見出し画像

ワルシャワ(ポーランド)の思い出

数多くのヨーロッパの駅を降りてきたが、ポーランドのワルシャワ駅を出た時ほど衝撃を受けた事はなかったかもしれない。そこに聳えていたのは見慣れたビル街でも、美しい大聖堂でも、新古典主義やネオゴシックな街並みでもなかった。広大な敷地に建てられた巨大なエンパイアステートビルにも似た建物、文化科学宮殿が出迎えてくれた。

スターリン・ゴシック

スターリン様式、あるいはスターリンゴシックと呼ばれる建築様式で、言葉の通りスターリンの治世下で共産圏に多く建てられた建築物だそうで、この文化科学宮殿はスターリンからのワルシャワ市民へのプレゼント(建築費用はポーランド側が負担)だったとのこと。私の泊まった宿はちょうどこの建物の向かいで、窓からこの建物が綺麗に見えた。西ヨーロッパとは大きく違う風景に旧共産圏に来たと実感した。

トラムに乗って

翌朝早く、トラムに乗って旧市街へ出かけた。ヨーロッパの時間は日本よりも7時間ほど遅い。そのため朝5時ごろには目が冴えてしまう。この時差を活かして朝早く誰もいない街を巡るのがとても楽しいのだ。

画像1

朝の光の中、緑豊かなサスキ公園を右手に見ながらトラムはゆっくり走る。旧市街の丘の下に停車するのでそこから階段を登る。

画像2

まだ誰もいない広場を通り抜けて城塞跡を散歩した。

画像3

一通り回り終わる頃には昼ごろになり徐々に人増えていった。とても美しい景色に満足して旧市街を散歩しているとある看板が目に止まった。

過酷な歴史の中で

その看板は「ワルシャワ蜂起」について書かれたもので第二次世界大戦時にナチスドイツに抵抗したワルシャワの街は85%が破壊されたという内容だった。

第二次大戦後ナチスドイツから解放されたポーランドはソ連に支配され、共産圏に組み込まれていく。過酷な歴史が刻まれた街並みを見にまた訪れたいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?