私が「自炊力」を書いた理由

光文社新書から明日(11月13日)「自炊力 料理以前の食生活改善スキル」が発売になります。Amazonでは14日とありますが、確実にお手元に行くのが14日から、ということのよう。私の5冊目の本です。

なぜこの本を書こうと思ったか

フードライターとして今まで、いろんな食の記事や本を作ってきました。特に栄養に関すること、そして「手軽&カンタンなレシピ」などの発信はそれなりに多くやってきたつもりです。

しかし。

常にそれらの情報は「もうすでに料理がある程度できる人」「栄養に関心のある人」が受信している……という歯がゆさがあったのです。基本、それらの記事にアクセスしてくださる方、検索してくれる方、RTしてくださるフォロワーさんというのは料理に興味のある人、料理が好きな人、そして栄養に関してもそれなりに知識があるんですね。

そうじゃない人にこそ、知ってほしい。関心を持ってもらいたい。自分の中でそういう思いが溜まっていきました。もちろん根本的に関心のない人に無理に知ってほしい、というわけじゃないのです。

世の中、料理したいけど時間も気力もないという人、たくさんいるんです。仕事で疲れている、時間の余裕がない、気力が湧かない、苦手意識が強すぎるなど、理由もさまざまに。

けれど人間、食べずには生きていけません。料理に興味はないけど栄養は気になる、という人もいます。将来的に生活習慣病が怖いから食事を気をつけたい、という若い人の声も聞かれます。また「料理なんてそこそこできて当たり前なのに、どうにもできなくて落ち込む」と自責の念にかられている人の声も、レシピ記事を発信するようになってから聞くことが増えました。

そういった人たちに向けて「こんなことからだっていいじゃないか」と提案できるような本、「できなくったって当然。そういう人いっぱいいる。無理しないでいこうよ」と、応援できるような本を作りたくなりました。結果、できあがったのが「自炊力」です。

内容に関して


まず、自炊力には検定試験もなんにもありません。その人それぞれに応じた形であればいいと私は思っています。なので「自炊力には超自信あり! どんなことを試されるのかな?」的な読み方だと必ずガッカリされるでしょう。

日々コンビニやレトルト、スーパーのお惣菜などがメインという人が、なるべく生活形態を変えずに、無理せずに、より良い一食を買えるようになるには……というところから本著はスタートします。

まずは自炊しないこと。
今つくってない人にいきなり「健康的で経済的に過ごすには自炊がいちばん! さあ勇気を出して踏み出そう!!」と言ったって人間そうそう変われるもんじゃありません。できるくらいなら皆とっくにやっているんですよね。

ならば、どう買うか。
栄養バランス良く買える力を持つ、選ぶ力をつける、ということも私は自炊力のひとつだと考えています

そしてそれができるようになったら、弁当やレトルトに「ちょい足し」する技術をつける。実に些細なことと思われるでしょうが、普段料理をしない人には「今の生活を変えずに自炊力を上げていく」ということが大事だと思うのです。

料理するって、「やってみれば簡単!」と言われすぎだと思うんですね。それは「簡単なレシピもある」ということで、日常的に連続して行われていく料理(=自炊)って、やっぱり簡単とは言えませんよ。「やれば簡単」「慣れるよ」というのは料理が向いてる人だから言えることじゃないかな、と。

自炊に無理は禁物。これは本著内で繰り返し書きました。
経済性や品質を考えて食材を買う、余った食材を使っていく、そして時にうまく息抜きする。時にちょっとしたトライをして、自分をアゲる。モチベーションを上げる。そのためのいろんな提案を、著書内でしています。

ゲストがおふたり

本書では、専門家をおふたり招いています。

おひとり目はスープ作家の有賀薫さん(@kaorun6)。料理をなるべく楽に、たのしく続けていくヒントをいろいろ教えてもらいました。私は有賀さんのスープって、料理をあまりしない人でも「やってみたい、作ってみたい……!」と思わせる力が強いなあ、と常々思っていたんですよ。日頃あまり料理をしない方々へのレクチャーをされることも多い有賀さんに、どんな点に気をつけつつワークショップをされているか、そしてレシピ作りをされる上での留意点などをうかがいました。

さらには日本人が知っておくべき栄養に関することを、女子栄養大学出版部編集委員の監物南美さん(@namikeneiyo )にうかがっています。
監物さんは雑誌『栄養と料理』の編集長を長らくつとめられ、管理栄養士や栄養学者さんと一般読者の間をずっとつないできた人です。「どうやったらわかりやすく、おもしろく栄養の話を伝えられるか」を考え続けてきた監物さんに、日本人が不足しがちな栄養、そして摂取しすぎなもの、さらには年代別に栄養に関して気をつけるべきことを教えてもらいました。

それぞれ1章を使って対談しております。

さあ、いよいよ明日だ。ちょっとドキドキしています。

どうぞよろしくお願いします。

ちなみに、昨日の自炊写真。11月11日はきりたんぽの日、ということできりたんぽ鍋にしましたよ。


#自炊力 #本 #お知らせ #料理 #コラム





この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

感謝です。
107

白央篤司

#フード 記事まとめ

レシピやグルメ情報、料理や食文化に関する考察など、食にまつわる記事をまとめていきます。
4つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。