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【詰将棋】貧帰不詰について

詰将棋を作る時、作意手順以外の進行図が不詰かどうかを判定しなければいけません。詰方が純粋に貧して同じ盤面に帰ってくることを「再貧不詰」と勝手に呼んでいましたが、意味合いが伝わりやすいように「貧帰不詰」と呼び直そうと考えています。

貧帰不詰を考えるのは、下図(玉方:2一歩・1二玉、詰方:1四歩<持駒:金銀>)のような戦力の過不足がない詰将棋の中の王手を対象とします。

ここでいう「貧帰」は、4手あるいはそれ以上の手数をかけて詰方の持駒だけが減少することを意味していて、例えば上の図で言うと▲1三金▽1一玉に▲1二金▽同玉(=下図)がそれに当たります。

持駒過多だった場合は詰む可能性がまだ残されているので、貧帰不詰と断定するには不十分です。同じ盤面に帰ってくる手(3手目の▲1二金)以外他のすべての候補手を不詰だと判断できてはじめて、貧帰不詰を確定させられます。このような簡単な図なら貧帰不詰など考えるまでもないのですが、候補手がたくさんある難しい詰将棋の検討においては1手分でも考える労力を省くことができるのはありがたいことです。

例に出した図は分かりやすさ重視のために収束図を使ったので他候補手の中に詰む手が混じってしまいました。本来は、貧帰不詰は序の部分で力を発揮するテクニックなので、大いに利用する価値はあるかと思います。



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