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これでいいのだ。

あと3日で今回の旅が終わります。
楽しいこともトラブルもあった良い旅でした。
もちろん不快な出来事にも出会いました。
病気になったりもしました。
それでも帰りの飛行機のシートに身を沈めた時に不思議と僕は「いい旅だったな。」と思うのでしょう。

この旅で出会ったたくさんの人々のことを考えます。
新しい出会いと、再会が入り混じった旅でした。

遠い国で偶然のようにして出会った人たちが、そして言葉は交わさずとも同じ場所にいた人たちが、間接的にせよ直接的にせよ支え合ってこの世を成り立たせていると思うと、可愛いさと愛おしさを感じるのです。

「人生は旅のようだ。」とよく言われますが、旅は人生のようだとも思います。

旅の途中には、自分でコントロールできることはさほど多くありません。
すべてはプラン通りに行かないものです。

飛行機や電車が遅れたり、天候が崩れたり、道に迷ったり、無性に日本が恋しくなったり、急に体調が悪くなったり。ときにはお金を失うこともありかもしれません。

それでも結局その先には、決まって新しい景色が待っているのです。
そしてその新しい景色に包まれながら、「これでいいのだ。」と気が付くのです。

やはり僕たちは、大きな流れの中にいて、その流れに任せていれば最善へと導かれていくものなのでしょう。

そしてそれがどんな旅だったにせよ、最期の最期には「また帰ってきたい。」と思うものなのです。

夕べのことです。久しぶりに父が夢に現れました。夢の中で父は、祖母と話をしていました。いつもの明るい父と祖母でした。祖母は父の死に目に会えなかったので、僕は夢の中で楽しそうに会話を弾ませる二人を見てとても安心しました。

ひとしきりの会話のあとで、父は話をこう締めくくりました。

「これでよかったんよ。すべてのことには時がある。泣くに時あり、笑うに時あり。」


本日も文末までお付き合いいただきありがとうございました。

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https://note.com/hakuzanobara/m/m491a75105ea9


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