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Culture(1) 『はてしない物語』

最近読んでいる本が『はてしない物語』という児童文学なんですけど、歳を重ねて作者の言わんとしていることがなんとなく感じ取れるようになってから再度読むと、答えがすぐには出てこないような哲学的な思想をバックに感じて、とても難解なテーマを実は扱ってるんじゃないかと思ったりしています。

主人公はずんぐりむっくりの本好きという設定で、現代でいうnerdっぽい感じの雰囲気を醸し出しているバスチアン・バルタザール・ブックスという小学生くらいの少年で、この子がある本と出会ったことをきっかけに大冒険が始まるという感じの、ざっくりと説明すればザ・ファンタジーな物語で、ファンタジー好きだった人は小学生の時とかに読んだことがあるかもしれない。
私も小学生くらいの時に地元の図書館に置いてあった赤くてしっかりとした表紙のでっかいこの本に惹かれて、分厚いけど夢中で読んだ記憶があります。
この本は設定から面白くて、この『はてしない物語』の中に『はてしない物語』の本が出てくるんですけど、物語の中で説明されている『はてしない物語』の本の見た目と全く同じ装丁の本が岩波から出版されてて、まるで物語の中からこの本が飛び出してきているかのような感覚に陥るんですよね。あれ、これ私が読んでるこの本じゃん!みたいな。
もちろん普通の文庫本バージョンもあるんですけど、大きくなって自分で自由にお金を使えるようになってから買ったのは、この特別装丁の方でしたね。もうこの本は一生持っておくんだ!っていう気持ちで買った。それくらい大好きな本です。

それでね、最近また読み直してるんですけど、もうほんとに奥深いのよこの話。
特にある登場人物が発したこの言葉がすごい心に響きました。

「望みとは何か、よいとはどういうことか、わかっておられるのですかっ!」

『はてしない物語』岩波書店

これね、私多分わからない。わかる時が来るのかもわからない。
ミヒャエルエンデ自身はわかっていたのかな。
この本を読み進めればわかることなのかな。
わからないけどこの本にはこんな話がいっぱいででくるので、本当に考えさせられる。
続きが楽しみ。

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