そんなのいやだ

7月10日
朝起きて思う。
家から出たくない。

体が重い。
昨晩荒れていた胃はよくなった気がするが、布団から起き上がる気力がいまいち湧かない。休んじゃおうかなぁ。でもなぁ。そしたらお仕事で休む時に休めなくなっちゃうかもしれないしなぁ。
新しく入ったバイト先はシフトは自由だが、ドタ欠が多いともれなくクビになるという。まあ大体のところはそうなのだろうが、あまりにもこんこんと言われたので休む勇気が出なかった。
しゃーなしや、がんばろ……。無理やり体を起こし、昨日買ったパンを口にねじ込んだ。

会社に着いてから、座って作業しているだけだからだろうか。体がなんだかおかしい。
以前から手足のしびれは出ていたが、今日はやけに左足が痺れる。いや、それだけじゃない。……左の手足がおかしい。
歩けもするし、ものをつかむこともできる。しかし、どうも力がうまく入らないのだ。右半身ではさほど感じない、筋肉が固まっている感覚。人目をはばかり、社用のPCで『左半身 動かしづらい』と検索窓に打ち込む。
たくさんの、見たくない言葉たちが並んでいた。すぐタブを閉じる。しかし、検索結果は脳裏にこびりついて離れない。
信じたくなくて、不安でたまらなくて、以前までの症状も伝えていた同期にLINEを入れる。こんなことしても彼女は医者ではない。ただ心配にさせ困らせるだけなのに、この恐怖を1人で抱える勇気はなかった。

「原因がわからないのが1番怖いよね……」
彼女のいうとおりである。この得体の知れない症状が何を伝えたいのかわからないのが怖くてたまらないのだ。もし本当に脳卒中のサインだったら?はたまたストレス性の一時的なのもなのか?
明日の朝一番に神経内科で診てもらおう。これが一体なんなのか、知ることができたら少し気が晴れるかもしれない。

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