2019長崎サテライト

参加リポート Agile Japan 2019 長崎サテライト

2019年7月27日(土)に『Agile Japan 2019 長崎サテライト』に参加しました。

充実の時間をリポートします!!

基調講演

オトナの事情で詳細は、割愛します。

総じて言うと

■先が見通せるプロジェクトでは、ウォーターフォールが有効。

■しかし、先が見えないカオスなプロジェクトは、Agile開発が決め手になる。

■ソフトウェアビジネス全体がAgileにパラダイムシフトしている。

という内容でした。

レポートセッション

実行委員のツノダ シュンさんの講演です。

■2019年は、参加者がAgile Japanの中でも最多(約890人)であったこと。

■テーマが『アジャイルでつなぐビジネスとIT』だけあって、今までと異なり、大手企業の事例発表が多い印象を受けた。

■プロジェクト単位ではなく、会社全体でAgileに取り組む雰囲気を感じた。

という内容の講演をされました。

ボクは、ツノダさんが参加してセッションで、ふりかえりのフレームワーク『Fun! Done! Learn!』が紹介されたのに印象を受けました。

Fun→楽しかった

大事です!!

テクニカルセッション その1

共同実行委員長の手島 尚人さんの講演です。

ボクの私見ですが、昭和の時代は、

■とにかく効率第一

■仕事に私情ははさまない

だったと思います。(ボクの社会人デビューは、昭和の終わりでした。💦💦)

もう一つ、私見ですが、この昭和のセルフコントロール(メンタルコントロール)は、このカオスな時代では、通用しないと思います。

逆に、

■気分が乗らない

■😢😢

■😡😡

という自分の感情に正直であるべきです。

この感情をオープンにして、チームで共通するツールとして、手島さんは『ニコカレ』を紹介しました。

テクニカルセッション その2

実行委員の岡崎 晃伸さんの講演、『カンバンでテスト活動アジャイル化!』でした。

岡崎さんの講演を聴きながら、ボクが意識したのは、この書籍

です。

この、『WEB+DB PRESS Vol.111』には、「特集3 見える化大作戦 進捗,成果,無理/ムダ,個人の気持ち……」があります。この記事は、「カイゼン・ジャーニー」の著者、新井 剛さんを中心とした、株式会社ヴァル研究所のメンバーが、日々の「カイゼン」と通して、「見える化」を推進した実績をベースに、そのノウハウをオープンにした記事です。

岡崎さんの講演で、紹介された「見える化」と記事の内容はシンクロするところが多々ありました。

ライトニングトークス

次の3件が、行われました。

■1件目「プロダクト開発での2つの難しさ」

■2件目「bocciの開発」
 酒井宗一郎さん(bocci)

■3件目「PSP/Scrumに向けて - Agileな開発での個人プロセスとは? -」
 日下部 茂 先生(長崎県立大学 情報システム学部 情報システム学科 教授)

1件目、ボクがスピーカーでした。

招待講演
「アジャイルの現在過去未来。そしてアジャイルを進化させる「ムダ取り」とは。」

招待講演は、Agile Japan実行委員(2015-2017は実行委員長)である、和田 憲明さん(富士通株式会社)がスピーカーでした。

富士通株式会社という、伝統的にウォーターフォールでプロジェクトが遂行されてきた組織で、どのようにAgileを広めたか、

そして、Agile Japanがこれまで、どのような変遷を経てきたのかについて、お話されました。

和田さんの講演、ダイジェストでお伝えします。

■Agileの現在/過去/未来

当日配布された「アジャイル新聞」第1号~第4号をもとに、過去をふりかえり、未来を馳せました。

■第1号

テーマは「アジャイルと品質」でした。

サイボウズ社主催の「アジャイルQA」をテーマとしたイベントの紹介、NEC)誉田直美さんの寄稿「技術系プラクティスと品質」があります。

当時の今村博明実行委員長のインタビューのキーワードは、"Why Agile?"でした。

■第2号

テーマは「プロジェクトマネジメント」です。

PMAJ(特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会)より発刊されたアジャイル開発の入門書「アジャイル開発への道案内(近代科学社)」の著者の片岡雅憲氏・小原由起夫氏・光藤昭男氏へのインタビュー記事が紙面の大部分を占めました。その中に「経営者はITの重要性を理解する必要がある」というコトバがあります。なんたる皮肉。「なんとかPay」もねぇ。(笑)

もう1つのトピックは、IPAが「アジャイルソフトウェア開発宣言の読みとき方」を発表したことを紹介しています。この「読みとき方」、今でも重要だと思います。

リンク張りました。

■第3号

Agile Japan 10回記念特集でした。

羽生田栄一さん(株式会社豆蔵CTO)のインタビュー記事「アジャイル次の10年に向けて」があります。"Why Agile?"からの前進を感じます。

■第4号

見出しは、「大手企業がアジャイルへシフト」です!

