素敵すぎてしまった

4月12日
『KAJALLA#4』東京公演。
マチネのチケットを握りしめ、私は三軒茶屋にいた。

大好きな小林賢太郎氏率いるコント集団の公演。ひと月前、舞台初日である横浜公演もばっちり観させていただいたが、今回チケット運が良く東京公演のものも手に入れられたのだ。もちろん、今回も同期の彼女にお供してもらった。
全国各地を回って帰京してきたコントたちは、さらに笑いと美しさに磨きがかかっていた。大いに笑い、時には背筋がゾクっとするほど芝居に引き込まれ、幕が降りるころには割れんばかりの拍手を送っていた。

終演後、ロビーでアンケートを書いていると、同期の彼女が「あっ!え?!ちょ、え??!」と驚愕している。いつも冷静で知的なのに珍しいと思い彼女の目線の先を辿ると、そこにはさっきまで舞台で私たちを楽しませていた演者さんの1人がいた。
エンタメ業界で私とともに活動している彼女は、彼の生む笑いに感銘を受けたことがきっかけとなり、業界を志したのだという。そうか、そのきっかけを与えてくれた、いわば神様みたいな人が自分の数メートル先にいるんだ、彼女がこうなるのも無理ない。
私だったら、緊張からその場から逃げ出してしまうと思う。そしてもれなく後悔すると思う。しかし彼女は「今を逃したら一生後悔する……」と自身を奮い立たせ、彼に声をかけた。今日の舞台が素晴らしかったこと、自分の憧れの存在であること、いつの日か一緒に仕事ができるよう頑張るということ。緊張から手を震わせながらも、彼女はしっかり自分の言葉で伝えていた。それに対し、その演者さんは優しい言葉をかけており、ああ良かったとなぜか私の目に涙が滲んだ。

感動冷めやらぬまま、初めてシュラスコを食べた。
別ベクトルで感動した。

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