続かないあなたは「やるか、やらないか」で迷っている。「やっている」状態へ軽々と移行する一つの方法

物事を継続し、習慣化する方法を、「うつ病患者の治療」から考えてみる。

人は人生を見つめなおしたとき、自殺するという選択肢を常に持っていることに気づく。人生を俯瞰すれば、「生きる意味というのは存在しないと考えることが人間はできてしまう」と気づく。

しかし、人は目の前の問題に取り組むとき、生きることを前提に追いやっている。「仕事」や「家計のやりくり」、「美味しいものが食べたい」、「楽しいことがしたい」などの欲求を満たそうとするとき、生きるか死ぬかでは悩んでいないのである。(…本当は「生きるか死ぬか迷うこと」も生きることである)

うつ病患者に、何か楽しいことを探して・思い出してやってみることを指示する医者がいるとする。楽しいことより辛いことが多くなった状態が、うつ的な症状を生み出すと考えられるからである。どんなに重症な患者でも人間である。何かに取り組むとき、生きることを前提にしている。加えて、楽しいことは連鎖的、いもずる式にほかの楽しいことを生み出す。きっとこの患者は少しずつ良くなっていくだろう。

脳を少し騙して、物事を継続する

物事を続けようとするときも、同じような対処法が活用できる。何か行動を始めるのは結構大変だ。だから「やるか、やらないか」ではなく、とりあえず「やっている状態」に持ち込むのが肝なのである。

方法はいくつかある。1つ挙げてみよう。

例えば、「ぐずぐず主義克服シート」

これは

うつ病の認知療法で取り入れられてきた手法

であり

仕事自体が複雑で難しかったり、自分の調子が悪くて「ひどく難しく思えて取りかかれそうにない」と思える場合に、使用する。

とのこと。仕事を行う前後で「困難さ」と「満足度」をそれぞれ予想と実感値で記録する。それだけである。

このシートの、本質は以下の2点である。

あえて仕事を増やす

ある「仕事A」に取り掛かるのが大変に感じる状態のとき、シートを活用することは「仕事A」を「仕事A´(仕事Aダッシュ)」に置き換えることだと考えられる。

実際は、「予想し、数字を2つシートに書き込む」分だけ、仕事は増えている。しかし、仕事を増やすことで、仕事へ取り掛かっている状態へと移行する負担を減らすことができる

「英語の勉強を1日5ページやろう。」と決心したが、今日はどうしてもやる気が出ない。そうした時に、シートへの書き込みを勉強の前後に加える。
すると気づくだろう、シートに書き込みを始めた時点で「英語の勉強」に連なる行動をすでに始めているのだ。もうすでに「やるかやらないか」の問題ではない。「このまま続けるか、中断するか」の問題に置き換わっている

やる気は、やりはじめてから湧いてくるとよく言われる。どんなにやる気がでないときでも、とりあえずはじめてみることの重要性はきっと色々なところで言われていることだろう。

確かな達成感をつくる

先のうつ病患者の例をあげると、時に「楽しいこと」をした後に虚無感を感じてしまうという方がいるらしい。「何の生産性もない」なんて考えてしまうようだ。合理的に考えれば、そんなはずはないんだけれども...。

しかし、シートに書き込むことによってこの問題も解決できる。大抵は予想したよりは困難さは低く、満足度は大きい。ぜひやってみてほしい。先にも書いたが、予想がネガティブであったことを自分で認識できるのだ。

このほかの例

このほかにも、勉強する場所を喫茶店などに決める、コーヒーを1杯入れる、好きな音楽をかけながらやるなど、関連して先に行う行動を決めておくことは習慣づけにとても役立つ。

「ぐずぐず主義克服シート」を「やるかやらないか」で迷っているなら、とりあえずシートを印刷だけしてみてはどうだろうか。

Have a nice day^^