長く充実した日

6月30日
朝4時。
まだ仄暗い窓の外、『働かねば』という強い意志だけで体を起こし、自宅から今日の現場への始発がない私を気遣って一晩泊めてくれた同期の家を出る。

今日は某スタジアムでマラソンイベントのスタッフをする。
朝は早いし、初めて行く現場だし、不安だらけだった。しかし、同いスタッフには同期の作家が2人、養成所時代の後輩作家が2人いたので少しホッとした。『知った顔の人がいる』という安心感は、人見知り代表の私に大きなプラスだった。
それに、この現場のプロデューサーさんはだいぶ優しい口調の方で、あまりピリピリした空気が流れていなかったこともありがたかった。知らない環境で空気も張り詰めていたら、多分緊張過多で卒倒しちゃう。

イベントはあっという間に終わり、時刻も気がついたら16時。
余ったケータリングの飲料をしこたまもらって重くなったリュックを背負い、私は町田へ向かう。
町田、実家にいた頃は近かったからよく遊びに来ていたなぁ。
今夜は高校時代の友人たちが10数名も集まれる飲み会なのだ。中には山梨や青森から帰って来てくれている子もいたくらい。ついこの間会った親友から数年ぶりに再会した友人。みんなと最近の話から懐かしい思い出まで、たくさん語り合った。それでもまだ足りなくて、カラオケにはしごして騒ぐ騒ぐ。おかげで声は1トーン低くなったが、もはやいい思い出だ。

「こっからお家帰るの大変でしょ?荷物も多いしさ。うちの方が近いし、今夜は泊まってきなよ!」
親友がそう招待してくれた。彼女と、いつも迎え入れてくれる彼女の家族には一生感謝しきれない。
今夜も、いつもより暖かさを感じる布団で今日の楽しかった出来事を振り返りながら瞼を閉じる。

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