Joy for Struggleの話

普段ヒプノシスマイクの楽曲についてそこまで細かく歌詞について自分で考えたりしないんですが、どついたれ本舗とBuster Bros!!!のバトル曲であるJoy for Struggleがあまりにも楽しくてツボだったので考察とまではいきませんが自分なりに考えてみることにしました。ラップについて詳しくはないので違ってるところもあると思いますが、こことここは韻踏んでるのかな〜とかこういう意味かな〜とか、自分が受け取ったことを書いておきます。

流れとしては、零vs三郎→盧笙vs二郎→簓vs一郎→サカvsブクロ→簓・盧笙vs二郎・三郎→零vs一郎。見たかったバトル全部見れた満足感がすごい。本当にありがとうございます。

曲調もフックも楽しそうな印象を受けるのであんまりバチバチしてないんじゃない?と思われる方もいらっしゃると思いますが内容はめちゃくちゃバチバチしてます。私の場合は聴いてるといろいろ込み上げてきて泣きます。では以下よりただの感想文です。

よ!3兄弟 調子はどない?
現実はタフだ もし(if)などない
叩かれて、蹴られて、猛り立つ、
それがなきゃな、甘えちゃだめになる
頭ん中生半可だなまだ
見せかけだけ実(じつ)なき徒花
その目覚まさなきゃな 過去にないもの
築きあげてこい 青二才ども

「3兄弟<a(n)oai>」「調子はどない<o(u)iaoai>」「もしなどない<oiaoai>」⇒4字+6字

「頭ん中生半可だなまだ<aaa(n)aaaaaaaaaaa>」「徒花<aaaa>」「覚まさなきゃな<aaaaaa>」⇒a踏み

「過去にないもの<aoiaioo>」「青二才ども<aoiaioo>」⇒7字

***

まず初っ端から関東人のエセ関西弁って腹立ちますよね。「お前の親でありながらも敵なんだ」という煽りがこのリリックだけで伝わってきます。

「甘えちゃだめになる」って一郎の二郎と三郎に対する教育方針を彷彿とさせるんですが。さすが親子。一郎と零は現状仲違いしているものの、一郎の考え方は零と似てるな~と思うことも多々あり、しっかりその血を受け継いでることを実感させられます。「築きあげてこい」はもう親から子への叱咤激励にしか聞こえないですね。零、絶対息子たち愛してるじゃん・・・。

それでもその言い回しや三兄弟から見た零の人物像によって憎らしいディスに聞こえるところがまたおもしろいところ。

しゃしゃりでんな チンケな詐欺師
口車にゃのらねー 死んでなさい
ホラ貝でも吹いてろ 焼け野原
きな臭いぜ 背反(はいはん) 避けろ罠
必要としてない それだけの話
剥がしてみな その化けの皮
俺たちの絆 歴史 土足厳禁
クズはシカトして 努力前進

「チンケな詐欺師<ineaai(i)>」「死んでなさい<ineaai>」⇒6字

「焼け野原<aeoaa>」「避けろ罠<aeoaa>」「だけの話<aeoaa(i)>」「化けの皮<aeoaa>」⇒5字

「土足厳禁<oouenin>」「努力前進<oouenin>」⇒7字

***

三郎は三兄弟の中で零が父親として関わってきた時間が一番短いだろうから、零の親目線な言葉(?)も良い感じに受け止めすぎず躱すことが出来るのかなと思います。

「ホラ貝を吹く」は戦の開始/終了の合図となる行為なので、「焼け野原」でお前の負けだってことだと思うんですが、零は詐欺師なので「法螺を吹く」ともかかっていているのかな?

血のつながった親に「土足厳禁」と言えるのも強い。ここでは勿論、靴を脱げの意味じゃなくて「人の心に土足で上がり込むな」の意味ですよね。あくまで他人というスタンスを崩さないところ、さすが三郎。

苛立ってますねブドウ糖不足です
まず補給ちゃんと朝飯食う
口の利き方から何から勉強
しなおしてきなさいアカデミズム
二郎は二郎で足らん知能
慎みなさい くだらん私語
足し算引き算からはじめるか
小学生の方がまだましですか

「ブドウ」「糖」「不足」「です」「まず」「補給」「食う」「勉強」「アカデミズム」⇒u踏み

「二郎<io>」「足らん知能<aanio>」「(く)だらん私語<aanio>」⇒2字+5字

「足らん<an>」「くだらん<an>」「足し算<an>」「引き算<an>」⇒2字

「からはじめるか<aaaieua>」「まだましですか<aaaieua>」⇒7字

***

先生目線によるディス待ってた~~~~!!!!!聞いた瞬間「これこれ!!」ってなりました。バスブロは3人中2人が学生ですし痛い相手(職業)ですね。前半は対三郎、後半は対二郎かな?三郎の「口の利き方」を注意されたらもう「たしかに」としか言えないですよね。生意気な中学生なので(笑)「アカデミズムを学びなおせ」も三郎が言われたら嫌だろうな・・・

