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迫真BB部第3話解説&編集テクニック

※この記事は約10分で読むことができます。


はじめに

こんにちは。さすがに焦りを感じたのか、なんとか今回は連続投稿チャレンジに成功した淫ク☆投稿者のさいとーです。今回は第3話「壊れゆく旋律」の解説をしていきたいと思います。よろしくお願いさしすせそ。

※今後の物語に繋がる重要なポイントや明らかな伏線となるカットは敢えて解説していません。ネタバレなしで読むことができます。

解説/小ネタ

田所は突然襲いかかった遠野の死を受け止めることができず絶望の淵へと突き落とされていく。2人はお互いに辛い過去の中で出会った特別な存在であり、遠野と交わしたある約束を守れなかったことは田所をさらなる自責の念へと追い込んでいた。

迫真BB部第3話「壊れゆく旋律」より
前回までの明るい流れから一転し、冒頭から暗い雰囲気が漂う

まずは冒頭のRUが学校へと向かうシーン。第3話最後には、この場面の対比となる田所が雨の中を歩くシーンがあります。

この雨という情景描写は2人の過去のある地点において重要な意味を持っているのですが、今の時点ではネタバレとなってしまうので詳しくは第7話の解説記事で説明しようと思います。

ノートパソコンで何かを見つけるRU

田所と遠野が渋谷でデートをしている間、RUは1人BB部の部室にいました。彼女は自分のパソコンを忘れてしまい、代わりに田所の物を使おうとするのですが、実はこの時に田所たちを襲うBBM”遠野によく似た恐竜”のアウフタクトを見つけていたのです。

トカゲの死体のアウフタクト

田所のノートパソコンに挟まっていたのはトカゲの死体。これは、爬虫類型のBBMの出現を示唆していたのと同時に、遠野の死を意味していているのかもしれない。危険を感じたRUは2人のいる渋谷へと急ぎます。

デートの最中突如としてBBMが現れた

これまで様々なBBMを倒してきた田所は、愛する遠野の前でかっこいい姿を見せたいという思いがありました。突如鳴り響く爆音にBBMの出現を察知した田所は、危険を顧みずに化け物の元へ飛び出して行きます。

以前から遠野にBBMを倒す姿を見せたいと思っていた田所。第2話「思いを馳せる者たち」より

未知のBBMは手強く窮地に追い込まれた田所。
そんな彼の前に謎の組織・・・幸月会が現れます。しかし、過激な思想を持つ彼らは戦車を用いて化け物その手前にいる田所をもろとも一掃しようとしていたのです。

過激な組織である彼らだが民間からは多大な支持を得ている

目の前の化け物に集中して、自分の命が狙われていることに気がつかない田所。遠野は彼の元へ飛び出していきます。

一瞬、逡巡を巡らせてやはり田所のことを守ろうと決意する遠野

戦車に気づいた田所は遠野に向かって叫びます。「こっちに来るな!」とでも言ったのでしょうか。しかし遠野は止まることなく田所を押し飛ばし、自らが犠牲になる道を選んだのです。そして次の瞬間、あたり一面は爆風に包み込まれました。

田所を突き飛ばす遠野。最期の一瞬まで彼は笑顔を絶やさなかった

あまりに突然の出来事に動揺する田所の元に、幸月会幹部TISがやってきます。そしてこの時、田所は初めて自分の命が狙われていることに気づいたのです。

なぜ自分が狙われているのか。その理由も、心当たりも分からない
TISが向けてきたのは銃ではなく、化け物のBBを回収するための八卦炉だった

遠野の家族や教師との面会、刑事裁判でも真実を証明しようとした田所だが、幸月会が裁かれることはなく遠野の死はBBMによるものとして片付けられてしまう。遠野の葬儀が終わった後、絶望が堰を切ったように田所へと押し寄せてきます。そしてこの時から、彼は遠野と過ごした過去を思い返すようになります。

田所の過去

田所はある出来事をきっかけに学校で孤立しており、周りからは悪質な嫌がらせを受けていました。そんな時、唯一彼のことを理解してくれたのが遠野でした。2人は次第に打ち解け合い、その仲はどんな時でも一緒に行動をする…友人以上の関係になっていきます。

田所は周りから「人間の屑」と呼ばれていた
2人は互いに想いあっていた

①遠野を失った田所は、再び学校で孤立していきます。大切なものを奪ったじゅんぺい達や幸月会への恨み、自らのせいで遠野を殺してしまったのではという自分への恨みは次第にやり場のない怒りへと変わっていき、ついにはそれを仲間であるBB部やSIKへとぶつけてしまいます。本当は自分が悪いと分かっているのに…

遠野を殺したアイツらよりも自分自身を憎んでいた田所

②ある雨の日に田所は思い出します。
それは、遠野にこれ以上恋人としての関係を続けられないと告げられた時のことでした。田所に対する嫌がらせは、ついには遠野にも及ぶようになっていました。

