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ONEが歌いあげる「ピグマリオン」を聴いて欲しい

どうも、Nagumoです。

ところで皆様は、1st PLACE株式会社が提供している「ARIA ON THE PLANETES」のシリーズをご存じでしょうか。私と同じ年代で思春期にボカロを聴いていたような人間たちに馴染みが深いのはVOCALOID3用に発売された「IA」かと思います。有名な曲はたくさんありますが、とりわけ印象深いのは「六兆年と一夜物語」でしょうか。

今回、タイトルに入っている「ONE」というのもボーカロイドのIAに続いてリリースされたCeVIO Creative Studio S用のボイスです。つまり、IAの妹、という立ち位置になります。IAはピンクを基調としたデザインですが、ONEはオレンジを基調としたデザインです。

「ピグマリオン」はout of serviceというクリエイターズユニットにより作詞・作曲されONEが歌っている楽曲です。

一度聴いてみると、音声ソフトの楽曲であるにも関わらず、まるで人間が歌っているかのような滑らかさだと気付くと思います。事前知識が何もなければ、ボーカルが音声ソフトであるとわからない人も多いかと思います。静かなイントロと対照的にサビはロックテイストなので、ずっと聴いていても飽きない曲です。

ところで、ピグマリオンって何かわかりますか?
私はわからなかったので調べました。

検索して頻出するのは「ピグマリオン効果」についてでした。ピグマリオン効果とは、他者からの期待によって成果や成績が向上する心理効果のことだそうです。
ただ、この曲中で歌われているのはギリシア神話の方でしょうね。
現実の女性に失望していたピュグマリオーンは、自ら理想の女性の像を彫刻しましたが、像を見ているうちに服を着ていないことを恥ずかしいと思い始め、服を彫り入れ、自らの彫刻に恋愛感情を抱き、食事を用意したり話しかけたりするようになり、それが人間になることを願った。彼は彫像から離れないようになり次第に衰弱していき、それを見かねた女神が彫像に生命を与え、彼はそれを妻に迎えた。…という話です。
調べて初めて知ったのですが、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の原作にあたるのが戯曲『ピグマリオン』だそうです。日生劇場での公演を観ましたが、あれもう10年近く前だった。Nagumo、当時中学生。あまり覚えてない。

私の中でこの曲の
「守りたかったのは、愛じゃなくって?」

という歌詞が特に印象的です。現実において失望あるいは絶望していそうで他者からの愛が得られなかったんだろうな、だから自分の創り上げた世界の中で自分にとっての理想や愛を守りたかったんだろうな、という解釈をしています。

この曲を聴いていると、自分の見えているものも、自分が手に入れたものも、自分の存在ですら、本当は形なんてなくて曖昧なんじゃないかって思えてくる。自分がそう思い込んで信じているだけで、世界の全てが、本当にここに存在しているのかどうか、疑わしくなってくる。今、見えているものは、現実?それとも、…。

あなたの笑顔も温もりも、
信じて良いんだよね?

では、また。

Nagumo

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