それに反して対二郎は「私語」「足し算引き算」等々、本当に対小学生レベルのディス(というかもはや注意)で対三郎とかなり扱いが違うところが面白い。学生ひとりひとりの目線に合わせられる教師ならではの適材適所なディスって感じ。

うっさい先コウ なんか堅ぇーな
てか名前 なんだったけーな?
緊張気味かい? なんだっていーが
テメェなど 鼻毛以下
それで俺に授業? 笑止千万
やりなおしてこい 幼稚園から
これはチワワ対シベリアトラ
俺たちならば一撃だコラ

「なんか堅ぇーな<anaaea>」「なんだったけーな<anaaea>」⇒6字

「なんだっていーが<a(n)aeia>」「鼻毛以下<aaeia>」⇒5字

「笑止千万<ouiena(n)>」「幼稚園から<ouiena(a)>」⇒6字

「これはチワワ対シベリアトラ<oeaiaaaiieiaoa>」「俺たちならば一撃だコラ<oeaiaaaiieiaoa>」⇒14字!

***

教師から小学生扱いされてさらに頭悪そうに返す二郎が大好きです。「名前なんだっけ」は覚える価値もないということなのか、単純に漢字が読めないのか(恐らく前者ですが初聴き時の私は漢字が読めないんだと思ってました・・・)。「小学生」とディスられて「幼稚園」とさらにそれより下を出して張り合うあたりが単純でかわいい・・・

盧笙のあがり症って結構ディスられやすそうなのに「緊張気味かい?なんだっていーが」で終わらせて次いくところがちょっと好青年っぽくて二郎の良いところ出てますね。好きです。(最推しの為判定甘め)

チワワ対シベリアトラ、盧笙も二郎も正直チワワっぽいのに自分では完全にトラだと思ってそう。

満持して登場 俺が主役
お前ら右から ボケナスカス
あつくるしーだけでおもろないわ
多分才能ももっともとないやん
一郎、血の繋がりだけが
絆やないこの場で確かめな
テンポも 間も ノリもたんない
やりなおし五万回 そのトリオ漫才

「俺が主役<oeauau>」「ボケナスカス<oeauau>」⇒6字

「おもろないわ<oooaia>」「(もっ)ともとないや(ん)<oooaia>」⇒6字

「一郎<io>」「血の<io>」⇒2字

「(繋)がりだけが<aiaea>」「確かめな<aiaea>」⇒5字

「ノリもたんない<oioanai>「(やりな)おし五万回<oioanai>」「トリオ漫才<oioanai>」⇒7字

***

簓のバースは最初から最後までテンポがいい。まさに漫才師をラップに置き換えたらこうなるんじゃないの?ってくらいに聴き心地が良い。簓は正面からぶつかるというよりは相手の隙を狙って痛いところをさらっと突いてくるようなキャラクターだと思っているので、一郎をちょっと小馬鹿にしたようなリリックで良さが増しますね。簓に真顔で「おもんな」って言われたら結構心に深い傷負いそう。

「右からボケナスカス」って芸人がつかみでやる「右からべっぴんさんべっぴんさん1人とばしてべっぴんさん」のあれかな?ってちょっと思いました。そうだったらおもしろいなあ。

「血の繋がりだけが絆やない」とありますが、漫才コンビの絆ってめちゃくちゃ熱いですよね。昔芸人のオタクやってた時期があるのでわかります。漫才コンビってエモいんです。まじで。


先に言っとく器がちげー
俺は言霊で討つ語り手
ヘラヘラしやがって チンドン屋が天下
とれるわけがねー 聞け鎮魂歌だ
浮ついた言葉  刺さらねえ
俺は才能より努力 戦える
それを証明しにきたぜ  今この場で
お前たちごときじゃ届かねえ

「器がちげー<uuaaie>」「討つ語り手<uuaaie>」⇒6字

「チンドン屋が<inonaa>」「鎮魂歌だ<inonaa>」⇒6字

「刺さらねえ<aaae(e)>」「戦える<aaae(u)」⇒4字

「この場で<ooae>」「届かねえ<ooae>」⇒4字

全体的にe踏み。

***

簓の「一郎」を受けて「刺さら(簓)ねえ」としっかり相手の名前を入れてアンサーするところと、「"この場"で確かめな」にも「証明しにきたぜ今"この場"で」とアンサーするところが、私の中で一郎リリックまじかっこいいベスト3の内の2つです。

