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第14回 事業計画その2(事業計画書は嫌でも作る)

「事業計画」と言われてピンときますか?
私自身もともと計画は苦手な方ですし、会社を作るまで未来の計画など立てたことありませんでした。むしろ自分だけの人生なら、目的も無く直感に身を任せて仕事をし、計画なんて無い方がいいとさえ思っています。しかし、会社となるとそうはいかないようです。
そこで前回の「ぶれない柱(目的)」が効いてきます。柱がしっかり固まると、目的に向かっていくために何をすれば良いかが明確になってくるのです。それこそが計画となるため、まずは『柱』を決めることはとても重要だと考えます。
その事業計画、会社にとって大変役に立つのですが、それとは別に重要な役割があります。それは『他人にこの事業の有効性を伝え、認めてもらう』という役割です。「他人に認めてもらう必要なんてあるの?自分だけ確信があればいいのでは?」と思う人もいるでしょう。私もどちらかというとそう思っています。
しかしそうもいかない場面があるのです。

その一つが「お金を借りる・調達する」場面です。
私の場合、頭のなかにあった事業計画を、はじめて少しマシな事業計画書にしたきっかけは「経営革新計画」というものを承認してもらう為でした。経営革新計画についての詳細はネットなどで調べて頂きたいのですが、ざっくり言うと「現在の私が、今までの商売の仕方から新しいサービスや商品を開発しこのように取り組んで売上げを伸ばしますよ。その計画を文書にまとめているので、実現性に説得力があれば認めて下さい」という事です。
この経営革新計画。承認されるといくつかメリットがあるのですが、中でも政府系金融機関(日本政策金融公庫など)の低利融資制度と、信用保証協会の保証枠の拡大が嬉しい特典です。また補助金などの加点対象にも。(都道府県によっては融資制度もあるらしい)私はスタジオを作る費用のため借金が必要でした。なので融資を受けやすくしかも低金利になる経営革新計画はとても大きな意味を持ちました。実際この経営革新計画の承認後に私は日本政策金融公庫から融資を受けましたが、経営革新計画で事業計画書を作成しているので、改めて融資のための計画書を作る手間も少なく公庫側もすんなりと融資を認めてくれた印象があります。(実際はケースバイケースだと思いますが)
お金がたくさんある人や天才には必要ないかもしれません。しかし、次回紹介する補助金申請などでも必ず作らなければいけないのが事業計画書です。はじめは嫌でも騙されたと思ってぜひチャレンジしてみて下さい。結果がどうであれ、あなたの頭のなかにある事業をかなり整理できますよ。

(あとがき)
「こうすれば絶対うまくいくと思うんだよね~」とか「こうしようと思ってるんだ」なんて話をたまに聞きます。他には「こうしたいんだよね」っていうのもあります。
もし、今から何か事業を本気でしようと思っているならば、会話だけで済ませようとせず、その「うまくいくこと」「こうしたいこと」が実現する理由やストーリーをまず文字に落としてみることをお勧めします。そして問題や悩みが出てくればそれを他人に見てもらってください。
そもそも言葉だけでビジネスの全貌を伝えることができる人と、それを理解出来る人は、既に結果を出しているまたは出せる人同士なはずです。夢を語るレベルで良ければ必要ないですが、本気で誰かに相談するならば計画を文字にまとめ、問題点を明確にしておく必要があります。
『考えの言葉化』
多くの人が苦手としているこの行為をなんとかマスター出来ればきっと世界が広がります。例えば英語が話せるようになると世界が広がるのと同じように。

株式会社ハレノヒ代表取締役/2015年、築100年の古民家をリノベーションした写真館をオープン。地方写真館の再定義を行うことによって人とまちが豊かになる仕組みをつくろうとしています。その他セミナー講師や各種メディアにも出ています。