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第6回 運は偶然か?(タイミングとスピードの重要性)

SWOT分析によって、スタジオを作ろうと決意した私は考えました。
『スタジオを作るならどんなところが良いのだろう……?』
さまざまな可能性を模索する中、直感的に頭に浮かんだ「古民家」というワード。『古民家って賃貸に出てるのかな……?』
そこで [佐賀市 古民家 賃貸] で検索をしてみました。いくつかヒットした中、あるページに目が留まりました。
「古民家でお店、やりませんか??? ー佐賀県佐賀市の古民家…」
概要を確認するとなにやら大掛かりなプロジェクトです。

ふと目をやった見学会・相談会の日時は、平成25年7月6日と7月7日の二日間。

しかし、その記事を見た日はすでに7月末。『とっくに見学日は過ぎてるのか。見つけるの遅かった』と思ったら......よく見るとエントリー期間は8月5日までです。
それを見て直感的に行動を起こしました。
『間に合うのかわからないけど、とにかく電話してみよう!』
電話の先は佐賀市役所。担当の職員さんは快い対応で、しかもその日のうちに私一人のために現場の案内をして下さったのです。
(ちなみにこんな感じ)

見学した古民家がこのプロジェクトによってどのような形になるのか、この時全く想像ができませんでしたが、応募書類を受け取った私はその日の夜からダメ元で書類審査用のエントリーシートを作成し始めました。
そしてようやく完成し、提出したのはエントリー期間ギリギリの8月5日。

こうして私の写真スタジオ開設への道が、まだまだハードルを残しながらも運命に導かれるように進んで行ったのです。
……と書くと、すべてが「運」のように感じるかもしれません。
誰かに「どうやってこの古民家に入ることができたのですか?」と聞かれたら「運よく募集を見つけました」と答えています。まあ間違いなく「運」ですし。
でもこのブログはこれから写真館オープンを含めビジネスを始める人のために書いているので、もう少し客観的な分析をしたいと思います。
ポイントの一つ目は、まずSWOT分析を行って導き出した「スタジオが必要」という課題に対し、すぐに具体的に考えたことです。それによって「古民家にスタジオを作るのはどうだろう?」とアイディアを出すことができました。(なぜ古民家だったのかは別の回に書こうと思っています)
そしてポイントの二つ目は、古民家を検索し見つけた情報に対し、すぐに電話をする。という行動を起こしたことです。もし、[佐賀市 古民家 賃貸] の検索をその時していなければ、募集の情報を知らないままだったかもしれません。もし、すぐに電話をしなければ、担当の人の都合が合わず、私も心変わりしたかもしれません。
つまり、このその時にという「タイミング」と、すぐにという「スピード」が私の古民家スタジオオープンへと繋がっているのです。私はビジネスだけでなく自分の生き方において、この「タイミング」と「スピード」をとても重視しています。「タイミング」は、そのコトについての<情報>がなければ、確かに「運」というものが大きく作用している気がします。しかし、<情報>があればタイミング、つまり「機」を待って最適な行動を起こすことも可能です。
ではその<情報>はどのように得られるのでしょうか?情報はそのコトについて興味がなければ、アンテナを張ることはおろか、目の前に情報があってもそれを自分にインプットすることさえできません。だからまず自分に「何が必要なのか」を知ることから始めるのが重要なのです。
「私たちは無知です。何を知らないかを知りません」
何かの本に書いてあった言葉なのですが、知るためには知ることへの関心が必要ということなんだろうと思います。

次に「スピード」について。
私は体が小さく細いのですが、16歳から約20年間ラグビーというスポーツをしていました。(後半の10年間はかなり細々とですが)
「物体の運動エネルギーは、物体の質量と速さの二乗に比例する。」
と遠い昔に習った気がしますが、ざっくり言うと「重量×速度=力」です。つまりラグビーのような体と体がぶつかり合うスポーツで、私のような小さな人間がパワーのある大きな人間と対峙するためには、スピードが必要です。それを私はビジネスの世界に応用しています。
小さな会社が大きな会社と対峙するには、やはりスピードや小回りが必要で、「素早く柔軟に行動できる」という能力はきっと皆さんの武器になることでしょう。「運も実力の内」とも言われますが、全て偶然にも見える「運」というものは、もしかするとさまざまな要素で構成されている場合もあるのではないでしょうか。(私の場合はほとんど偶然だと思いますが)
今回はここまで。
次回は生まれて初めての「プレゼンテーション」について書こうと思います。

(あとがき)
今回は私が大事にしている「タイミング」と「スピード」について書きましたが、実はもう一つ大事な考え方があります。それは「この世界はバランスで成り立っている」という概念です。(この地上に立つ我々も地球の重力とのバランス、月が地球の周りを回っているのもバランスです)
ラグビーでは、現実として私のような小物がいくらスピードよくタックルにいっても大きな選手に真っ向勝負では太刀打ちできないことが多かったのですが、そこで考えたのは、
①相手が強い体制を整える前のタイミングで
②早いスピードで
③相手がバランスを崩しやすい場所にタックルをする
という作戦でした。柔道でも「柔よく剛を制す」と言われますが、おそらく似たようなことなんだと思います。ビジネスの世界でも、市場でバランスを崩しているポイントを見つけ、スピード感を持ってタイミングよく行動すれば、小さな会社や個人でも十分チャンスがあると思います。

株式会社ハレノヒ代表取締役/2015年、築100年の古民家をリノベーションした写真館をオープン。地方写真館の再定義を行うことによって人とまちが豊かになる仕組みをつくろうとしています。その他セミナー講師や各種メディアにも出ています。