ネット弁慶と変なパンダ

4月27日
最近よくいるマストドンの同インスタンスの絵描きさんが、横浜のギャラリーに作品を展示していると聞き、友人とお伺いすることに。

ギャラリーに着くや否や、私はそれまで無駄すぎるほどベラベラとしゃべり続けていた口をキュッと結ぶ。誰にも話しかけないし、動けもしない。
そう、私は類を見ないほどのコミュ障なのだ。
慣れた人間や素性の伝わらないネットではこうも無駄口を叩けるが、初対面の人には話しかけることすらできないのである。前回の文フリ東京で同インスタンスの作家さんのブースに行った時もそうだ。私は名乗ることもできず、横にいた友人が私のことまで紹介してくれていた。
「今回はもうじぶんで声かけなきゃダメだからね!」
友人から先に逃げ道を封じられる。私は「そんなぁ!中国の母ライオンみたいな育て方を!」と嘆くも、彼女は見守るのみ。私も努力を試みたが、結局なかなか声を出せず、目ががっつりあった瞬間に蚊みたいな声量で「○○さんですか……」と声をかけた(この間に時間を取りすぎて友人からは「じゃあもう今日帰るの?!」とオカンみたいな叱られ方をされた)。

声をかけるのも一苦労だったし、その後もちゃんと視線を合わせておしゃべりできなかったが、作品自体は堪能することができてよかった。あんな繊細で美しいものを生み出せる人がいるって、純粋にすごいことだなぁ……。
それにしても、こんなにもコミュ障で大丈夫なのかサークル主……。

そのあと少し中華街を歩く。今夜は少し冷えるが、夜の中華街は店頭販売している点心の湯気や提灯の灯りが温かく感じられる。
と、突然どこからともなく不気味な電子音が聞こえてきた。なんだこれ、いや、でもこの音、聞き覚えが……。気がついた時には2人顔を見合わせていた。

2ヶ月前のことだ。
舞台観劇のために横浜を訪れた我々2人は、開演前に中華街を散策していた。すると、『不気味な電子音を奏でる上に目を緑色に光らせるパンダのぬいぐるみ』を抱えた少年が偶然すれ違った。我々はその奇妙な物体に一瞬で心を奪われた。
「ほしい!人生において絶対必要ないけどほしいよお!」
そう叫び、時間の許す限り中華街内を捜索したが、結局そのパンダは見つけられなかった。

あのパンダだ。
あのランバダを不協和音的な電子音で奏で、ギラギラと目を緑色に光らせている、あのパンダに違いない。どちらからともなく商品に駆け寄り、気がついた時には私は1体買い上げていた。

noteに動画が貼れないようなので、気になる方は私のツイートにでも飛んで見て下さいな。夢に出てきますぜ。

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