「俺は才能より努力」って言ってますけど一郎は才能もあるんですよ。才能あるのに才能だと思ってなさそうなところが彼の健気なとこなんです・・・

一郎のバースだけどうしても感情論みたいなこと書いてしまう。

全米が泣いた 日本中笑った
絶妙なトリオや ほんわかぱっぱ
前例はナシや まいどやでWUS UP
娯楽の王様 本場だやっぱ
ぼちぼちでんがな円稼いで
心に火灯してんかBABY
オオサカの空は1000%晴天
俺らが最強のエンタテイメント

「全米が」「泣いた」「笑った」「絶妙な」「トリオや」「ほんわか/ぱっぱ」「前例は」「ナシや」「WAS UP」「王様」「本場だ」「やっぱ」⇒a踏み

「円稼いで<enaeie>」「てんかBABY<enaeie>」「1000%晴天<enaeie(n)>」「エンタテイメント<enaeie(n)>」⇒6字

***

「ほんわかぱっぱ」って吉本新喜劇のオープニングからきてますか?他にも「ぼちぼちでんがな」とかコテコテのオオサカ感てんこ盛りで楽しいところ。「火灯してんか」は関西弁の「~してんか」と「点火」がかかってるんでしょうか。

心 技 体 いきぴったり
当然すぎて意識しない
3 6 0 みぎひだり
楽しんでなんぼ きみ次第
邪魔するバカはどいて頂戴
この血は水よりも濃いぜ兄弟
ぶち上げてくぜもうちょいで場外
上がってこうノリノリでSHOWTIME

「心技体<i(n)iai>」「いきぴったり<iiiai>」「意識しない<iiiai>」「みぎひだり<iiiai>」「きみ次第<iiiai>」⇒5字

「どいて頂戴<oieouai>」「濃いぜ兄弟<oieouai>」「ちょいで場外<oieouai>」「ノリでSHOWTIME<oieouai>」⇒7字

***

オオサカのバースが楽し気で「〜」←こういう感じの語尾が多めだったので、初っ端の「心っ!技っ!体っ!」という歌い方はぱっと空気を変える効果がありますね。シャキシャキしてて気持ちが良い。とはいえブクロも「楽しんでなんぼ」「ノリノリで」というJOYの要素が入っていて好きです。オオサカとブクロの相性の良さを感じるます。

「この血は水よりも濃い」、血縁者同士の絆はどれほど深い他人との関係より深く強いものであるという諺。最高の諺じゃ〜〜〜ん!!!!となる一方どうやら「血は争えない」という意味も含むそうで、やっぱりパパの顔浮かんじゃうよね・・・零との絆もいつか将来的には見たいよ・・・最終回かな・・・

そしてここのバース、「心技体」とか「360」の3つの音が揃っているところでバスドラも同じようにドンドンドン!って後ろで鳴ってるんですよね。これがめっちゃ気持ち良い。

「先生うちの二郎学校でどないです~?」
「宿題やってこうへんのですよ~、
クラスメイトからもひんしゅく大(宿題)ですわ~」
「それやったら内申書に響くんちゃいます?」
「落第させんのが楽だい(落第)、内心しょう(内申書)思うてます~」
「じゃあ三郎の方はどないです?」
「あんなもんお兄ちゃんの犬ですわ、
今緊張してドッグ(dog)ドッグ(dog)いうてるんちゃうんかな~」
「犬だけにな、って…もうええわ!」

いわゆるオヤジギャグのような同音異義語も韻を踏むようなものなんですね。まさかのここでふたりの漫才がみれるとは!!盧笙もどもってなくてスラスラ漫才やってて楽しそうで安心しました。しかしこの笑わせながら相手をディスるスタイル最高だなあ。「あんなもんお兄ちゃんの犬ですわ」って最高に腹立ちますね(笑)

あとこの枠内にしゃべくりを入れられるのすごいなって思いました。テンポもすごく良い。さすが元漫才コンビ!と思うのと同時に中の人すご・・・って思うところです。これライブの方のメモに書けばよかったな。

笑えねんだよ張り倒すぞ
実力もセンスもないカスども
低俗な芸人とダメな先コウ
お遊戯会レベルじゃ勝てませんよ
湯の中で屁が浮いたような声だ
ぬるくてなんか退屈なオペラ
ぶっちゃけ敵じゃねんだ けしかけんな
的な喧嘩じゃ 無敵だDanger

「張り倒すぞ<aiaouo>」「ないカスども<aiauoo>」⇒6字(※uo⇔ou)

