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人と、時と、技と、場。

人は自分を試す場を求めている
だが、手にした場を守るのは、勝ち取ることよりもずっと大変だ――

テレビか何かで日本人には職人気質の傾向があると耳にしたことがあります。もちろん全ての人には当てはまらないというのは承知していますが、一つの仕事に就くとたいていは似たような作業を繰り返します。その中である者は技術を極めて、前時代を凌駕するモノや価値、記録を生み出します。しかしながら、その光には影の部分が必ず付きまといます。以前に活躍していた技術やモノが遺物と化すため、それで長年やってきた人たちのその時における価値や存在意義が損なわれることになります。

年を取ると、自分の知っている範囲の記憶と知識を ”世の常識” と認識しやすくなり、新しいシステムやモノを受け入れにくくなっていきます。今はそれで何とかなるのかもしれませんが、その状態のまま更に10年、20年経てば移り変わる時代への順応はまずできないでしょう(ぶっちゃけ、私もそんな人間になるかもしれません)。現代は、加速的に変化し続ける時代に人が必死に食らいついて行かなければならなくなりました。厳しい見方かもしれませんが、これができない人から社会で置いてけぼりを食らう気がしています(何とかしたいですよね)。

さて、インターネットの浸透によって情報伝達速度が光の速さとなった影響もあるのか、技術の発展も感覚的には秒進分歩の勢いを感じます。開発競争が激化する中で「誰かは分からないけれど、誰かに先を越されるんじゃないか?」という見えない敵への恐れが常にありますし、いつ自分の居場所や存在意義を奪われるか分かりません。場を確保するのは一時のものですが、その場を守り続けるというのはずっと大変でしょう。そういう意味では、現代を生きる人々にとっては、生活するには便利な一方、働くとすればより過酷な時代を迎えたと言えるかもしれませんね。



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