4月16日
新宿一の繁華街・歌舞伎町を抜けた先にある劇場。
そこが今日の職場である。

やることといえばライブスタッフで、しかも受付業務と金銭管理なので、それほど苦ではない。仕事をこなしつつ、次々と登場する演者さんたちのネタを楽しむ。
定期的にやるライブのため、いつものスタッフチームでいつものように楽しもうと思っていると、新しい風は突然訪れた。
「スタッフ志望で、本日見学させていただきます！よろしくおねがいします！」
新メンバーの登場である。

将来ライブの主催者になりたいという彼女は、すらりとしたスタイルと屈託のない笑顔が魅力的な女の子で、初対面とは思えないほど楽しそうに喋ってくれる。こちらもついつい内気な性格を忘れて饒舌になりながら話していると、流れで年齢の話になった。
「もちづきさんおいくつですか？」
「23っす！」
いつものメンバーの中やだいたいのライブでは最年少なので、若手らしく元気に答えると、
「わあ！お姉さんだ！私18です！」
とさらに元気に返事をしてきた。
18歳……？
2000年生まれ……？
中学時代からスマホ使ってる……？
しっかり自分の年齢を見つめ直す機会を彼女は与えてくれた。歳をとることは時に残酷だが、今日は普段人に言ってもらえない『大人っぽいですね！』という最高の褒め言葉を彼女からもらったので良しとする。