真性かまってちゃん

1月25日
原稿も済んだ今、私がすべきは働いて金を稼ぐことだ。

てなでやってきました、都内某ホテル。
初めて行く現場なのに、宴会のサービススタッフとクロークスタッフの二刀流ときた。しかも、いつにもましてベテランと見受けられるスタッフが多く、とにかく初心者に不親切であった。
「グラス拭いといて」じゃねえぞ?『どこ』で!『何』を使って!『どうやって』拭けばいいか教えてくれよ!
いつにもまして人見知りが発動し、人と触れ合うのにうんざりするような、年に数回ある『そういう日』だった今日、モヤモヤした気持ちが晴れなかった。
あと、ベテランスタッフ(ざっくり言えばおじさん)たち、仲良いのはいいんだけど内輪ノリがとにかくひどく、ツッコミが『大声で叫んで否定する』だけの諸刃の剣・ノーユニークツッコミすぎて嫌気がさした。これに関しては私が厳しすぎた。

かといって、周りにいた同い年らしき女の子たちはもう輪が出来上がっている。ここに突っ込んでいき、当然のごとく打ち解けられるほど、私は人間ができていない。私は『若者たちでいってきな』ともらった30分休憩も、他の子たちとワンテンポずらし、1人で食堂の麺定食をすすり、スマホをこれでもかといじった。ああ、なんと私はひねくれていて寂しい人間なのだろう。ノーセンスで内輪ノリの彼らも嫌だが、そんな自分自身にも嫌気がさしていた。もう救いようがない。

昼過ぎでサービススタッフを上がり、クロークへ移動。ここで、先ほどの宴会場スタッフでも一緒だったパートのおばさまと休憩がかぶる。
フレンドリーなおばさまは、私の塞ぎ込んだ雰囲気(というか実際にATフィールド貼ったんか?ばりのパーソナルスペース作っていたのに)を一切無視して話しかけてくる。
「高校生?」
「え!大学も卒業してるの!見えなーい!」
「さっきの宴会場でイケメン見つけてねー!」
なんだこの人。すごい話しかけてくる。でも、不思議と私もするする言葉数も増え、いつもみたいに適当に話を合わせて年齢を偽ることなく、AD時代のエピソードトークまで喋ってしまった。

あ、結局私、人と触れ合いたくないわけじゃなくて、『人に優しくされたかっただけ』なんじゃないのか?自分から足を踏み込むことなく、相手が寄り添ってくれるのを、イライラしつつも待っていたんじゃないのか?

はっず、ただの寂しがり屋かよ……。
私はひどく赤面した。

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