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【エッセイ】NPBのCS制度と交流戦、あと野手の登板・捕手とか

タイトルに書いたようなプロ野球のテーマについて思うがままエッセイに書きたいと思います。

1.CS制度に潜在する不公平さ

CS制度がはじまったのは2004年のパリーグからで、リーグ優勝球団が決まった後の消化試合を減らすために始まったそうです。シーズン上位3チームによるトーナメント方式は現行のものと同じで、リーグ優勝していないチームも日本一になれる可能性が生まれました。それによって、他球団のモチベーションを保ちつつ、ファンをシーズン終了までひきつけたことで消化試合を減らすことに一役買ったと思われます。そして、それから3年遅れでセリーグもCS制度を導入するに至りました。

CS制度に対する否定的な意見としてよくあるのは、日本一になるチャンスが両リーグ合わせて6球団もあるのは少し多すぎる、ということでしょう。リーグ優勝をしたチームが日本シリーズに確実に出られなくなること自体、優勝のうま味というものが無いでしょう。厳しく長いシーズンを戦い抜き、リーグ優勝して得られるのがCSファイナルのホーム開催権とアドバンテージたった1勝だけでは割に合いません。

仮に日本一しか眼中にない他球団があった場合、最初からAクラスに入りさえすれば良いことになります。CS1stで2勝必要という条件はつくものの、リーグ優勝にかかる戦力とAクラス入りにかかる戦力の差分を温存できることを考慮すれば、それほど悪いものではありません。

CSファイナルでは試合から離れている日数により試合勘が異なることもフェアとは言えません。それらを考慮すると、シーズン2位・3位のチームもリーグ優勝チームと同条件に近づけるアイデアが将来的に必要になってくるのではないかと思っています。

2.交流戦で露呈するセリーグ先発投手の打の怠慢

ほぼ毎年、交流戦ではパリーグが勝ち越すという結果になっていますが、これはセリーグ先発投手の打の怠慢が原因の一つだと考えています。その理由は、投手が打席に入るというアドバンテージをセリーグ側が完全に捨ててしまっているからです。

交流戦に限らず、セリーグの先発投手は浅い回に炎上しない限り、打席に立つことが分かっています。打撃の良い先発投手がいるということは、①打線の切れ目を無くす、②バント以外の作戦を取ることができる、③チームの勝利(ひいては自身の勝ち星)を手繰り寄せることができる、と言ったメリットがあります。デメリットとしては、ランナーとして走ると息が上がってピッチングに悪影響を与えることが挙げられるでしょうか。

とはいえ、セリーグの先発投手が普段打席に立たないパリーグの先発投手と同じような打棒である限り、交流戦でのセリーグ主催試合のアドバンテージは(ホーム球場を使えること以外は)何もないので、毎年のようにセリーグはトータルで負け越し、日本シリーズでも勝ち難いという現実はすぐには変えられないでしょう。

こんな状況が面白くないセリーグはリーグ人気を盾に交流戦の試合数を減らし続けてきましたが、更に試合数を減らしたり、最終的には交流戦を廃止することを検討するかもしれません(それでは根本的な解決にはならない)。個人的には、セリーグの先発投手は打率2割2分くらいの打棒があって初めてアドバンテージになるのではないかと思っています。仮に、先発投手の打率が3割だったとしたら毎年セリーグ側がトータルして勝ち越すに違いありませんし、打順も9番・投手が定跡ではなくなるはずです。

3.短いイニング限定の野手の投手・捕手起用

MLBでは大差の試合にチームの負担軽減のために野手が投手として登板することがあるそうです。最近では野手がMLB史上初のセーブをしたことがニュースになりましたね。

NPBでも短いイニング限定で野手が中継ぎ(クローザー)を兼任できれば、シーズン終盤に行くほど投手起用のやりくりに余裕が生まれるのではないかと考えられます。これも一種の二刀流ですが、それまで野手として試合に出場していた選手や控え野手を投手として起用できることになれば、監督は出場可能メンバーの最後の投手を使うことのためらいから解放されるでしょう。

例えば、乱打戦の延長12回で最後に登板した投手に打球が直撃したり、何らかのアクシデントが起こって交代せざるを得ないような状況が想定されます。そういった有事の際に、1人くらいは中継ぎ可能な野手を備えておくことが今後の野球の定跡になるはずだ、とひそかに思っていたりします。これは投手だけでなく、捕手においても同じことが言えると思いますね。

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