「ダメな先コウ<aeaeno(u)>」「勝てませんよ<aeaeno>」⇒6字

「(よう)な声だ<aoea>」「(退屈)なオペラ<aoea>」⇒4字

「敵じゃねんだ<eiaena>」「けしかけんな<eiaena>」「的な喧嘩<eiaena>」「(無)敵だDanger<eiaena>」⇒6字

***

「笑えねんだよ張り倒すぞ」あまりのばっさりさに笑ってしまいました。マジで返されると芸人としては萎えるでしょうね。

二郎の「カスども」を聞いて、あ、さっきボケナスカスって言われたから癪に触ったのかなって思いました。そのあとに続く三郎の声がまた憎らしくて、さっき漫才の笑いに混ぜてディスってきた漫才コンビとかなり良い勝負してます。半笑いディス(?)。

まぁいいさ一郎 てめーはこの先
どう生き抜くのか今一度
考えろ 俺には俺の真実と
答え それを信じるどこまでも
後悔はない 誰だろうと
立ちふさがるやつ砕くだけだ今日も
圧倒的な差だこれで実証
ガキどもまとめて一掃

「いいさ一郎<iaiio>」「今一度<iaiio>」⇒5字

「俺の真実と答え<oeoiniuooae>」「それを信じるどこまで(も)<oeoiniuooae>」⇒11字!

「誰だろうと<aeaouo>」「だけだ今日も<aeaouo>」⇒6字

「(差)だこれで実証<aoeeiou>」「まとめて一掃<aoeeiou>」⇒7字

全体的にo踏み。

***

ここの零もな〜〜完全に親から息子への助言にしか見えなくて辛い。「どう生き抜くのか考えろ」って、「一郎は今までも必死で生き抜いてきたんだよ!今更言うな!」な私と、「息子にはこの先何があっても生きてほしいよな、うんうんわかる」な私がせめぎ合ってる。しかも「俺の真実と答え それを信じる」って似たもの同士すぎるでしょ。一郎は勿論、二郎も三郎もこのマインドしっかり受け継いでますよね。

零って可愛い子には旅をさせよタイプでしょ?(ていうかヒプマイキャラは大半このタイプ・・・)

零にも事情があるだろうし三兄弟も今のところ自分たちの親として零をみてる描写が少ないので完全に私自身に置き換えて考えちゃうけど、自分から離れてったこと含め後悔はないって面と向かって言われたら私は泣いちゃう。一郎は泣かないけど。

そしてこの零のところだけ楽器の数が圧倒的に少なくて、バスドラとスネアの音だけになるんですが、盛り上がる音階のある楽器が無い分怖さが増すというかより圧が強くなるような印象を受けます。ラスボスっぽい。

必勝 俺には 俺の正義
貫くだけ  それを提示
親父のように自分勝手には生きらんねー
兄弟のため日々貫徹
ぶっつぶす 遠慮なしで
戦闘態勢 Buster Bros!!! 免許皆伝
限度ないぜ団結のPower
これが俺からのベストアンサー

「一掃<iou>(※零パート)」「必勝<iou>」⇒3字

「俺の正義<oeoeii>」「それを提示<oeoeii>」⇒6字

「親父の<oaio>」「兄弟の<oaio>」⇒4字

「生きらんねー<iiane>」「日々貫徹<iiane(u)>」⇒5字

「遠慮なしで<enoaie>」「戦闘態勢<eno(u)aie>」「免許皆伝<enoaie(n)>」「限度ないぜ<enoaie>」⇒6字

「(団)結のパワー<euoaa>」「ベストアンサー<euoa(n)a>」⇒5字

***

まず零の「一掃」を「必勝」で踏んでくるところ、強気な攻めの姿勢の一郎が感じ取れて大好きです。先ほど述べた私の中の一郎リリックまじかっこいいベスト3のうち残りの1つです。

一郎にとっての「俺の正義」が自分勝手な生き方ではなく人のために、兄弟のために日々貫徹って。こういうところがいわゆる左馬刻が言う「偽善野郎」なのかな。まだ未成年なのにあまりにも彼の中で生き方が確立されすぎていて怖いくらい。これが揺らいだらどうなるんだろう。でもそういう考え方に至ったのは父親の自分勝手さ(理由はどうあれ少なくとも息子からはそう見えていた事実)を反面教師にしたと思うと泣かずにはいられない。

後ろの音についても、バスドラとスネア+トランペットかな?しかも前半で鳴ってた楽しげなアクセントやスタッカート多めのものではなくて流れるようなムーディな感じというか、ちょっと不穏なメロディーラインというか、西部劇っぽいというか。この音楽だけでも明らかに父vs長男だけガチ感が異常。好き。



合間合間に全力で楽しいフックが入ってくるのはかなり大きいです。すごく楽しくなれる。でも実はすごくバチバチしてるっていう、受け取る角度によって印象が全く違うおもしろい曲だなっておもいました。

ひとつ言えるのは、まじでオオサカとブクロじゃないと絶対にできない曲。あらためて2ndDRBありがとう。




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