考えで採用。
また、《死呆症》や《漂流自我》と違ってハンドへの補填がないのもポイント。《嘘の神、ヴァルキー》《思考囲い》で7枚相手のハンドを覗けるカードがある以上、状況によっては相手のハンドのカードを指定してハンデスとして扱うこともできる。

土地抜けないのだけご愛嬌

戦績

季王戦 秋 日本橋店 Top8

次回予告

次回以降は各マッチアップ解説を書いていこうと思う。10月にMtGAで回した約200戦の成績をもとに、各アーキタイプへの対策、I/Oなどを解説する予定だ。

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