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経営者目線のないフリーランスが困窮する10の理由

其田有輝也 / そのだゆきや(@haletoke)です(Profileはこちら)。零細個人事業主としてはや3年が経ちまして、経営者としてこれだけは気にしておいた方がいいと思ったことがあるので、きょうは経営論を少々(普通の家庭でも使えると思うよ!)。

困窮してしまうフリーランスの特徴

1.支出が多い

まず基本的に所得は次の公式に当てはまります。

所得=(収入➖支出)➕(資産✖️利回り)

つまり、所得を上げるためには

① 収入を増やす
② 支出を減らす
③ 資産を増やす
④ 利回りを増やす

のどれかしかありません。

で、さえないフリーランスは支出の中でも特に固定費が高い。

具体的には、家賃・携帯代・保険料・車輌費らへん。事務所なんてよほど大きくならない限りは自宅かコワーキングスペースの賃貸でOK。携帯代も格安SIMを使えば月2500円くらいで運用可能です。保険はパートナーが働いていて、子供がいなければ基本いらないですしね(誰のためにお金を残すのか?)。車は仕事でどうしても必要なら所有するべきですが、土日しか使わないとかなら売ってレンタカーやらカーシェアやらした方が安い。

雪だるま式に固定費が増えるとジワジワと自分の首をしめるので、このあたりは絶対に増やさないし本当に必要なのかよくよく検討する方が良いです。

2.収入が少ない

そもそも収入が少ない人はヤバイですね。日々数十円から数百円の食費を削るより、一日1000円でも稼ぎを増やした方が幸福度は高いです。

フォトグラファーでも1時間1万円以下の仕事をする人がざらにいます。兼業でやっていて他にしっかりと稼げる分野がある人はそれでも大丈夫ですが、専業で単価の低い仕事をしている人は学習に投資をして付加価値をつけるべきです。

「誰でもできる仕事」は結局のところ、「安い・早い・若い」人たちに奪われていきます。写真もライターもデザイナーもそう。誰でもできる仕事は、遊びや趣味でやる分にはいいですが、それを本業にするのはヤバイです。

しっかり学んで、スキルを掛け算して、単価を上げましょう(早く小さくはじめて継続するのがコツです)。

3.ストックインカムがない

ストックインカムは月額固定で入ってくる収入です(仕組み化され働かなくても固定された収入)。反対に一回やっていくらの仕事はフローインカムといいます(単発で流れて行く収入)。フリーランスになってみると、やはり月額固定の収入が入ってくるのは超ありがたいんですよね。

これは法人経営も一緒で、例えばソニーなんかはカメラやPS4やら売ってますが(フローインカム)、柱は金融や保険でえた資金でまわす投資益な訳です(ストックインカム)。逆に創業当初はフローインカムでガッと稼いだお金をどんどんとストックインカム化していくことで経営基盤を安定化させていくのが王道です。

僕ら夫婦も最初は会社員でフローインカムしかありませんでしたが(※会社員はストックではありません。辞めたら何も残りませんから。)、限界を感じて25歳シェアハウス事業を開始しました。これは不動産投資によるストックインカムにあたります。

奥さんの経営してるシェアハウスはちょっと特殊で、彼女名義で600万ほどローンを組んで10年返済プラン。月5万円ほどの返済支出に対して8万円のインカムがあります。現金は月2万そこそこしか残りませんが、1階に奥さんが大家さん兼住人で住んでるので家賃と光熱費は無料のようなもの。

住み込みで事業をすることで、固定費を圧倒的に下げて(ほぼ0)にして、食費や家電なども経費として購入ができるので節税にもなる、と言った具合です。

公式で言えば「収入➖支出」を抑えて「資産✖️利益率」をいかに上げられるか?というのをこんな感じで僕たちは常日頃考えています。

これは「億万長者になってゴージャスな暮らしをしたい!」という欲求ではなく、「好きな時に好きな場所で好きな人たちと人生を過ごしたい」という欲求が源泉になっています。

日本では清貧(貧しくても慎ましく生きるのが清いこと)とされている風潮がありますが、良いことをするにはお金と暇な時間が必要です。だからたくさん稼いでいいことしてる人にお金を支払うんです(これを突き詰めると地域経済圏・ローカルエコノミーの話になりますがそれはまた別の機会に)。

4.利益率が低い

「10万円稼いだけど9万円経費で出て行ってしまう人」と「1万円丸々利益になる人」の利益はまったく一緒なんですよね。

売り上げで見れば前者は10万円ですが、後者は1万円。利益率で見れば10%と100%と商いとしてのクオリティがわかります。

基本的に薄利の場合、多売しなければ利益が出ないので個人事業主はよっぽど仕組み化しなければ無理です(大企業ほど薄利多売で競合企業を潰して独占したがります)。

で、僕ら零細個人事業主はそれじゃ勝ち残れないので、付加価値をつけて利益率の高い商いを目指すわけです。

写真や通訳ガイドの場合、利益率は80〜90%程度とめちゃめちゃ割合よいです。在庫・賞味期限・固定費・人件費などがないからですね。経費でかかるのは交通費と下見の拝観料くらいなものです。

利益率の高いスキルを掛け合わせて単価を上げていけるのが一番賢い戦略ですね(いまの流行りはブログとSNSとプログラミングですね)。

5.変化しない

特にオーバー50の方々はこれまでの成功体験が邪魔をしてしまって変化を嫌います。「これまではこうやって上手く行ってきた」という現代社会ではもはや通用しない思考パターンで物事を考えるので、これは厄介です。

「ヨソモノ・ワカモノ・バカモノ」が世の中を変えると言われるのは、既存の枠組みや既得権益にとらわれない柔軟性を持っているから。

時代の流れにとらわれず、変化を続けなければ絶滅します。カメラ業界で言えば、富士フイルムやオリンパスは医療系や美容系など利益率がよく単価の高いビジネスモデルにシフトして経営を立て直しました。キヤノンもプリンタなど収益基盤を多角化しています。ヤバイのはニコンですね。カメラ一本で来たので利益がここのところ激減。医療系分野に進出を試みていますが、変化できなかった企業の代表例でしょう。

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