20年前の自分に伝えたい戦略とメッセージ

お笑いを今から始める人へ向けて、ではなく。

お笑いを今から始める自分自身に向けてのメッセージを記します。

これは、芸歴20年目、43歳にして全く売れていない芸人、私、ハクション中西が、もし20年前に戻ってお笑いを始めるなら、こうする、という戦略をまとめたものです。

あるいは、20年前の自分にアドバイスするとしたらこれを伝えたい、という内容。

今からお笑いを始める人に、とても有益で参考になる内容になっている“可能性は少しだけある”

しかし、弊害になる可能性もかなりある。
むしろ、そっちのほうがでかいです。

僕自身を基準にしているので、この戦略は、僕のかなり偏って捻じ曲がった性格や僕の小さな才能を基準にしたものです。

なので、可能性があると表記させていただいた。

それでは、さっそく。過去の自分へ言いたいことは、次のようになっている。

1 バイトをしなくなることを目指すな
2 事務所に入るな
3 お笑いの“お客さん”になるな!
4 ネタを書きまくれ
5 自分よりおもんない奴から学べ
6 うざい体育会系のノリに付き合うな
7 YouTubeには手を出すな
8 衣装や小道具に金をかけろ
9 お客さんはえこひいきしろ
10 (写真は常に整理して残しとけ)
11 単独ライブは常に小さな小屋でやれ
12 (パソコンはとりあえず買っておけ)
13 “不労所得”は作っておけ

()内のメッセージは、“多分、自分の性格だから、若くてもやらんだろうなあ”と思っていることである。

ひとつひとつ、自分の意見を語っていきます。

1 バイトをしなくなることを目指すな

まず、ラクにメシを食えるようになりたい、などという“クソみたいな考え”がありますよね?

僕は激しく同調します!

この世で一番ステキな考えです。

もっと良ければ、一ミリも働きたくありません。

そうなんです。

だから、「お笑いだけでメシを食えたら最高だな」などというベタなことを思ってました。

なら、下のフレーズは、矛盾してるのでは?

【バイトしなくなることを目指すな】

ここらへん、理路整然と分かりやすく伝えていきます。

めっちゃ単純な話、イヤなことはしたくないが、やってもいいかな?と思うことはやってもいいでしょ?

当たり前のこと言ってますね、まずは。

何が言いたいかといいますと、バイトを“イヤなことの象徴”、お笑いを“やってもいいことの象徴”として雑に語られていることが多いんです。

再掲する下記のフレーズは、厳密には間違ってます。

「お笑いだけでメシが食えたら最高やな」

ちゃんと言えば、「お笑いの中の、“嫌いじゃないこと”だけでメシが食えたら最高」なんでしょ?

「これもお笑いだぞ」って怒られながら、ワニに噛まれるロケはしたくないわけです。

尊敬もしていない先輩に説教されるのはいらんわけです。

あるいは「金持ちの犬を散歩させるだけで五万円もらえるバイト」ならやりたいでしょ?

なので、整理します。

1 お笑いの中で、やりたいこと
2 バイトの中で、比較的ラクなこと
3 お笑いの中で、やりたくないけど必要なこと
4 バイトの中で、しんどいこと

優先順位的には、こういう順番なわけです。

1と2だけで生活をすることは難しくありません。現在の僕がそうです。
ほとんどバイトしてません。

お笑いとバイトと、区別する必要もありません。

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