まさしく、トレンドです。

「アジャイル再入門」の中には、「アジャイルにおける法律と契約について専門家はどのように考えているのか?」という質問があり、これに対し、たつき総合法律事務所 平岡敦 弁護士が答えています。

そして、最後には、XP祭りの顔「アジャイル仙人」も登場しています。ww

■和田さんのふりかえり

和田さんが、Agileに惹かれた理由は、コミュニティが、

・多様性の尊重

・ビギナー歓迎

・建設的な意見交換

を持っていたからだそうです。

当時のコミュニティは、『オブジェクト倶楽部

・平鍋さん

・角谷さん

・やっとむさん

・市谷さん

と、ピッカピカのラインナップだったそうです。

そんな、『オブジェクト倶楽部』を通して、和田さんは

・LT

・ワールドカフェ

を経験し、和田さん自身が『ジャグリング』を披露し、『アジャグラー』を襲名したそうです。

■Agileのこれから

・経産省のリポート、『2025年の崖』

にあるように、新しい布石を打たなければなりません。待ったなしです。

「よい技術、よい設計、よい品質」を追求していかなければなりません。

そのためにも、学生さんや駆け出しのエンジニアには、「ウォーターフォール」での開発をお勧めします。

「ウォーターフォール」を通じて、開発技術全般を極めよう!!

■トヨタ生産方式(以下、TPS)

なんともなんとも、ボクにとっては、目から鱗でした。

海の向こう、アメリカでシャープなエンジニア達がAgileのベースを作るのにバックボーンにしたのは、トヨタ自動車株式会社の『トヨタ生産方式(TPS)』だったのです。

TPSの基本的なコンセプトは、

『ムリ、ムラ、ムダをなくす!』です。

・ムリ

「ムリ」とは何でしょうか。それは、能力以上の使い方をしてかえって作業効率を落としてしまうことです。
要するに、負担をかけすぎて本来のパフォーマンスが発揮されない状態のことを指します。
それは人に対しても当てはまりますし、機械に対しても当てはまります。
また、生産計画の目標が実情とあっていないために生じる計画上のムリという場合にも当てはまるでしょう。
こうしたムリをすぐに改善するために動くことで、徐々に生産性を落としてしまう危険に対処することができるでしょう。

・ムラ

ムラとは、

特異なものが「淀み」となって、目立つようになることです。

異常が目立つことで、「何をカイゼンするべきか?」が明確になるそうです。

トヨタ自動車株式会社では、生産ラインで、

AAA BBB CCC と展開するのではなく、

CAB CAB CAB CAB と様々な車種がラインを流れるそうです。

これで、「淀み」がハッキリと浮き彫りにされ、カイゼンに繋がるのです。

・ムダ

いよいよ、『ムダ』です。TPSでは、業務を

付加価値-------------ムダ---------------------無駄

(正味作業)----------(付帯作業)---------------(組織にとって必要のない部分)

と分類しています。

「ムダ」は、「なくせないけど、時間を短縮すべき」タスクなのです。

例えば、「運搬の距離を短くする。」といったカイゼン活動です。

ムダの洗い出しには、顧客視点が重要です!!

トヨタ自動車では、ムダを分類して、『7つのムダ』を定義しています。

この7つのムダを押さえることが、Agileの推進に繋がるのです。

・和田さんの講演ダイジェストは、以上です。

和田さん、ありがとうございました。

和田さんへの記念品贈呈の儀

(左:共同実行委員長の池田暁さん 右:和田憲明さん)

オマケ

長崎の街とグルメ、堪能しました。

まず、出島にあるレトロな喫茶店、『絵里奈』さん

懇親会で食べた、鯨の刺身、鯖の刺身(締めていない!!😳😳)

でした。


参考リンク




川越在住。映画と音楽、お酒とラーメン好きのソフトウェアエンジニアです。 ビールは、ハートランド(KIRIN)。 🍜は、いろいろ。 好きな音楽は、クラシックギターとピアノ。好きなバンドは、ミスチル。好きなマンガは、「3月のライオン」。