遠野は2人が恋人であることがこれ以上周囲にバレないように、互いに傷つけ合わないようにこの関係は2人だけの秘密に出来ないかと田所に頼むのでした。

嫌がらせはエスカレートしている
自分のせいで遠野まで嫌がらせを受けてしまう

溢れ出る恨みと悔しさを堪えて、なんとかこれを受け止めた田所。以後、2人はただの友人として振る舞っていきます。BB部のMURとKMRさえも2人の関係のことは知りませんでした。そして、この約束こそ・・・

田所が写真=遠野とのプリクラを見られてはいけなかった理由
になっていたのです。

コミカルに見えたやりとりの裏には田所の抱える闇があった

しかし、田所はこの約束も・・・
そして遠野自身のことも守ることが出来ませんでした。

何ひとつ守れなかった

※RUは田所の反応から2人の関係や彼らを取り巻く環境に気付いていたのではないでしょうか。それは、彼女自身がかつて近しい境遇にいたからかもしれません。

→恋人を傷つけることしできない自分。仲間を見捨ててしまう自分。田所はこんな自分は関わった相手を傷つけることしかできないと思い込みます。

そして幻覚に襲われた際・・・
ついには自分自身を人間の屑だと卑下してしまいます。

かつて一番嫌な思いをしたあだ名で自分を罵る

こちらは、中盤あたりに登場する回想シーン。
謎多きシーンですが、めちゃくちゃに重要な伏線になっているので解説はなし。写真だけ貼り付けておきます。

謎の施設に閉じ込められていた?
かつて表札がついていた頃の田所の自宅
野獣父の訃報を伝えるニュース

第3話の終盤には幸月会によるオペレーション114514が始まります。民間人の多くが襲撃を受け、当時の田中内閣はクーデターにより崩壊。

この時から事実的に幸月会が政治の実権を握るようになります。彼らの専制政体はこれら全ての情報を包み隠し、あらゆる組織を手中に収めた幸月会はその勢力をさらに拡大していきます。

田所たちの同級生であるAOKも幸月会に襲われた

編集のポイント

ストーリー解説が長くなってしまったので短めに。今回は編集中、意外と意識してない(かもしれない)ブレの種類と使い分けについてお話しします。

①コミカルなシーンで使うツッコミ用/揺れ
こいつは一番汎用性があるやつです。あまり派手には揺れて欲しくないのでアニメーション効果ではなく振動を使います。また、バトルシーンの衝撃のように勢いがあるものではないので周期は少し遅めに設定します。

フレームバッファでエイリアスに登録しておくと便利

②バトルで使う派手な衝撃
こちらも基本的には①の設定と同じ。揺れている時間を短くする&周期を小さくして素早く揺れているように見せるのがポイントです。

揺れている時間を短くしてバトルシーンに勢いのメリハリをつけると良い

さらに激しい衝撃が必要な時には、放射ブラーの強さの値を一瞬で下げることでよくある強打の表現が可能です。(これを使った後にはしばらく強い揺れを入れると自然に見せることができるのでオススメです。だが面倒なので作者はやらない。)

ツッコミにも応用できるテクニック

③手ブレ
カメラ自体が常に揺れているバトルシーン、緊迫しているときの一人称視点などあらゆる場面で使える手ブレ。カメラ制御→カメラ効果→手ぶれを挿すだけでとてもいい表現を手に入れることができます。

ただ、カメラ制御はz軸の操作が面倒くさい!そういうときには①で使った振動の周期を極端に長くすることで擬似的に手ブレを表現することも出来ます。カメラ制御よりはリアリティがありませんが、何より重くならないのがメリットです。

特に値を弄らなくていいので楽

④文字の揺れ
焦っているとき、声を荒げているときなどこれまた頻繁に使う文字の揺れ。これは完全に好みだと思うので自分自身で色々といじって研究をするのが一番だと思います。

これは、自分が5年以上研究して見つけた一番気持ちいい文字揺れの設定です。(アニメーション効果だと一文字ずつが別々に揺れてしまうので、狙って表現するとき以外は振動を使った方がいいと思います。)

文字が読めなくならないギリギリを攻める

淫夢くんを探せ!

さて、今回淫夢くんはどこに隠れていたでしょうか。
だんだん難しくなっていきますよ。ありとあらゆる動画で淫獣を見てきた皆さんにしてみればまだまだ余裕でしょうか。

正解は・・・こちら!

田所が訪れた心療内科の椅子の裏に隠れていました。

おわりに

以上、第3話「壊れゆく旋律」の解説でした。
今回は少しストーリーが分かりにくいとの声があったので、いつもより丁寧に解説をしてみました。記事が長いのは悪しからず。最後まで読んでいただきありがとうございました。それでは、次は第4話の解説で。フラッシュ!

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